背骨さんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

背骨

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春画先生(2023年製作の映画)

3.8

途中から春画を離れて彼ら自身が春画と化していく構成の見事さよ。同じく塩田監督の『月光の囁き』を思わせる倒錯的世界は正直何を見せられてるんだという感じでしたが、紛れもなく愛の物語ではありました。内野聖陽>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.4

理不尽な世の中を家族の愛で乗り越えようという良くも悪くも石井裕也監督らしい映画。結局自助の精神ですかとは思ったが、力技でまとめあげてしまう力量には恐れ入る
中途半端に社会問題を取り上げるフリをする日本
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.2

トラブルに巻き込まれた殺し屋の数日間。オープニングから思いっきりフィンチャー印でバキッとキマった画にモノローグが重なるノワール調。鋭敏なディテールと抑制の効いた演出がお好みなら配信でも是非観て欲しい一>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

4.2

戦後の象徴であり、核の申し子でもあるゴジラの第1回作品。劇中における「ゴジラを◯すべきvsもっと研究すべきの議論」はまさに日本における反核と核開発の捩れた関係そのもの。これよりさらに時を遡る『ゴジラ >>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

大量破壊兵器を具現化したような無慈悲な破壊と戦争の亡霊としてのゴジラは迫力満点以上。役者陣への過剰な演出と民間人有志による殲滅作戦のシナリオはちと筋が悪いが、ラストの直球なメッセージは多くの観客に響く>>続きを読む

人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした(2023年製作の映画)

3.8

めっちゃいい映画。
何かに追われるように生きていた女性が周囲の人たちの優しさで自分なりのペースを取り戻す物語。ササポンもいいけど女友達との関係がいい。柳ゆり菜とのシーンはマジ泣ける

こいびとのみつけかた(2023年製作の映画)

3.0

めっちゃ不思議なDon't think Feel案件。
「まともじゃないのは君も一緒』コンビの作品ですが、あっちはなんて可愛らしい映画だったのだろうと… まともじゃないとはこういう事を言うんだと鈍器で
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正欲(2023年製作の映画)

3.0

世の中で楽しいとされている事のほとんどが苦痛な自分にとって、自分の事のような、見ていて辛くなるような映画だった

ただ映画としては退屈。時折良いショットやセリフはあったものの、もっとこの設定やメッセー
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.1

靴職人を目指す少年と行き場を失くしてしまった女性。なぜか雨の日にだけ出会う二人、それは二人が前に進む特別な時間になっていく…
雨の東京を舞台にした新海誠による46分の中編。のちの作品への影響を感じさせ
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

4.7

現代の日本で作り得る最高峰の戦争映画。近未来的でありながらリアルな設定で描く「事故に見せかけた仮想戦争」に込められた“他国が血を流す事で支えられてきた日本の平和”と“安穏としている国民”への痛烈なメッ>>続きを読む

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

2.8

満月の夜に覚醒したサイキック少女の予測不能なトリップ。精神病院を抜け出し、ネオンカラーな街に飛び出した自由への旅は、どこに連れて行かれるかわからない面白さと1人の女性の成長があった

夜を越える旅(2021年製作の映画)

4.2

大学時代の友人たちとの小旅行… から一転、若さゆえの欲望と闇が入り混じる青春暗黒ホラーへ

ただ「怖い」だけでは終わらせない恋と夢に囚われた複雑な感情は、他の映画ではなかなか味わえないもの。青春時代の
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.2

ユーモアとエスプリを効かせた大人なクライムミステリー。いつの時代も虐げられるのが女性なら、したたかなのも女性。登場するなり全部掻っ攫っていくイザベル・ユペールが別格すぎた。# MeToo運動へ加勢しつ>>続きを読む

駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

4.0

震災で失われたウイスキー「独楽」復活にかけるお仕事映画、であり社員と家族の物語

静かだけど深い感動と明日への活力をもらえる映画で、国内の中小企業で働く人たちにとっても得られるものがたくさんあると思う
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ガールズドライブ(2023年製作の映画)

3.3

自分を晒し者にしたラジオパーソナリティを東京までキルしに行こー!とチャゲアスな感じで始まるAKBロードムービー
アイドル映画の三大要素《苦悩・ピンチ・成長》が入っている王道な作りでファンならきっと大満
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コーポ・ア・コーポ(2023年製作の映画)

3.5

何事も起きていないように見えて、常に生と死の呪いのようなものを感じさせる映画。
生きるのはシンドい、死ぬのもツラい… そういったものから解き放たれ漂うように存在する彼らがどこか羨ましく見えてくるから不
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.6

直球な復讐劇ながらアーティスティックなライティングと映像美、音楽使いで満足度が高いバイオレンスアクション。過去パートや高速アクションの見せ方も上手く、主演チョン・ジョンソの魅力も炸裂している。女性の敵>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.1

ホームレス3人が捨て子の親探しに奔走する今敏監督作品。小さな偶然の積み重ねが大きな奇跡に繋がっていく構成が唸るほど上手い。人生と出会いの奇跡を信じてみたくなるクリスマスにピッタリの映画

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

途中までピンとこなかったけど、ある所で何者でもなかった頃の孤独と不安を思い出して心の中で号泣。こいつは多くの人が経験するあの頃の言葉にならない拗らせた感情を映像化してくれている傑作ではないですか。とい>>続きを読む

ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)

3.2

近未来のN.Y.にて人工ポッドで妊娠〜出産をする夫婦の物語。出産における負担の不平等やパートナーとの信頼関係・役割分担など… これから子を持とうと思っている人は観る事を推奨。飛躍しすぎない着地が現実感>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

なんでも有りな映画に見えて、実はそれでしか有り得なかった人生たちへの讃歌

「無限の可能性があったのに〜」ではなく、「無限からチョイスされた可能性の粒を愛せよ。それがどんなに小さなものであっても」
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嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)

4.2

最凶に男運が悪い松子の壮絶な転落人生… 次々と襲ってくる不幸の連続をポップなミュージカルで表現するという最高に趣味が悪い手法で描くからこそ見えてくる滑稽さと哀しみ。中島哲也監督の意地悪さと優しさが高次>>続きを読む

(2023年製作の映画)

2.6

芸人ビートたけしの面が強く出た印象。自分が好きだった監督北野武や俳優ビートたけしはここにはいませんでした。以上です

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

人間の闇をありったけブチ込んで、バディもの横溝ミステリーで仕上げた鬼太郎誕生譚
鬼畜な権力者、血塗られた一族、忌まわしき村の因習、戦後日本の犯罪等… 子供には見せられないダークで淫靡な仕上がりが好みす
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マイマザーズアイズ(2023年製作の映画)

3.4

半身不随になった娘と視力を失い人工眼球を装着する事になった母親、視力を共有する事になった二人はやがて感情や身体の境界も失っていき…

いわゆるホラー的怖さとは違う怖さで凄まじい愛と狂気に圧倒される。ジ
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.8

戦争が終わっても苦しみ続ける人々を描いた物語。その壮絶さに絶句… 登場人物の誰も「戦争反対」などと声高に叫ぶ事はないが、彼らの生き様だけで黙らせてしまう画力がある。戦争にもさまざまな戦争があるが、民衆>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.6

300万人を戦死させた悪魔の顔以上に面白い最愛の妻ジョセフィーヌとの愛憎劇。壮大な戦闘シーンの合間に見せる彼女との複雑怪奇な関係こそまさにナポレオンの原動力なのではと思わせる。これ見たらヴァネッサジョ>>続きを読む