綾鷹さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

綾鷹

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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.9

子供の持つ「残忍さ」「無邪気さ」をサイコスリラーの文脈に持ってきた途端、人の持つ生々しい部分が体を這うように襲ってきて想像以上の気持ちの悪さ(勿論良い意味)を感じた。

※①何より「子供」という存在に
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.2

やっと観れたみんな大好きキアヌとリバーフェニックスの共演作品。
あらすじに見られる母を探す至極単純なロードムービーではなく、社会から溢れた者たち、はたまた溢れようとした者が必死に生きていこうとするパン
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

さすがのヨーロッパ企画作品
上田監督のドロステはすごい好きな作品だったので、期待を胸に劇場へ向かったが、とても良かったので今日はよく寝れそうな気持ち。

タイムループという何番煎じかわからないぐらい擦
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

3.5


“冷たくて甘い”“叫びたくなる”アイスクリームな”隠し事”

アートディレクター上がりの監督さんということで、頭の印象的なクレジット入りからも分かるが、舞台装置としての“音楽”と“カット割りの面白さ
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茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)

4.0

異国情緒あふれるアンダルシアという舞台で繰り広げられるレース、そして人間ドラマ。
セリフ回しに惚れ惚れしていたが、大泉洋の演技力の高さはやはり目を見張るものがあった。

そして、やはりなんと言っても鬼
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

才能が寄り合った文殊の知恵どころではない化学反応が洪水のように押し寄せる、圧巻の2時間だった。

頭の展開からラストまでの道程をワンパッケージで見た時に訪れるとてつもないカタルシスは形容し難いものがあ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3


長いようで短いこの人生において、自分の生き方に後悔がないよう選択していきたいと強く思った。

ジブリ作品には、その世界を構成する「理」がこちら側(現実世界)に根差しながらも別軸で確固たるものとして通
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リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ(2019年製作の映画)

3.5


“宇宙飛行士にも潜水士にも花屋にもなりたくない、歌えなきゃ狂ってしまう”

歳をとってからの「今の」リアムにフォーカスした作品は見たことがなかったので、すごく新鮮で面白かった。
(VOGUEの201
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still dark(2019年製作の映画)

4.0

只々濃密な40分間だった。

出てくる登場人物こそ少ないが、皆「優しさ」に溢れ、社会的に立場の弱いマイノリティだからと言い、接し方を変えずに一友人として一店主として、

心奪われた味に惹かれ、料理人へ
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.3

真っ直ぐど真ん中の良作。

母を救える可能性が出て過去に囚われている主人公に、ブルースウェイン”バットマン”が過去の傷が自分を作ると相手を諭すようで自分を戒めるかのようなセリフに涙腺が緩んでしまった。
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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年製作の映画)

4.0

何度観ても傑作は揺るがない


「人の愛憎」がガンダムシリーズを通底するテーマだと考えているが、そのテーマを鉛のような純度でぶつけてくるのが逆襲のシャアという作品だなと改めて感じた。


ララァ含むシ
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これが私の人生設計(2014年製作の映画)

3.5

イタリアのコメディはこういう感じかと納得させながら観ていたが、

片見のバイクが盗まれたのに何事もなかったかのように物語の主軸に入っていく展開などご都合主義的なのところも多々あったが、
それも味として
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

心温まる一夏の思い出。
こういう父と娘のパッケージはどう転んでも好きすぎると再認識。


夏という季節ではどこか周りが少し大人びて見えて、背伸びをしたくなり、どこかふわついたような気持ちになっていた。
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.9

台詞回しがカッコ良すぎた。
シチュエーションを外せばキザすぎてしまう、そのバランス感覚は監督の妙が成せる技なのかなと。

金はあるって言いながらエヴァの分の宿代を浮かせようとするところに、登場人物の必
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

タクシーの中という密室で繰り広げられる俳優同士の会話劇に引き込まれた。

ドライバーとしての女性、異国地での慣れない移民、視覚に不自由を抱える人など「マイノリティ」を掛け算のように物語のプロットに取り
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

じわじわ名声というラメが剥がれ落ちていく陰鬱とした展開は面白かった。

途中途中間延びしてしまう箇所もあったが、ハリをつける部分で、ムチを打たれるが如く緩急がつけられていたような気がしていたのでそこま
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

自分を曝け出す辛さと尊さを学んだ一作だった。

チャーリーの、過去の過ちを認めた上で前を向こうとする姿勢が、月並みの表現になってしまうがとても心に響いた

セイディーシンクにこう言った手の演技をさせた
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

元々のテーマに対する理解不足だとは思うが、観るまでのハードルを上げ過ぎたのか、バトルアクションを理詰めで進めたかのような展開のせいなのか、

「感情が乗るまでの助走」が足りずに、最終戦まで煮え切らなか
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

「マイケルジョーダンブランド」という誰もがどこのメーカーか分かってるサクセスストーリーをここまで痛快に描かれてはお見事としか言いようがない、それほど良かった。

マット・デイモンもハマり役すぎて最高。
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

4.0

異国情緒溢れる世界観やその美しさに魅了された、、ギリギリ映画館で観るの間に合って良かった、、、!!
 


