saw13さんの映画レビュー・感想・評価

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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

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冒頭で金載圭、金泳三、金大中について言及があるように、本作は『KCIA南山部の部長』における朴正煕大統領暗殺、『ソウルの春』における全斗煥大統領の就任の次の時代に位置する、韓国の近現代史を語るうえでは>>続きを読む

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

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モデルとなった金 載圭(キム・ジェギュ)がいかにして朴正煕大統領の暗殺に至ったのかというスリラー。『ソウルの春』では好漢だったイ・ソンミンが疑心暗鬼に陥る権力者を見事に演じていて、まったくそんな面影が>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

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『ソウルの春』というタイトルだが、崔圭夏(チェギュハ)政権下での民主主義運動に焦点を当てた映画といよりも、朴正煕(パクチョンヒ)という絶対的な権力者がいなくなった直後の不安定な権力基盤におけるポリティ>>続きを読む

スナッチ(2000年製作の映画)

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アマプラで無料になったのを機に再見。もうすでに何回も見ていて、自分が映画を掘り出した時期に見たのもあり、また『ファイトクラブ』『スパイゲーム』に続いて、ブラピが最もカッコよかった時期を刻印していて思入>>続きを読む

インファナル・アフェアIII 終極無間(2003年製作の映画)

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一作目のEDから続く形で、生き残ったラウが同じくサムの指示で警察に潜入していたであろう元同胞をあぶりだす。その過程で殺してしまったヤンと同化していってしまうという筋立てになり、ジャンルものとして端正だ>>続きを読む

インファナル・アフェアII 無間序曲(2003年製作の映画)

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1作目とは別ベクトルでマフィアものとして完成度の高い一作。裏切り者のあぶり出しから、内部粛清、裏社会からの脱却を目指す過程での挫折と『ゴッドファーザー』味が濃厚。しかし、立場を超えて警部とサムは仲が良>>続きを読む

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

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面白い! 劇場公開当時のメディアを通じた盛り上がりは今でも覚えていて、なんとなく見る機会を逸したまま月日が経ってしまった。文句ない仕上がりで、おそらく本作までに数多ある潜入捜査官ものが行き着いた到達点>>続きを読む

ホワイト・ストーム(2019年製作の映画)

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2000年代から散々作られてきたハリウッドの麻薬捜査映画の中国翻案バージョンで、100分以内というコンパクトな上映時間も含めて良く出来ている。「ゴールデントライアングル」を背景にした中国の麻薬問題も、>>続きを読む

悪いやつら(2012年製作の映画)

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冒頭40分近くかけて語られる韓国現代史の説明が怠いかな。1980年代初頭から、1990年にかけて裏社会と表社会の縁故と賄賂で話が回る様子と、主人公の尊大な自己ががみっちり描写される。期待していたよりも>>続きを読む

目撃者(2017年製作の映画)

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巧い! 殺人現場を目撃してしまった証人とそれを守る警察対犯人との攻防を描いた作品は数多ある。本作はそこに、自発的に口を閉ざしてしまったがゆえに(事なかれ主義で)否が応でも、犯人との共犯関係が結ばれてし>>続きを読む

神の一手(2014年製作の映画)

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真剣師による賭け碁を扱っており盤面とそこでの駆け引きにまつわる心理描写の比重が大きい。しかし、囲碁のルールが分からなくてもこれだけ面白いエンターテイメントというのは『ヒカルの碁』以来ではないだろうか。>>続きを読む

その怪物(2014年製作の映画)

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ひと言でいえば、変。とにかく一貫性が無いように思える殺人鬼に観客も振り回されるかのように、二転三転するお話の落としどころが最後まで見えなかった。牛骨(?)をつかった撲殺シーンは『哀しき獣』でも出てきた>>続きを読む

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)

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10年ぶりくらいに鑑賞した。改めてみると、「少年兵」「シエラレオネ内線」「紛争ダイヤモンド」「民間軍事会社」と、当時のアフリカを巡る問題がきちんと押さえられていて、この映画から関心を持ち松本 仁一氏の>>続きを読む

コンスタンティン(2005年製作の映画)

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いやー、面白い。『ブレイド』や『パニッシャー』みたいな『MCU』の成功以前のアメコミ映画の金字塔で、それらと一緒にレンタルで見た記憶がある。まったく背景とか分からなくても、問答無用で役者の力によって、>>続きを読む

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

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容疑者の供述そのものが物語となり、そこにある虚実の真相を探る。...というストーリーから『ユージュアル・サスペクツ』からの影響が濃厚で、ああいうのをやりたかったんだろうなーというのを感じる。これ、ただ>>続きを読む

密輸 1970(2023年製作の映画)

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リュ・スンワン監督って『ベテラン』も監督してるんだ! 
前評判の高さから、最初から期待して見始めて期待通りだった作品。画面分割が頻繁に使われていたり、登場人物が右から左に歩くに連れて見える窓外の景色の
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ベテラン(2015年製作の映画)

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韓国映画の十八番といってもよい、パワハラと大企業による犯罪隠ぺいという二大テーマを盛り込んだ手堅いクライムアクションとなっている。刑事の執念を感じられる良い映画。旗幟のはっきりしない警察の偉い人が、同>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

