背骨さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

背骨

背骨

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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.8

子供と大人の… いや、全ての人と人との「ありたい関係」について絶妙な距離感で、時に祈りのように描くミルズ
甥と伯父の話に、子供達への未来に関するインタビューを交える事で、観客それぞれの物語へと仕上げて
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.3

ワンダ最恐マルチバース。アベンジャーズどころかマーベルヒーロー大集合マルチバース。でもDCヒーローは存在しないマルチバース
マルチバースは何でもありの世界か、どん詰まりの世界を打開する無限の宇宙か…
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.4

この手のストーリーにありがちな後半のゴチャつきや惜しいところもありつつ、岡田健史vs阿部サダヲ、攻守入れ替わりながらの対決は見応えあった。ただ一番怖かったのは鈴木卓爾だし、目立っていたのは宮崎優。この>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.2

まさかの◯◯◯◯◯◯!演出・カメラワーク等要所要所で庵野総監督不在を感じるので『シン・ゴジラ』を期待しない方がいいが、あの頃のテイストそのままに、且つ超進化させて描いたスタジオカラーに感謝。有岡大貴が>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

ひたすら相手の尊厳を守ろうとする二人の間にあるものは、紛れもなく愛だった。たとえ出会い方が間違いだったとしても…
愛とエゴと正しさの狭間で踠く彼らを、スクリーンの端々、一音にまで行き届いた演出で見せる
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.1

フィクションに救われてきた者、自分にとって仕事ってなんだろ… と思い悩む人にとっては号泣必至のお仕事ムービー。何度も泣きました。ここ数年で一番泣きました。泣きすぎて目が腫れました。最高だよ、静かにアツ>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

3.4

ほぼ全編『ボヘミアンラプソディ』なロックミュージカル。祇園精舎の鐘の声… 栄枯盛衰を謳う「平家物語」を舞い、奏でる、虐げられし彼らの時代性と普遍性と、マクロとミクロな物語
奇怪な風貌の能楽師と盲目の琵
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.9

突如の荒唐無稽なクライマックスやMTVな演出等… 前作オマージュ満載のセルフリメイク的内容ながら、36年以上分のアップデートとトムクルの鉄人ぶりを感じられる超絶続編
やつがG1に袖を通すだけでオジサン
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辻占恋慕(2020年製作の映画)

4.0

夢を諦めきれない持たざる者の青春、というにはとっくに期限が切れた彼ら
何かに追われるように流れていく時間と、彼らが絞り出す言葉は、何者かを目指した事がある者なら胸に刺さるものがあるでしょう
自分は「何
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夜を走る(2021年製作の映画)

3.2

ある夜の出来事をキッカケに変わっていく彼らの日常… どころか、物語を越えてわれわれ観客をも巻き込み「日常に映画が亀裂を入れる瞬間」が味わえる凄まじい怪作
言い換えるなら、もはや日常へと成り果てた「劇映
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狼たちの墓標(2021年製作の映画)

3.7

リゾート開発の利権をめぐる血で血を洗う争い。目的のためなら、殺って、殺って、殺りまくる。そこに小賢しい理由などなく、ただ欲望だけが炸裂しまくる韓国ノワールの真骨頂
コレだ、見たかったのはコレだ… お行
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.9

ある日突然、在留資格を失い居場所を奪われるクルド人家族。日本に残ることを許されず、戻れば戦犯として捕まるという八方塞がり状態。日本で育った子供達を襲う途方もない不安
難民、制度、家族… 多くの事を考え
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.4

ツイストの効いた異世界ループもので、怖さというより3Dホラーゲームをしているような楽しさがある
ゲームを1面で終わらせてくれたかのような潔い短尺設定も魅力だし、なによりこれが映画初主演の恒松祐里さんの
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.4

貧困層による抗議運動が暴徒化し、略奪され殺される富裕層たち。それに乗じて暴走をはじめる軍の一部…
劇中繰り広げられる惨劇は「格差社会への警笛」などという言葉で表現するには甘く、近い未来に起こる出来事の
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.9

