scaflocさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

トイレの花子さん新章 花子VSヨースケ(2016年製作の映画)

1.9

 時折り現れる雰囲気のある絵作りにはそれなりに目を引くものもあったし、主人公役の志田友美の魅力は毎度申し分無い。
 しかし、ストーリーはフリもオチもほぼ無く、脈絡がメチャクチャ。映画全体としてほぼ形に
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海底軍艦(1963年製作の映画)

3.2

 本作は、正直なところ、人やストーリーは実はどうでよく、真の主役とも言える日本特撮界の至宝、轟天号の活躍ぶりを楽しむための映画です。まさにその部分で楽しめる人と楽しめない人で、評価は大きく分かれるので>>続きを読む

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アマプラ/クラハ同時視聴にて鑑賞。原作通りのイメージを良く再現できた快作。古典的なギミックである《愛の妙薬》を巡るわかりやすいストーリー。その妙薬を獠に冒頭で、敢えて《男》相手に効かせることによって、>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.2

 語るべきところは沢山あるけど、それはここで語ることではないかな? 
 敢えて、限定的にいえば、映像的映画的アニメ的文法も過不足なく良く出来ているし、それを支える演出、音楽、効果も申し分無いクオリティ
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マリオネット 私が殺された日(2017年製作の映画)

2.4

このレビューはネタバレを含みます

 まず言えるのは韓国映画にしては暴力表現が大人しめ。それは悪くないし、それとは関係ないけれど、映画の文法的な表現がほぼ無い単純なコンテ故に、冒頭のテクニカルな構成が演出意図に追いついておらず、結果とし>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.6

 正直、期待よりずっと面白かった。韓国映画のリメイクとのことで、人の死に方のアッサリ加減がいかにもそんな雰囲気。しかし肝心なのは、映画文法的な所作がキチッと守られているところと、実は器用な演技がちゃん>>続きを読む

シンドバッド虎の目大冒険(1977年製作の映画)

3.4

もう何度目の視聴なのかと思えど、忘れた頃に観ると、なかなかに染み入る名作。トログロダイトの碑を、カシムは王として建てるべきだと毎回思う。レイ・ハリーハウゼンのストップ・モーションもほぼほぼ完成の域に及>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

円盤も持っているはずのに、ギドラ登場のところで、なんとなくテンションが下がり、地上波初放送まで「積み」になってしまっていた本作。改めて鑑賞してみると、アメリカ風解釈のスーパーXだとか、海底軍艦だとか、>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.8

アイデアはほとんど「アイ・アム・レジェンド」と同じだが、それをファミリーを軸にしたパニック・ムービーとすることで、こんなに味わいを変えて、観ることができるのか、と初見の時には感心した。エミリー・ブラン>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

寝袋を担いでの少年だけのキャンプ。木の枝に刺して炙る挽肉。玉を食い千切ろうとする廃材屋の犬。橋の上で猛然と迫り来る汽車。ゲロまみれの作り話。焚き木の前の告白。そして、見たこともない、見たくはないけど、>>続きを読む

コブラ(1986年製作の映画)

3.3

ン十年ぶりの再鑑賞。ブリギッテ&シルベスターの(当時の)新婚蜜月コンビが生み出した、ハードコア・アホアホ・アクションの傑作。ロッキーよりもシリアスで、ランボーよりもクールな主人公、コブラことマリオン・>>続きを読む

宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACE(1978年製作の映画)

3.7

clubhouseの同時視聴で、約一年振りの鑑賞。何度観ても「たまらん!」と思わせる画面からの(SFとしての)圧。この圧がなかなか今の映画には無い。『フラッシュ・ゴードン』や『バーバレラ』、『ワタリ』>>続きを読む

指輪物語(1978年製作の映画)

4.1

年に一度は観直す、自分にとっては傑作中の傑作。ロトスコープによる独特の表現によって、ある意味で実写版以上に作中世界の雰囲気、空気感が見事に描き出されているところが魅力的に感じる。反面スペクタクルに欠け>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

この映画で描かれる、男に救われた女と、女に救われた男。二人の絆は永遠にも思えたけれど、聴覚を失い、苦悩と孤独と、渇望を越えたところで男は悟る。もう自らの役目は終わったのだと。そしているべき場所、あるべ>>続きを読む

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年製作の映画)