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前後編(ひょっとしたら3部作になるかもという話もあるらしい...)なので、今作だけでは完結しない。もう相変わらずでいつもの『ワイスピ』のりなので、今までの作品が好きな人は文句なく楽しめるし、過去作でで>>続きを読む

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

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いつもどおり、世界の秩序を書き換えかねない重大なアイテムを巡って、世界中を駆け巡りながら、ド派手なアクションが繰り広げられる。
個人的にこのシリーズの華担当であるドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ス
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ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年製作の映画)

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ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムのバディものというだけで期待できるというもの!! 
ハリウッド超大作にありがちな適当な理由でロケーションを転々としつつ、そのロケーションを活かした大立ち回
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ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

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さすがに前作と比較すると退屈なシーンも多い。あるあるだけど、最強の敵がインフレしすぎて、今後のシリーズ継続させるのにどういう手練手管が駆使されるのか心配になる。
前作までの最強の敵であるステイサムや、
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ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年製作の映画)

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シリーズ7作目にして間違いなくここまでで最高傑作。このシリーズを見始めてから、初めて付き合ってきて良かったと思ったよ。
前作のジーナ・カラーノやジョー・タスリム(『レイド』の警官役の人!!)の起用によ
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ワイルド・スピード EURO MISSION(2013年製作の映画)

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冒頭でかなりガバガバ設定なシーン(当たり前のようにFBIが隠そうともしない暴力による取り締まり)を見せる事によってきちんとリアリティラインを見せるというのは、前作もそうだけど監督の手際なのかもなとおも>>続きを読む

ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

5作目にして『オーシャンズ11』みたいにチーム組んだ金庫破りがメインに! 冒頭から、絶対人が死ぬだろ...みたいな展開でもあたりまえのように死者ゼロと報道されていて、こういうリアリティラインで楽しめば>>続きを読む

ワイルド・スピード MAX(2009年製作の映画)

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4作目にしていまのところシリーズで最も面白い。前作の公開が2006年で、今作が2009年なんだけど、映画のルックが全く異なり古さが無くなる。前作は作中人物のファッションも芋っぽいし、役者の肌の質感なん>>続きを読む

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(2006年製作の映画)

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もともと『ワイスピ』世界は、良い車に乗って、良い運転できるやつが、トロフィーとして良い女をゲットできるという世界観が濃厚なんだけど、今作は過去二作にもましてそれが強い。主人公が何かもめごと起こす動機が>>続きを読む

ワイルド・スピードX2(2003年製作の映画)

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てっきり、シリーズ通してヴァン・ディーゼルとミッシェル・ロドリゲスが活躍するシリーズなのかなと思ったら、今作では退場。一作目ではクソ野郎だった上司がなんか味な奴に。

ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

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2025年の現在、長大なフランチャイズと化した本シリーズを最初から見始めるのは非常に腰が重くなかなか手が出しづらい。
そんな記念すべきシリーズ第一作だが、上述の前情報やストリートレーサーを描いていると
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ダイ・ハード/ラスト・デイ(2012年製作の映画)

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冒頭のカーチェイスから、カット割りまくれば良いと思ってるとしか考えられない在り様で、もう駄目だと思った。結局、アクション映画としての出来は最初のその印象から最後まで特に更新されず。脚本も支離滅裂で、「>>続きを読む

ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)

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4作目にして底が抜けてしまった本シリーズ。もともと、前作に共通しているんだけど、ハッカーが万能すぎてそもそもお話に全く乗れなかった。アメリカ中のネットワークがハックされて、電気も通信もまともに使えなく>>続きを読む

ダイ・ハード3(1995年製作の映画)

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3作目でちとパワーダウン。前2作にもあったバディムービーとしての側面が強くなって、サミュエル・L・ジャクソンとブルース・ウィリスが画面にいるのは非常に豪華だし、今見ると『パルプ・フィクション』の二人だ>>続きを読む

ダイ・ハード2(1990年製作の映画)

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1作目のような、閉鎖された状況下で外部といかにコンタクトをとるのかという限定状況サスペンス的な興趣は消えて、航空機を人質に取った麻薬王の奪還事件に巻き込まれるという規模の大きいものになっている。
冷静
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ダイ・ハード(1988年製作の映画)

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いやー、面白い。細かい描写や会話が伏線になって回収される小気味よさ。そしてキャラの濃さ。自分にとってのハリウッド映画のイメージを形づけてくれた作品でいまだに色あせない。

クリーン ある殺し屋の献身(2021年製作の映画)

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市井に埋没している元殺し屋や特殊部隊員が、ふとしたきっかけで交流を得た人を助けるためにその力を振るうという『イコライザー』『レオン』『ビーキーパー』なんかに連なる作品で、当然面白くなってしかるべき舞台>>続きを読む

PARKER パーカー(2013年製作の映画)

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人生で何度目かの視聴。ステイサム第二期くらいの快作。クライムアクション映画には珍しく(もないのかな...)、中年女性の倦怠と閉塞感が語られていて、そこが何よりも印象的かつ他のステイサム映画との差異化に>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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270kg超という肥満体での生活の苦しみがこれでもかと描写される。主人公の周辺人物が一見すると嫌な奴ばかりでそこが少しストレスではあるが、そんな彼ら彼女らの表面からは決してうかがえない行為の尊さも慮れ>>続きを読む