映像体験をする映画。
その意味ではIMAX劇場推奨。
物語としては、ポールとチャニの愛と決別の物語がうまく描かれていない。チャニがポールに南に向かおうと説得する場面など、もう少し間があるだけでもその後>>続きを読む
P2をより今風に再解釈したとも言える作品。特定の誰かに追いかけ回されるP2とは打って変わって、今作は画面の向こうで好き勝手に妄言を垂れ流す人々を意識した、姿なき犯人の銃口が主人公に向けられる。
しかし>>続きを読む
愛すべきおバカなキャラクター達と疑問符の付く物語進行。これゴジラ-1若しくはエクスペンダブルズ4だ。
面白いか詰まらないかで言えば面白い。
人生の協奏曲ならぬ競争曲。登場する全ジュリアが一筋縄にはいかない道程をたどる。誰が1番の幸せを手に入れるのか、それは終わってみないと分からない。そもそもどの彼女も競争ではない点に人生の価値を見出してい>>続きを読む
人権という概念がまだまだちっぽけな時代だからこそ、暴力とは無縁の形で結ばれる友情には何事にも代え難い価値があったのだろう。
人付き合いが苦手な主人公には共感してしまう。残酷な現実に生きるからこそ、人は人を愛さずにはいられない。己の居場所を見失ったジュリアは倒れても尚彼女の安息を求めて走り続ける。
映画は度々精神疾患を持つ方々を「ネタ」として消費してしまうが、今一度彼らの本当の苦しみを理解する試みとして、意義のある一作ではなかろうか。
認知症である妻の煩わしさ、そして彼女が亡くなった後の空しさ。そのどちらもがスプリットスクリーンという映像表現によって効果的に映し出される。ラストシーンは天と地が逆さとなり幕を閉じるが、「死」とはある意>>続きを読む
おバカなサンクスギビングデイから始まるオープニングに大爆笑。イーライ・ロス監督はやはりコメディの人という印象。
今作の中年男女の恋愛はどこか初々しくも映る。将来ではなく今を生きる2人は、大人になるステップとしての恋をする少年少女のようだ。
写真を撮る際に骨を隠すところや峠を越えた青年が肉を埋める場面が印象的。生きる事の罪深さを改めて実感。彼らが生還を確信した時、一体何を考えたのだろうか。
生きるとは罪を犯す事。死とは穢れを落とす事。少年は大人になり、ルイジ・ピランデッロは無垢へと帰る。そう解釈した。