サさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

サ

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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.4

イチカが壇上で血筋を選んだときのグロテスクさ、どれだけ尽くしても母親になれない不条理、傲慢な自己犠牲は愛情なのか、ノータッチの投身自殺、世界が整えられたところで解決し得ない痛みにボロボロ泣いた 

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

大きな起伏もないがじわりと日常に根付いた生きづらさとちょっとした希望の描写が大変人間臭くて良い、些細な価値観違和を演出するのが上手すぎる、育った環境の違いに勝るほどの同胞分断の残酷さ、三輪車乗ってる時>>続きを読む

ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

3.9

教訓じみてるのに全然報われないのが良い、11歳の悲観的達観、自己愛の中の0.1%の良心と好奇心が次に繋がる瞬間、少年の"世界"とは:母親、完全予想外の急激な鬱展開に心躍る、結局正直者は馬鹿を見る

母性(2022年製作の映画)

3.7

命を繋ぐという行為の末恐ろしさ、母の狂気と娘のマトモさが辻褄合わなくて不気味、母と娘の視点で描写が異なるのはかなり秀逸だったけど、最後のいかにもハッピーエンドみたいなキラキラ感で急激に萎えた ストーリ>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.9

自覚はないけど感覚のある生きづらさ、精神が限界を迎える瞬間、兄ちゃんの人格が変わってしまうのが好きすぎて終盤の兄ちゃん登場シーンで歓声、殺すぞ坊主が永遠に良い奴、もう一つのトランシーバーは兄ちゃんが持>>続きを読む

美しい彼〜eternal〜(2023年製作の映画)

3.4

ポエティックで攻めすぎた台詞、色彩も構図も綺麗すぎる演出は原作に対する相当のリスペクトを感じたが、興醒めしてしまった部分もある(原作ありきの作品にこんなん言うのは筋違いだけど)‥ 年齢制限つけなくてい>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.4

ネリーの格好ずっとかわいい、行間が多い、喪失感を埋める友情と母性、髭を剃って10歳若返るお父さん、終わり方がすごくいい

リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.0

サシャが天使すぎる‥‥家族がみんなとてもよい人なんだけど、よい人だからこそ傷つけたくなくて話せない気遣いのプロ・サシャ‥‥彼女が笑顔で取り繕いきれなくなって無言で泣くシーンは胸が苦しくなった

かもめ食堂(2005年製作の映画)

4.5

開始1秒から90年代のフィルムっぽい映像の質感で優勝、絵本のような世界観、片桐はいり文字書くの早すぎる、「やりたくないことをやらないだけ」、不思議強オナゴ・マサコさんの大ファン、カフェに行きたくなる、>>続きを読む

告白(2010年製作の映画)

4.6

MVみたいな画角や演出が最高だった、映画で洒落すぎた演出があると萎えてしまうこともあるけど、これは残酷で暗澹とした狂気をしっかりと捉えながら不気味なほど綺麗に映していたのが最悪で最高だった、誰も救われ>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.7

1作目の前日譚なので結末がわかっているもののスリルがあったし、1作目よりも大人びていて子供らしからぬ粗雑な横暴さが逆に"ファーストキル"として説得力があった 162センチ23歳(撮影時)を物の見事に小>>続きを読む

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

3.6

ジョニーデップみたいだなと思ったらジョニーデップだった、余命宣告された男が残りの人生やりたいように生きて"生"を説くという王道ストーリーで可も不可もない、ドライな家族と激重な親友、「存在するだけじゃな>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8

1日ではなく1週間という期間の絶妙さ タイムループを認識するのにかなり苦戦するところが現実味あっていい とはいえ女性以降はスムーズなのもテンポが早くて見やすかった!ちょうどいい〜

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.6

ずっと見たかった作品!シャラメみたいだなと思ってたらシャラメだった、ところどころ挟まる極小イベントの端折られまくった繋ぎ方がクセになる、十代の移り気な交友関係に裏打ちされたテンポの良さも大変良い、車か>>続きを読む

架空OL日記(2020年製作の映画)

4.0

バカリズムって日常を無加工で切り取る天才だと思う OLの経験ないけど「わかる」の応酬 特におしり汚い下りは内輪の面白さが上手すぎて作品を俯瞰してる第三者としてではなくてその場にいる空気感で笑い漏れた 

ルームロンダリング(2018年製作の映画)

3.3

お母さんのところは予想外の展開だったけど可も不可もないほんわかもの 掴みどころないけど面倒見良いみたいな役どころのオダギリジョーは至高

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.2

期待値がデカすぎた、鮮烈なメッセージ性は特にない(私は捕捉できなかった)、ちひろさんを中心とした群像劇、関心の薄さ故の寛容が人を救う、「孤独を手放さずに生きていける」という励まし、オカジとマコトはかわ>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.4

