このレビューはネタバレを含みます
音響が印象的な映画だった
部屋で会話をする場面、普通言葉だけを拾うのに、違う部屋にいる赤子の泣き声や生活音を重ねている。映画が進むにつれ壁の隣側にある死の雰囲気を感じて、赤子の泣き声なのか収容された人々の叫び声なのか区別がつかなくなってくる。エンドロールの喜怒哀楽全てが一緒くたになったような叫びもまた頭がおかしくなりそうだった。
親が、夫が収容所の司令官をやっていて、壁の隣から叫び声が聞こえてきて、煙突からは肉が焼ける匂いと黒い煙が上がる。そんな環境なのに当たり前のように生活して、ここが楽園だと言えていることが怖い。関心領域というタイトル見た時、知らないが故の関心のなさかと思っていたけど、そうではなくて知った上で視界から消す、少しも意識する価値を見出さない、自分の領域とそれ以外を明確に区別する話だった。
食料を労働エリアみたいな場所に隠す家政婦(?)のシーンも印象的。暗視カメラを使ってるのか見られてはいけないハラハラ感があったし、序盤は誰が何をしているのかも分からなかったからヘンゼルとグレーテルがメタファーなのかと思ったけど今もよく関連がわかってない
温室でのお母さんと庭師の場面、犬が察し良すぎてちょっと笑えてしまった