ikumiさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

神妙な顔つきで「私たちは世界を壊した...」と言いながらその破壊の実態には触れず、そもそもこれはオッペンハイマーや当時の状況を描きたかったのであって原爆の映画ではないのだというスタンスはいつものアメリ>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

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1956年といえば、日本史では「もはや戦後ではない」が流行語になった年だと学ぶ。しかし戦争の代償をその年まで払わされ続けた罪なき人たちがいる。
 つい数年前に亡くなった私の大伯父さんはシベリアに長いこ
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ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)

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こんなはずじゃなかったドタバタ殺人事件。映画で事件を起こすのに必要なのはたった一部屋なんだ。グレイスケリー、美しすぎる。
母の1番好きなヒッチコックはこれだと言っていた。

コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

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言葉のない地球讃歌。人間の作り出すスピードは自然の力に比べてあまりに早すぎるなってわかる映像。人間だけが特異すぎる。最後には、このまま人間が滅んだとしてそれもまた地球の姿のひとつなんだろうなと思った。>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

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めっちゃ好き。自分にとって人間の真理のひとつみたいな映画。
いつでも人は他人の生活が気になる。覗き見たいという欲望がきっとある。現代のSNSもまた裏窓だと思ってる。

バービー(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

We can be anything!
 かつて赤ん坊の人形しか選択肢がなかった少女たちは、こぞってお母さん役を演じた。その後バービーが誕生し、女性は何にでもなれる存在なのだと少女たちに教えてくれた
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

4.2

完璧で美しい色と構図、街ゆく人や犬たちが音に合わせて動いているかのような音楽は何度観ても惹きつけられる。チャップリンやmr.ビーンに並ぶコミカルなおじさんキャラクターが笑える。
平面的な絵作りは現代の
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

4.5

Be exactly who you are. そして命はいつか終わりをむかえるからこそ愛することができる。その儚いうつくしさは、口の中で消えていくホットチョコの甘味、歌声や暖炉の火にもきっと似ている>>続きを読む

トゥルーホラー:悪魔が私に殺させた(2023年製作の映画)

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"悪魔の憑依"は存在するのか、「死霊館」の元となった実際の事件と裁判を解明するインタビューと再現Vと音声データ。
悪魔憑きを信じてないゆえ、悪魔憑きについて大人が真面目な顔で語る前半は退屈だったが後半
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.2

前作Xの老婆の若かりし頃をミアゴスが怪演。歴代のミュージカル映画にオマージュを捧げたサイコスリラー。スターを夢見た無垢なパッションが狂気へ変わるとき、農場が鮮血に染まる。ラストの長回しは圧巻。

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

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4部作の4つ目に観た。
ストーリーは特に大きな変更などなく原作に忠実。セットがとにかくよく動いた。

4部作は1番がねずみ捕り、2番目が毒、3番目に白鳥の順に楽しめた。

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.8

性暴力や社会的不利について、女性たちは連帯や共感を持ったうえで議論を交わすことができる。
2010年の実話というのが恐ろしかった。

白鳥(2023年製作の映画)

3.8

4部作3つ目に観た。
日常にいる黄金の精神を持つ者たち...ジョジョ4部やん...

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.8

女たちは自分の心に従う。
女たちは己の身体を決める。
女たちは知性を手放さない。
女たちは自ら人生を生きる。

「進歩させる」の解が最高だった。

(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

4部作のふたつ目に観た。
いちばんの毒は愚かで恥知らずなイギリス人だった、という時代のお話。

ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

4部作の一つ目に観た。
ネズミ捕りの話と最後の2人の目線から、干し草にmissingの人(栄養)が埋もれているからねずみは毒麦なんか食べなかったという都市伝説みたいなサスペンス。おもしろかった。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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SHIBUYA トイレ探訪とノスタルジーなTOKYOが魅力的。
けれど今東京で生きている身としては、平山のように"清貧な"生活を自ら選び取った人間が果たしてこの街にいるだろうか、いやいないだろうと思っ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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グランドブダペストホテルよりもメタのメタで明白なクィアロマンス。冗長で退屈だったけど、架空の役を演じることが現実世界で人を救う、というのは宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が示すファンタジーの可能性>>続きを読む