〜以下微バレ〜

天変地異など人の理りでは説明できない事象を神の所業として「物語」を紡いでき
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.7


「人生は素晴らしい」

ここまで自己肯定感に響くメッセージをぶつけられて感無量。
最近見た映画の中でここまで綺麗なエンディングはなかった。もう只々最高。

良くも悪くも酒に翻弄されたおっさんたちのド
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プレイタイム(1967年製作の映画)

3.7

初ジャックタチ作品鑑賞。

オフィスの雰囲気や実演会の様子を見るに、当時の人が空想したであろう未来の姿を何十年もたった今見る面白さがあった。

久しぶりの同僚に興奮してガラスの扉を破壊してしまったガー
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.7

リバイバル上映で、改めて映画館で鑑賞

後追い世代としては、映画館でパルプを見れることにワクワクが止まらなかったし、新しい発見が多くて凄い貴重な体験が出来た、、

台詞やカットの長回しを多用することで
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

4.1

「誰かの人生を追体験できたら」

なんて誰しも一度は考えたことがある空想を描いた本作は、えげつない量の山場を見せるジェットコースターの様に、幾度とない急上昇急降下を見せ、「自分とは何か、何者か」という
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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

4.0

最後に相応しい怒涛の熱い演出ラッシュでスッキリするフィナーレだった。

ここまで観てネビル嫌いな人いない

零落(2023年製作の映画)

4.0

毎度竹中直人の守備範囲の広さに脱帽

改めて映像を通じて、浅野先生は物事の「本質」を見ずに流行りの上部を掬う「盲目」な人を「愚か」に描くのが上手な作者だなと感じた。

面白さと売れるもの、漫画家と旦那
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0


話題性だけで事前情報入れずに観に行ったら凄い作品に出会えた、やった

時折入るユーモアも心地よかった
ここまで綺麗に「人」を描けると気持ちが良い。
ラストの展開も個人的にはいい終わり方だと思った
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007年製作の映画)

3.5

めちゃめちゃ懐かしかった
改めて良かったところを箇条書き

色々なゴタゴタが重なりハリーとハーマイオニーとがちょっとした口論になる場面で、「大切なものが増えるほど失ったときがつらくなる」というセリフが
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.6

待望のA24作品
食い入るようにしがみついて観た
2時間だった。

作品から溢れ出す圧倒的情報量に心地よさを感じることは、某監督による影響下ではあるが、

ここまでの構成の展開力とアクションの迫力は、
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バビロン(2021年製作の映画)

4.7

本当にデイミアンの作品は、「栄光と凋落」の書き分けが巧妙で大胆かつ叙情的で大好き。

純度の濃いエンタテイメントをこれでもかというほどにぶつけられ、「映画」のもつ熱量の凄まじさに改めて琴線が大いに揺さ
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.7

案の定「熱すぎて」ハンカチが涙でビチョビチョ

原作バフが掛かってる状態ではあったが、音楽演出と相まって筆舌に尽くせない仕上がりになっていた。

改めて、3人それぞれに大事にしたい思いがあって、それを
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イメージの本(2018年製作の映画)

4.0

切り貼りされた映像と画像の羅列によって、現実とフィクションの境目が溶けていく面白さがあった。
まさに「イメージの本」




★うろ覚えながら、以下印象に残った台詞の箇条書き

戦争は世界の法則
不思
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.0

忘れた頃にやってくるシャイニング熱

整然と並び立てられたドミノが次第に崩れていく感じがたまらない。

毎回見るたびに、一枚絵としても成り立つほどの洗練された感覚からくるビジュアル面と俳優の演技力に見
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.5

入り口こそひょんなことで起きたすれ違いだが、あれよあれよと色んな人に巻き込まれドタバタ展開していく構成は面白かった。

途中のトリップシーンで出てきたボウリングシーンは、ストライプスの「seven n
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