notitleさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.4

パレスチナ人とレバノン人の小さなすれ違いから起きた、国をも巻き込む裁判の話。当事者の求める所とは異なるエスカレーションの中、色々考えさせられる。世界の至る所で、様々な形で起きてること。単純じゃない。だ>>続きを読む

憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

3.8

ある男と、手間かかる弟分カップルで成されるチンピラ達のロードムービー。オープニングが最高に好き。人生上手くいかず、惰性で金の為に過ごす日々。地方紙の端にさえ載らない位の小さな揉め事。暑くて、気怠い90>>続きを読む

沈没家族 劇場版(2018年製作の映画)

3.6

共同保育で育てられた少年が、青年となりカメラを持ち、当時を掘り返していくドキュメント。『家族』てなんやろ。両親の仲違いの原因の一つにも紐付いた少し歪な形。常識が必ず正しい訳でもない。客観的に見ても埋め>>続きを読む

落下の王国(2006年製作の映画)

3.8

脚が麻痺し希死念慮ある男と、彼の話を聴きにくる小さな女の子。彼の話す現実とリンクしたファンタジー世界が、厳しさと強さを教える。彼女の姿に心動かされる男。壮大なインドを中心とした世界観が素敵。良い最後だ>>続きを読む

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.5

メンタル不安定な年頃の、恋に恋する女の子達の、収束パターンの群像劇。様々な自分に自信のない女の子達が傷付く事を恐れ、いろんな形で自己防衛してる。其々、あるきっかけで一皮向け、踏み出していく。これが刺さ>>続きを読む

下女(1960年製作の映画)

4.2

努力の基に築かれた、人が羨む幸せな家庭を一匹の鼠に蝕まれていく話。進入に気づいた時には手に負えないほどの幾つもの歪みが生じ、連なっていく。こんな筈ではなくとも、継ぎ接ぎの対応が事を大きくし続けてく。窓>>続きを読む

少女は悪魔を待ちわびて(2016年製作の映画)

3.3

警察官である父親を殺された少女の、別の事件で服役していた殺人犯への復讐劇。15年間着々と準備し、全てが終わった後に、漸く動き始める世界。悪が悪である為、残された選択肢がこれしかなかったのならば少し悲し>>続きを読む

トーチソング・トリロジー(1988年製作の映画)

3.4

ゲイバーで働くユダヤ人の、人生の浮き沈み。母親との確執、排他的な環境、愛する人を失い、様々な葛藤の中で自身に誇りを持ち、センチメンタルになりながらも強く生きる。ブレないというと聞こえは良いが、押し付け>>続きを読む

新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.8

1500人を乗せた新幹線、80kmを切ると爆発。犯人、国鉄、警察、政府の思惑が入り乱れる話。各々に責任や立場、信念がある中で、何を活かし、何を切るのか。回想も、良き塩梅。時代故か、笑わずにはいられない>>続きを読む

ファイ 悪魔に育てられた少年(2013年製作の映画)

4.0

幼き頃、犯罪集団に誘拐され、育てられた少年の自己葛藤の話。ラブやらアクション、サスペンス詰め込んで、漏れなく、情け容赦なく、観てる側の心情を土足で踏み越えてく。父親と呼ぶ犯罪者達が人間味あって少年を愛>>続きを読む

聖者たちの食卓(2011年製作の映画)

3.8

シク教の総本山で無料で振る舞われる食事の様子。異文化の振る舞い好きで、ずっとみれる人なので面白かったけど、一般的に面白いかは分からん。唯、自身の知ってるインドとは少し違う。単純ではないと分りつつ、社会>>続きを読む

シークレット・スーパースター(2017年製作の映画)

4.0

男尊女卑の例みたいな家族で育った、歌姫になりたい少し我の強い少女の話。胸焼けしそうな甘い感じと、ご都合主義はいつものボリウッド。でも、それに勝る優しさが沢山詰まってるので、結局観てしまう。それで良い。>>続きを読む

ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

4.0

ラッカの現状を、命を掛けて世界に発し続ける、RBSSのドキュメント。彼等が行動し続けることで、世界が目を向け、悲惨な状況が続きながらも最低限の被害で抑止出来てるという現実。彼等は大切なものを失ってきた>>続きを読む

美しき緑の星(1996年製作の映画)

4.3

地球より先行く星より派遣された異星人が過ごす、地球での生活。嘗て彼等も経験し既に削ぎ落とした、地球の現代文明を滑稽に描く。無駄のなく、建設的で豊かな生活を送る、彼等からみた地球という愚かで優しくない社>>続きを読む

不運(1960年製作の映画)

3.9

幼き頃から、不運が付き纏う人生を送ってきた男の話。前半、虐めに近い不運が続き、この感じ続くの胸が苦しいとなるが、途中からは自身の起因故、仕方なさを感じるも、俯瞰してみたら結局は連なり、幼き頃の不運がそ>>続きを読む

セックス・チェック 第二の性(1968年製作の映画)

3.2

嘗ての名スプリンターが、その辺にいた子に可能性を感じ、短距離走者として育てるスポ根。突如現れた有望選手故、連盟に性別チェックを促される。題材やら振り切った感じやら増村保造感あるけど、好きな感じではなか>>続きを読む

哀しみの街かど(1971年製作の映画)

3.8

陰鬱な街に生き、男と恋に落ち、薬物に堕ち、薬物に生かされ、退廃的な道を歩む話。世界の終わりの如し。完全なる負のスパイラル。周りが全て敵の様にみえ…やっぱなんでもいいや感。皆、完全にキマッててヤバい。乾>>続きを読む

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.8

過去の数々のトラウマに侵される男が裏組織から、少女を助ける話。生きることに前向きではない人間が多く出てくる。希望に満ち生きることが全てではない。生きる。何かに生かされる人間は儚く、強い。削ぎ落とされて>>続きを読む

