映画漬廃人伊波興一さんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

映画漬廃人伊波興一

映画漬廃人伊波興一

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ドライヴ(2011年製作の映画)

2.8

メルヴィル的な静謐さがとてもいいですね ニコラス・ウィディング・レフン「ドライヴ」

かつてアランドロンのフィルムノワールや松田優作の遊戯三部作の静謐なアクションを堪能できました。
偶然にも今、アメリ
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.0

「子供」も撮れるアンダーソン ウェス・アンダーソン「ムーンライツ・キングダム」

『ダージリン急行』が傑作だと躊躇なく断言出来たにも関わらず現在まで他作品を観ぬまま。
最近追いかけるように2000年以
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.2

いくらネットを活用している生活でも分別に欠けた者を尊敬できません。デビッド・フィンチャー「ソーシャル・ネットワーク」

どんなエリート社会でも若さ故に分別が足らぬってのはあるようです。
批評界の大御所
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ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

3.0

モテるのも才能? 井口奈己「ニシノユキヒコの恋と冒険」

ある意味演じるのが難しいでしょうね。
単なるイケメンなんて掃いて捨てるほどいる芸能界。
それだけでは絶対にモテる説得力にはなりませぬ。
竹之内
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ダークナイト(2008年製作の映画)

3.1

切ない。切ない クリストファー・ノーラン「ダークナイト」

総合病院大爆破シーンは映画史に残る名シーンですね。
切ない映画ですが何が切ないかってヒースレンジャーの夭折が一番切ないって今更ながらに思いま
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私が、生きる肌(2011年製作の映画)

2.3

不謹慎な私の知り合いが言いました ペドロ・アルモドバル「私が生きる肌」

娘がオッさんになって戻るよりエエがな、と言ってました。笑いながら頷いたワタシも不謹慎です

リオ・ロボ(1970年製作の映画)

4.0

50年後に響く恐るべしホークスの遺言台詞 ハワード・ホークス「リオ・ロボ」

(私には権利がある)
最後にズドンと撃った女はそう言い放った後、頰のキズをジョンウェインに改めて堂々と見せる。
ここにホー
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

3.1

自分を虐げてきた者への想念 アレハンドロ・ホドロフスキー「リアリティのダンス」

自分の人生にこんな復讐があるのか?
にも関わらず何と懐の広いケレンか。

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

3.3

クリストファー・ノーラン「ダークナイト・ライジング」

前作『ダークナイト』はキネ旬第3位。
でもこれは何故かベスト20にも入らず。
その年の外国映画勢が豊作だったのか批評家はシリーズものには辛いのか
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野火(2014年製作の映画)

3.8

塚本美学の集大成 「野火」

戦争映画ではありませぬ。
理屈抜きの塚本映画です。
しばしば同世代の映画監督として引き合いに出される園子温などと名乗る得体の知れぬ輩とは雲泥の差です。
塚本さんは本当に映
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預言者(2009年製作の映画)

2.7

ジャック・オーディーアール「預言者」

我が国の誉れ高い石井隆監督作品に普段から接している者としてはどこかこの作品には未熟さを感じるのを禁じえず・・・いえ、決して否定する気もないのですが・・

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

2.9

クリストファー・ノーラン「バットマンビギンズ」

『ダークナイト』『〜ライジング』そして本作といささか変則的な見方をしました。
リーアムニーソンとケンワタナベの役柄が入れ替わってくれたら星五つにしたの
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きさらぎ無双剣(1962年製作の映画)

3.1

甘く見るでないぞ  佐々木康「きさらぎ無双剣」

全てが定石。
それ以上でも以下でもない。
『24』『バットマン』『スーパーマン』のように町の平安の為に戦う大義名分。
全盛期を過ぎ精彩を欠いた右太衛
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群衆(1941年製作の映画)

3.4

75年前に予見されていた現代 フランク・キャプラ「群衆」

能う限り「名作」から遠く離れた映画生活を心がけておりますが時々飛び込んできます。
製作の兼ねているキャプラはすでに未来のアメリカ(というより
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仮面の男(1998年製作の映画)

2.4

ランドール・ウォレス「仮面の男」

ディカプリオ、アイアンズ、バーン、ドパルデューそしてマルコビッチにアンヌ・・・
6人の名優の活躍。
それだけで充分に満足です。
映画って本来そんなもんなんです。
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ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年製作の映画)

1.0

オリバー・ストーン「ナチュラルボーン・キラーズ」

故 淀川長治さん
雑誌 ダ・カーポより

Q オリバーストーンは?

A 大キライ。近くにいたら蹴飛ばしてやりたいね。こんなんにアカデミー賞送るんだ
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八月のかりゆし(2003年製作の映画)

1.0

高橋巌「八月のかりゆし」

映画においては無責任と出鱈目は時として才能と同義語になります。
でも才能ない者がそこに首を突っ込めば単に変なだけ。
調べたらこの作品、村山元総理の俳優デビューということ以外
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ムーンライト・マイル(2002年製作の映画)

2.1

ブラッド・シルバーリング「ムーンライト・マイル」

監督の実体験がモチーフらしいですが・・・これだけ実力派俳優を揃えながら誰の痛みも伝わってこない理不尽。

帰らざる河(1954年製作の映画)

3.4

オットー・プレミンジャーは死後もなお現代の映画を撮り続ける事を本作で証明しております 「帰らざる河」

西部劇スターはどれだけ激流を下ってきたことか?