4.1

 ゼータ、ダブルゼータを越えて、逆シャアが描きたかったものを、『閃ハサ』観賞前に改めて考える。
 それはやはり富野由悠季監督が繰り返し描いてきた人の業と、それでも失いたくない人間讃歌なのではないか。
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シンドバッド黄金の航海(1973年製作の映画)

3.5

レイ・ハリーハウゼン大先生のこの傑作を観返すのは、一体何回目? というぐらい観ている古典的傑作にございます。

実はclubhouseでの『JUNK HEAD』絡みの部屋にて、「ストップモーションなら
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スコーピオン・キング(2002年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに鑑賞。この頃はD.ジョンソンではなく、ザ・ロックだったんだよなー、としみじみ。

初見時よりも楽しめた気がする。あの頃はロック様に対する期待が大きすぎたのかもしれない。それにアレだ、ラスボス
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Hysteric Betty(2020年製作の映画)

2.6

作りたいものをちゃんと作ってみせる、ということはクリエイターとしてとても大事なことで、そんな大事なことを思い出させてくれる映画。ただどうせ思い出させてくれるなら、もう少し短く簡潔に、かつ鮮烈であって欲>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

作品を彩るデザインそのものは、初期押井守及び士郎正宗、そしてギーガーの影響が色濃いが、その既視感が小慣れたSF好きにはある種の安心感を醸し出し、世界観の構築を成功させている。また、好事家垂涎のオマージ>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

円盤も持っているものの、地上波初放送を録画して再び鑑賞。いくつものミスリードが用意されているのは、ネットというのはそういう世界だから、というメッセージなんだろう。悲しみがあり、すれ違いがあり、悪意があ>>続きを読む

96時間(2008年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

既に十分過ぎるほどのベテランで、様々な作品でのキャリアもあった渋いアイルランド役者のリーアム・ニーソンを、五十路半ばで改めてトップ・アクション・スターに押し上げてしまった罪な作品。2009年当時の日本>>続きを読む

ボーン・コレクター(1999年製作の映画)

3.5

ソフトは持っていないが、放映があるたびについつい観てしまうクライム・サスペンス。次々と巻き起こる事件の、現場に残された謎は見事に解けども、被害者はほぼほぼ助からず、安楽椅子探偵リンカーン・ライムはまる>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

3.9

特撮の古典を久しぶりに観る。シン・ゴジラの原典はやっぱりココなんだなー、と当たり前過ぎる実感に至る。放射能火炎の色の薄さが、逆に「あの口から出るものは、広島や長崎の、原爆の爆風と同じものです」というら>>続きを読む

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

3.5

お決まりの生まれの不幸から始まり、約束されたハプニング、予想通りのサクセス、お待ちかねの転落と喪失、そして再生と歓喜。冒頭から最後まで何も裏切りのない展開、どこかで何度も見たようなハッピーエンド。確か>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.3

先の展開が常に丁寧に画面内で予告され、それが必ず、独特の傑出した映像美で表されることで、より強く恐怖を煽り立てられる。だが、あまりに饒舌過ぎる映像表現に思考や解釈を持ち込む余地が無い分、奥行きの浅さを>>続きを読む

ごっこ(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

親子「ごっこ」に寄せた、不器用な男と優しすぎる女が、手と手、心と心をつなぐ純愛の物語。似たようなプロットの映画でも『完全なる飼育』とは真逆の立ち位置。むしろ古典的名作『小さな恋のメロディ』が一番近いか>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.3

松岡茉優の女優っぷりと、シナリオの手練れ具合が楽しめる映画。松岡のファンなら、それがアイドルムービーでない分、余計に喜ばしてくれるだろう。

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

一見おバカ映画を装い、その実、内面に宗教的示唆に含ませた幻想を美しく描く意欲的な作品。聖人の奇跡を「十徳ナイフのように便利な力」としてことさら滑稽に表現することで観客の目を眩ましつつ、失った魂を洗礼に>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.0

自己の肯定と否定の間を揺れ動く兄と、許諾と拒絶しか知らない妹の切ない物語。きちんと計算された配役と情景で、前半はショッキングな描写ながら丁寧に布石を打ち、それを受けての後半のコンテは、映画の教科書にし>>続きを読む

旅立ちの時(1988年製作の映画)

4.2

久しぶりに鑑賞。隣でつられて観ていた嫁が、「こりゃリバー・フェニックスは長生き出来ないわ。こんな演技をする人は、すぐ神様が天に連れてっちゃうよ」と曰う。我が嫁ながら、妙に納得することを言うものだ、と思>>続きを読む