映画「立候補」(2013年製作の映画)

4.1

泡沫候補と位置付けられる人達を追い、その真意に迫るドキュメント。彼らがしていることが正しいかは分からないし、もっと有効なお金の使い道はあるかもしれない。ただ、そんな彼らに作品を通してみて、心動かされた>>続きを読む

テル・ミー・ライズ(1968年製作の映画)

3.6

代理戦争と化す、ベトナム戦争への英国若者達の反戦セミドキュメント。理想の正論をぶつける活動家。実行可能で、自身へのリスク少ない選択肢の中で動こうとする国家。多くの無関心層。半世紀経っても、変わらぬ構造>>続きを読む

ザ・ビッグハウス(2018年製作の映画)

3.8

全米最大のスタジアムで行われる人気興行を追ったドキュメント。まさに国の縮図。老若男女が各々思いを爆発させる。人が集まればお金も動く。それらを上手く利用する。裏で淡々と働くもの、感謝の基に支える人もいる>>続きを読む

Peace(2010年製作の映画)

3.6

福祉事業のボランティア部門の義理の両親の話。タイトルとは裏腹に、色んなものと闘ってる人が、多かった。孤独やら現実、資金、食事、政治。なんでもない日常の中でも、溢れる対峙。強いもの、器用なものが勝ち残り>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

3.6

嘘の苦手な出版社社長と、不倫してた元社員と押しかけた奥さんと、今日入社した女の話。ぶつぎりし、時系列無視して並べられたシンプルな会話劇。脳内で並べ替えたそれは、あくまで単なるカムフラージュに見えてくる>>続きを読む

殺人の疑惑(2013年製作の映画)

3.7

残忍な未解決事件の時効が近づく中、公開された犯人の音声や色々出てくる事実に、最愛の父親へ疑心を持ってしまう話。次々と明らかになる事実と、上手くいかない人生、周りの環境、そして信じ続けたい気持ち。全てを>>続きを読む

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.6

色んな人がいて、色んな価値観があって、それを発信する人と受け取る人がいるので、色んな形がある。それは時代を超えても結局そう。今迄の作品と異なり、結婚の要素がはいることで、愛って?ちゃんと好きって?って>>続きを読む

メランコリック(2018年製作の映画)

3.3

一流大学を卒業後、気になる女性の一言で勤め始めた銭湯。そこでは毎晩人が殺められ、環境に沈んでく。甘々な設定と恵まれた環境、展開に、なんやこれてなった。もう少し渇いた感じかと思った。彼は一瞬の幸せのため>>続きを読む

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

3.8

黒人街でピザ屋を営むイタリア系白人の親子と彼等を取り巻く人たちの話。立場を差し引いても、色々な考え方の人がいて、色々な行動がある。只管に暴力がもたらす虚しさがガツンと刺さる。小さくとも暴力が負の連鎖を>>続きを読む

アフリカの光(1975年製作の映画)

3.9

流れ着いた漁村で、アフリカへ行くため整える青年の話。逃避とやらかし、行き詰まりの繰り返し。空回るエネルギーがとにかく凄い。這ってでも前に進む感じで、極寒の中、暑苦しささえ感じる。それでも踏み出せず、惰>>続きを読む

楽園(2019年製作の映画)

3.6

ある閉鎖的、保守的な集落で、時を隔てて起きた二つの事件の話。今まで平穏に暮らしてきた中で生じる、外者による違和感。各々が、被害者であり、加害者でもある、逆も然り。様々な気持ちが錯綜する。Y字路のあちら>>続きを読む

ユンボギの日記(1965年製作の映画)

3.4

母の帰りを望む、韓国大邱で貧しい暮らしをする10歳の少年の母への手紙の朗読。彼の様な生活をする多くの子ども達の代弁の様。貧しさよりも、空腹感よりも、残された兄弟をなんとかしたい責任感と、寂しさが押し出>>続きを読む

老人Z(1991年製作の映画)

3.3

90年代頭の高齢化社会への、国や企業の施策と、当事者たちの話。当時からみた、近未来。便利さと豊かさの極限。今作から約30年。介護分野は今、正しい道を進んでるんやろか。正しいが良いかは知らんけど。他作品>>続きを読む

港町(2018年製作の映画)

4.2

瀬戸内のある漁村の観察。小さなコミュニティで、最早バランスなんか取れてないかも知らんけど、良くも悪くも色々な人がいて成り立ってる。優しさだけじゃない、卑屈やら、激動。平穏な様でも、中に入り初めてみえる>>続きを読む

座頭市喧嘩旅(1963年製作の映画)

3.3

シリーズ5作目。今まで以上に娯楽作へ振り切った印象。比較的シンプルで分かりやすい構図。カラーも相まって明るい場面も多い。藩士に追われる豪商の娘を江戸に送る話×いつもの町の抗争。ライバルが出てこなかった>>続きを読む

最初の晩餐(2019年製作の映画)

4.1

小さい時、再婚しやってきた母と兄。父の通夜ぶるまいの料理で紐解いていかれる、これまでの出来事の話。優しさや自己葛藤に包まれた話。わかっちゃいるが、みえている部分なんて僅かで、各々、それぞれ居場所で闘い>>続きを読む

MEMORIES(1995年製作の映画)

3.2

画風も内容も異なる、短編3本。
各作品良さはあるものの、AKIRAより後の作品なのか、と考えると少し物足りなさは感じた。

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.4

ディストピアTOKYO。世に溢れる、色んなものが集約されて吐き出される。偶像と、罪深き、人類。色々なものに振り回されそうになるけど、どうであれ目の前にある世界の中で生きるしかない。見誤らない様に生きた>>続きを読む