伊豆の踊子(1963年製作の映画)

3.2

ウェルメイドとリメイクの達人技 西河克己「伊豆の踊子」

どの国にももう少し一般的評価を浴びてもよい映画作家がいます。

わが国も斜陽産業の代名詞と言われて以来、貞永方久、前田陽一、満友敬司、山根茂之
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悪の階段(1965年製作の映画)

3.2

再評価。その「兆し」さえ見えないのが力量がありながら才能がない鈴木英夫の不幸でしょうか? 鈴木英夫「悪の階段」

前も書きましたが今こそ再評価が求められる映画作家。
その一人が鈴木英夫です。
村川透が
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

2.6

映画的運命の「禁じられた悪戯」 ルネ・クレマン「禁じられた遊び」

あまりに有名なナルシソ・イエペス「愛のロマンス」。
ルネクレマン監督は本当はオーケストラ演奏を切望していたそうな・・・おそらく世界を
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訣別の街(1996年製作の映画)

2.0

一番疲れますね。何が?「予見どおり」ってのが。ハロルド・ベッカー「訣別の街」

どうせならけしからん!と怒らせてくれたらなと、思いながらもハロルド・ベッカーにそんな期待ももはや淡い夢か・・・「どうでし
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百万長者と結婚する方法(1953年製作の映画)

2.4

ミュージカルと間違えました。ジーン・ネグレスコ「百万長者と結婚する方法」

勝手にミュージカルと間違えて観ました。
普段どんなシリアスな役をしてる女優でも違和感なく当てはまりそう。とは言いすぎか?

彼奴(きゃつ)を逃すな(1956年製作の映画)

3.2

「七人の侍」で恋に落ちた二人が・・鈴木英夫「彼奴(きゃつ)を逃がすな」

日本映画から「音」を観る歓びを味わえたのは嬉しいかぎりです。さすがにヒッチコックやブニュエルのように「足音」を観せる芸当には及
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あふれる熱い涙(1992年製作の映画)

4.6

田代廣孝の「あふれる熱い涙」は90年代の日本映画の抒情を全身に受け止めた貴重な作品として21世紀に継承させる価値があると自信を持って断言いたします。

公開時、大御所脚本家桂千穂先生が絶賛。同じく大御
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マシンガン・パニック(1973年製作の映画)

2.2

風化したもんです。 スチュアート・ローゼンバーグ「マシンガン・パニック」

10代の頃『悪魔の棲む家』を観た。
『暴力脱獄』を観た。
『ブルベイカー』に『さすらいの航海』を観た。
スチュアートローゼン
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裸足の1500マイル(2002年製作の映画)

3.2

もしかしたら映画にしなくて「本当」のままにしておけば良かったのに・・フィリップ・ノイス「裸足の1200マイル」

出演した役者たちが悪いのではなく
製作したスタッフが悪いのでもなく
先住者と白人たち
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ミセス・ダウト(1993年製作の映画)

2.9

ウィリアムズを偲んで観ました クリフ・コロンバス「ミセス・ダウト」

「ポパイ」「ガープの世界」からウィリアムズを意識してました。
「レナードの朝」「グッドモーニング、ベトナム」「フック」から「インソ
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晩秋(1989年製作の映画)

2.4

改めて我国の御大の偉大さが  ゲイリー・デヴィッド・ゴールドバーグ「晩秋」

ジャックレモンもオリビアデゥカキスもテッドダンソン(若!)もキャシーベイカー(若!)もケビンスペイシー(若!)もイーサンホ
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怒りの河(1951年製作の映画)

2.9

50年代にもバイオレンスはあるんですね・・アンソニー・マン「怒りの河」

淀川長治さんの名言。マカロニウェスタンに苦言を呈して「あちらには学校と教会が出てこない」

とは言ってもこのアンソニー・マンの
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カリギュラ(1980年製作の映画)

1.0

演出以下全てが不在の珍問題大作 ティント・プラス「カリギュラ」

別にこんな所で取り上げなくてもよさそうなものですが一応今年間違えて観てしまった映画の一本として
生真面目史劇でもスペクタクルでも観念劇
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父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

4.0

アメリカ映画全責任を負う覚悟のような・・イーストウッド「父親たちの星条旗」

もう既に何度か観ているが『許されざる者』とこの作品には観る度にアメリカ映画が宿命として背負わなければならないものをイースト
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酒井家のしあわせ(2006年製作の映画)

3.5

友近と濱田マリ演じるおばさん像は恐らいくらいに現実的です。
特に濱田おばさんは口論になれば殆どの男はやり返せないだろうと思います。
『血と骨』の暴君主人公でさえ最後には蹴りを入れられていたくらいですか
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江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

2.7

・・・そして日本は高度経済成長へ 岡本喜八「江分利満氏の優雅な生活」

敗戦国日本に数多く生まれざるえなかった左翼的小市民の代表。
それが江分利満さん。
同じ敗戦国イタリアからはフェリーニの『甘い生活
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ALI アリ(2001年製作の映画)

2.0

アリは強し 映画は弱し マイケル・マン「アリ ALI」

マイケル・マンという人はインテリだと思います。
過去に『ヒート』『コラテラル』『インサイダー』を観てそう感じました。
でもその教養も叡智も残念
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