月に囚われた男(2009年製作の映画)

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低予算らしいけど良いSF。愛する場所に帰れないという切なさは、戦争や災害で移住するしか選択肢がなかった現実の人々を思わずにはいられない。

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

都合の悪い出来事や命をトリミングする母親、母親に似て美しく生まれた少女はその道具。男たちは蚊帳の外。
托卵された少女が育てたのは自分の欲望のようなものだった。しかし結局は母親によって殺されてしまった。
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.5

脱北の一部始終を記録したとんでもないドキュメンタリー。北朝鮮と韓国の分断のはじまりには日本の植民地政策があった。「祖国で生きられるのなら脱北する必要はなかった」「鳥になれば祖国に帰れるかもしれない、で>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.5

グリーフケアがなされなかった少女が降霊術(≒ドラッグ)に堕ちてゆく。
"Talk to me,"は誰かが彼女に唱えてあげるべき救いの呪文だったかもしれない。

レンフィールド(2023年製作の映画)

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執着系老害ドラキュラという新境地を開いたニコラスケイジ。

(2023年製作の映画)

4.8

オープニングめちゃくちゃかっこいい。
芸人という笑われ者として生きる過程で感じてきたのかもしれないビートたけしの静かな怒りと豊臣秀吉というキャラ。"武士たちの色恋なんざ農民出身にはわからないし関係ない
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

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滋賀県ゆかりなさすぎてわからなかった!ひとつめもそうだったけど原作男の子の役を女性に演じさせるのはなぜ

ナチ刑法175条/刑法175条(1999年製作の映画)

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「大いなる自由」でハンスにつけられた罪の数字、男性同性愛を禁止する175条について、1990年代に存命していた当事者たちにインタビューしたドキュメンタリー。語り手たちの映画のようなロマンティックなエピ>>続きを読む

大いなる自由(2021年製作の映画)

4.4

ユダヤ人を救った連合国軍がその手で同性愛者を刑務所送りにしていた歴史に驚愕。摘発方法も馬鹿馬鹿しいほど手が込んでいる。
暗闇の中に友から差し出されたマッチの光は希望の灯火。不自由なはずの刑務所でしかハ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

事前情報なくジブリを見れたのって小学生ぶりの体験だったかもしれない。
宮崎駿監督の内面世界を垣間見れた気がした。監督の自省と願いを受けて、私たちは未来をどう生きていくのか。
子供である眞人の自我も、大
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

5.0

名も無きふたりの関係を第三者が定義したがる暴力性について。同時に「周りなんか無視して好きなように生きる/愛する」ことの難しさも。
終始子供たちの瞳の動きが印象的で、演技も編集もすばらしかった。
これは
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

5.0

これはもう動く現代美術!
カミングアウトの葛藤・孤独、家族との関係性とか、これまでのスパイダーマンを踏襲しつつも現代を生きる若者たちが共感できるヒーローに。
つい最近まで映画はマルチバースという概念を
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.8

肌にまとわりつく湿気、0.5ミリですれ違う人々のなかに、いなくなった誰かの輪郭をみる。
「失恋したらジョギングをする 体の水分を蒸発させて涙が出ないようにするために」
私も好きな人と話すときは爆音でミ
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ソウ3(2006年製作の映画)

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グロさ増し増し。
謎や伏線はさておき、1〜3でこれだけ他人の命を(みんなやましさがあったとはいえ)軽んじておいて...と終始思わずにはいられなかった

ソウ2(2005年製作の映画)

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だいぶ序盤、ジグソウの音声データの時点で謎解きの答えわかっちゃった。
観てるうちに変な顔になっちゃうくらい痛そうだった。

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