どぅんさんの映画レビュー・感想・評価

どぅん

どぅん

正体(2024年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

憎んでおかしくない相手でも正しく接して、汚い世界にも希望も見つけようとする鏑木の姿があまり人間味を感じなくて共感できなかったんだけど、横浜流星さんの端正な敬語キャラを見れる丁度いいエンタメ感だったのか>>続きを読む

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

フィルムに光と雪が溶け込んで凄く柔らかいのに、時々寒いを超えて霜焼けになったみたいなツンとした痛みが刺さってくる。

映像が綺麗で端正でそれだけでずっと見ていたいほどだった。

吃音のタクヤが言葉に詰
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きみの色(2024年製作の映画)

3.8

柔らかい色とロック、テクノ、クラシック(音楽のジャンルは詳しく分かんないけど)みたいな色んな音詰め込まれてるのも良かった。

随所に聖書や神学者の言葉が出てくるけど、長崎がモデルなのも含めて自然に溶け
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.2

思春期の制御不可能な感情が面白く表現されていたけど、ちょっと恥ずかしい気分にもなって自分の中ではまだナツカシになってないんだと実感した。周りからどう思われるかばかりが気になって、謎の見栄や卑屈な態度で>>続きを読む

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.0

思い出にカナシミとヨロコビが混じって複雑になっていく様が共感できる。悲しかったからこそその癒しは喜びになるし、喜んだからこそそこから失うことは悲しみになるよね。
辛い出来事を乗り越える、理解し合あうた
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劇場版モノノ怪 唐傘(2024年製作の映画)

3.8

大奥って言葉のイメージから寵愛を巡ったドロドロかと思いきや、上司からの評価とか同僚との比較しての自己評価とか仕事での承認欲求の話だった。組織の為に大切なものを捨てることが尊ばれる大手ブラック企業。>>続きを読む

時々、私は考える(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

頭の中にぽろぽろ響く音響と丁寧な構図が印象的。凄く好き。

世界に愛着を持とうとした瞬間、失うことを意識する。望んでいるんじゃないけど感じてみたいという感情は理解しきれないけど、一種の逃避でどれだけ美
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

コミュニティから、家族から置いてけぼりになった孤独な人間たちの不器用で温かい関係。確かに立派ではなくてちょっと面倒くさい人間たちなんだけど、傷つけ傷つけられ迷って自己否定もして苦しんでそれでもちゃんと>>続きを読む

数分間のエールを(2024年製作の映画)

3.9

何かを作りたいと強く思ったことも、それで感動させたいと思ったことも、出来なくて挫折したこともなくて、どれも分からない感情なのにただ凄いエネルギーを感じてグッときた。

いつも自分は受け取る側/消費する
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朽ちないサクラ(2024年製作の映画)

3.6

そうはならんやろ、それはダメやろのツッコミどころで多少意識を逸らされた。

桜の木の下に佇む杉咲花さんに画力がある

違国日記(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

漫画で映える、響くセリフを実写で自然に溶け込ませることの難しさを感じつつも、鑑賞後には柔らかい気持ちとスッキリとした快さがあった。
映画ですら良かったから、原作と比較したレビューを見ると俄然原作も読み
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あんのこと(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

エンドロール中、人目をはばからず嗚咽する声が聞こえてこの人の過去にある傷全ての傍に居たいと思った。せめて今日たくさん泣いた分ぐっすり眠れるといいな。

序盤多々良さんも記者も現実味が無いほど良い人で、
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.8

トンチキバイオレンス映画を観に行ったつもりが本当にMADがMAXだった

アニャ・テイラージョイの眼光が印象的
奪い奪われ

ハンムラビ法典「目には目を歯には歯を」の本来の意は、目をくり抜かれたら目を
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.9

「このBGM自前だったんかい」の瞬間が最高すぎる。この後文明が復興して歴史の教科書に「およそ100年前出陣の際には改造車に吊るされながらエレキを泣かすことで仲間を鼓舞する風習が……」と綴られていてほし>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