最後がほんとうによかった!演劇の台詞が最後で回収されるまとまり、喪服で泣き叫び疾走するMVみたいな画が100点満点だった、佐々木の「おもんない」「しょうもな」が他でもない自分自身への暴力であること、堕>>続きを読む

タイムトラベル家族 1991年から愛を込めて(2022年製作の映画)

3.0

ルルはどうやって観覧車から降りてきたのか 正規ルートでもアイツに殺されたのか あれは美顔器ローラーじゃなくて本当にバイブなのか

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.8

腐敗した司法、正義を貫けば破滅する、破滅から身を守る選択をするのは理に適っているとも思うが、それでも正義を貫いた人たちは素晴らしい、皆正義でありたいと思っている、正義を振り翳して不正義を犯す、司法にお>>続きを読む

くれなずめ(2021年製作の映画)

4.5

終盤のファンタジーで5.0からドン底に成り下がった えーずっとよかったのになんでそうなっちゃったの ずっとマジで良かったから本当に悲しい 現実を克服せず曖昧なままでもいい、「暮れ泥め」というメッセージ>>続きを読む

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

4.0

常軌を逸した時間を共にできるほどの友情って終わりが確約されてるから切ない、ティーンエイジャーの煌めきと儚さ、些細なことで笑えるし些細なことで壊れる、複雑なのに直情的、ファックサインで仲直りするのメッチ>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.7

どこか稚拙で夢想的なのに透き通ったやさしさと狂いが併存していてだいすきだった‥‥日常の中の非現実的な演出や展開を、ナチュラルに現実として昇華させられるのは、のんしかいない エンドロールと「私は、激しい>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

3.4

みんなの人生が銭湯を通して繋がっていく、無難で王道な涙と笑い、でも別に映画にしなくていい、深夜ドラマ12話構成くらいで観たい、そう思ってしまう私は源泉至上主義者に近しい

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.9

世界観、キャスティング、映像の質感、雰囲気、メッセージ性、全て良い ただ各シーンの意味深な余韻が長すぎる あと15分は削れそうな映画 ぼくはPLAN50を提唱させていただきます

カラダ探し(2022年製作の映画)

1.5

もう何もかもメチャクチャすぎてもはやおもろい 原作に何一つとして沿ってなくない?眞栄田郷敦はじめキャストの顔の良さだけでかろうじて最後まで観てた

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

2.8

キショいの連続、結婚して子供持つ人間ってやっぱドMなの?キショいな〜 子供ってキショい この映画が過剰演出であることは明白ですけど、それにしても子供はキショい ビバ・反出生主義の私にとって最悪胸糞映画>>続きを読む

RUN/ラン(2020年製作の映画)

4.0

不穏さとテンポの良さが両立していておもしろかった〜!看護師さんがいなくなってから母親が来るまでの間にMOMと描き切れたことが勝利の鍵でしたネ タイトルの出方も終わり方も良かった

これからの人生(2020年製作の映画)

3.2

ウーン いい話だけど、特段の感動はない 距離が縮まってく過程の曖昧さ、人間ぽいっちゃ人間ぽいのかもしれないけど、何をきっかけにそんな仲良くなりました?とも思う 浮かれまくって踊ったり、ウキウキで自転車>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

4.6

〈愛したいから愛す〉というエゴイズム、その究極体は愛する人そのものすら超越する
鈴木亮平は指先までゲイだったし、賛否両論ある粗雑で生々しいカメラワークは私は好きだった、アダルトビデオを観に行く心持ちで
>>続きを読む

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.7

誰もが静かに普通に暮らしたいだけ、世間の利己性と不寛容性、子供の純真な優しさと残酷さ、ほんの少しの思いやりと理解が非現実的なのが悔しい

劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん(2019年製作の映画)

3.6

王道の感動ストーリーで映画としては好みじゃないけど、泣けた お笑いこっそり来てたの見つかって「コントローラーを‥」って絶対に無理な言い訳するとこ大好き

レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.6

132分という一瞬、映し方や映像の質感が天才的、マチルダの美しさだけで見る価値がある、彼女が最後まで過ちなく"12歳の女の子"で在り続けられたことが救い

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.4

「映画を観た」という感覚がする、女性画家としての決意と諦念、別れるべくして別れたと信じたいから振り返って欲しい、最初の再会で終わっても良さそうに思えるがあのエンディングはエロイーズがキスしたいと感じた>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.9

生意気だけど機転が利く子供が全てを解決する、赤ちゃんに由来する利害関係が難しすぎる、母親の「産んだ後に捨てるより産む前に殺す方が罪が軽いってこと?」に対して「え?うん‥」って声出た