音響が印象的な映画だった
部屋で会話をする場面、普通言葉だけを拾うのに、違う部屋にいる赤子の泣き声や生活音を重ねている。映画が進むにつれ壁の隣側にある死の雰囲気を感じて、赤子の泣き声なのか収容された人
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

前後編一挙上映!
前後編の映画でしっかり作ったことが凄い!偉い!この2ヶ月楽しみにしてて良かった

結局ひろしの「希望を失わないためには最後まで誰かを守り抜く」って言葉の話だった気がする。じゃあ、門出
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.0

120分間ずっと苦しかった

出てくる役者さんたちみんな心底苦しそうでもうむしろちょっと許してくれって感じ
沙織里の、感じることを拒否して麻痺し始めて心が暴走していく姿に心が痛む
夫に、弟に同じ痛みを
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

タイトルを見て、キリスト教思想の講義でテーマだった「悪とは何か」を思い出した。キリスト教文化において、悪は存在しない、悪と評されるものは善の欠如である、人間は性悪に生まれないし、全知全能の神もまた存在>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.9

大暴れしていて中々面白かった
4DXで観てこそ100%の実力が発揮される映画

コングが虫歯で煽られたあと、バトルシーンで横っ面ぶん殴って歯抜けさすの最高

映像も綺麗かつ迫力あって見応えあった

異人たち(2023年製作の映画)

4.1

あの時言ってもらいたかった言葉、あの時して欲しかった行動の一つ一つがあまりに悲しくて共感出来た
傷が癒されるという感覚はあまりないけど、解放されたかのようなあの気持ち

電車に揺られて会いに行くあの設
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見知らぬ人の痛み(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

コンテンツモデレーターにハマっていったのは、他者への同情を通して自分の傷を心の奥底に沈めていく作業だと思いながら見ていたけど、それ以上に元々倫子は見知らぬ人の痛みにも共感出来てしまう優しい人だったんだ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

簡単に理解出来た気にさせないぞという意志まで感じる複雑さだった
それが作り手から受け手への信頼も感じて好きでもあった

時系列弄りはお家芸だけど、伝記物との食い合わせが悪すぎる。
登場人物の多さと物理
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

誰にも共感出来ずに終了してしまった
これってどういう意味って考えてるうちにツッコミどころが生まれてしまう。

ロケーションは美しい
あと森七菜ちゃんがとびきり可愛い

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.2

面白かった〜!この状態で5月まで待つの無理すぎて原作購入不可避

何の情報も入れずに行って日常ふんわりSFかと思ってたら、社会へ向けたメッセージ性を多分に含んだ台詞と思わず共感しちゃう人間ドラマもあっ
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.1

接写ばかりのカメラワークのせいか、独特な映画音響のせいか、はたまた演技のせいか、なんとも言えぬ白々しさ、胡散臭さが漂っててむず痒がったけど、それが妙にハマってしまって中毒性があった。

サイコ野郎共が
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

音圧で座席が震えて身体に伝わってくる。
音と振動にズレがなく、IMAX比率の圧倒的な映像と併せて凄まじい臨場感。まさに「 映画体験」と評するに相応しい映画だった。

3時間という長さなのにエンドロール
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

薄ら寒く感じた点もあるけど全体的に良かった。覚えてる場面だけ感想。

まず、杉咲花さんの存在がどうしようもなく良い。話せない52に語りかける場面とか、下手すると凄く台詞として聞こえてしまいそうだけど確
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「事実は意味がない、重要なのは法廷でどのような印象になるかだ」みたいな劇中の台詞のごとく、結局死因がなんだったのか分からないまま終わったのが面白い。夫婦喧嘩していること自体は事実だと思うが、お互いの主>>続きを読む

ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

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熱い!!熱すぎる!!!
永遠にこの時間が続いて欲しい!
あの時に戻りたい(私にはこんなにも一生懸命になれたことなんてなかったけど、戻れるなら頑張ろうとしたい)
もう1期から見返すしかない

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

バカデカブランケットで地球丸ごと包み込んだみたいな、人間という存在そのもの、今生きている世界そのものが愛おしくなってしまう良い作品だった。
人と人との関係の中で、互いに自分を開示して相手に踏み込まれた
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