父親がわからない妊娠をした学生カップルの楽しかった日々と決断を迫られる今
幼さや不安… 彼らの複雑な感情を捉えるロングショットと噛み合わない対話。共感は出来ないが、他人事とも思えない… 二度と見たくな
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.8

自らの意思で人生の幕引きが出来る制度を描く今作は、支援もなく生きなければならない老後の人生も幸せと呼べるのか… を問う映画でもある
「生は無条件で美しい」などと描いていない誠実さがあり、法や倫理観にま
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恋は光(2022年製作の映画)

4.3

「恋を定義する」という名のもとに集まった4人の本当の関心は「自分が抱くこの感情は恋なのか」という事
手探りで交わすコミュニケーションとユニークで初々しい告白… からの期待以上の結末にきっと多くの人が恋
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ブリムストーン(2016年製作の映画)

3.6

西部開拓時代を生きた一人の女性の生きざま …というかこれはもはや家父長制スリラー
妻や娘に対して鬼畜の所業を繰り返す変態牧師ガイ・ピアーズvsダコタ・ファニングの長きに渡る「命と尊厳を守るため」の壮絶
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君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

3.7

決して搾取される側にはならないと誓ったJKが日本の経済政策に物申す
政治家や教師を次々と論破していくシーンは見ていて小気味良いし、なにより国を立て直すには有権者の知識と意識が重要だというメッセージはも
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三姉妹(2020年製作の映画)

4.1

仕事、家庭、病気… さまざまな問題を抱えながらギリギリで生きている3人
それが、ある場面から突如として見えてくる、家族として背負わされてきたものと永遠に変わらない絆の所以…
家父長制に別れを告げるシス
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.8

BL好きという共通点が生んだ女子高生と老婦人の友情。
好きを共有出来るうれしさ、好きを極める事の難しさ、なにより少女が大人への一歩を踏み出す映画として完璧
いい人ばかりのファンタジーな世界だけど、映画
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MY (K)NIGHT マイ・ナイト(2023年製作の映画)

4.0

いい意味で最高のLDHファンムービー。女性を癒す騎士による彼ら自身のための忘れがたい一夜。彼女たちをもてなす時、同時に自分たちも救われているという「ファンと自分たちとの関係」を映画としてメッセージを送>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.7

登場人物がみんなヘッポコで罪深くて愛おしい。タイトルからは予想もつかないコミカルさと軽やかさで、それが後半の是枝監督らしい優しさに繋がってくる構成はニクいほど上手い。
個人的な好みで言えばラストはコネ
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.8

何者かになりたかった二人の邂逅。
いい意味で「人生は行き当たりばったり生きるしかねえ」と思わせてくれる映画で、それが恋だけに限定されていないところがいい
散々回り道しながら辿り着いた二人の恋の結末は、
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.8

天の思し召しか、この絶妙なタイミングで公開されたカルト宗教映画

「安住の地」を描いた映画という事では『マッドマックス怒りのデスロード』とある意味同種だろう。「ここではないどこかへ逃避するか」「この腐
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.1

「自分とは何者か」がわからぬ息苦しさと「生きるうえでそんな定義は必要ない」を同時に描いたような人生讃歌

先の見えない彼女の人生に自分の人生を重ねてみる。そして思う。人は後悔を繰り返す事でしか、後悔の
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.6

クールなセリフの応酬から街ひとつブッ壊すほどのド派手なアクションまで、見たいもの全部のせな予想以上の超絶エンタメサスペンスアクション

軍隊級の銃火器投入しても仕留められないグレイマンは工作員どころか
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キャメラを止めるな!(2022年製作の映画)

3.2

オリジナル愛に溢れていながらフレンチな味付けもちゃんと感じるリメイク。
かなりオリジナルに忠実に作られているので面白くはあるのだけど、それ以上に「『カメ止め!』って凄い映画だったんだな」となる不思議。
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.7

アメリカの片田舎で発生した連続児童失踪事件を描いたジュブナイルスリラー

自己的で破滅的な犯人に対して、ファンタジックな方法で対峙する子どもたちの連帯と兄妹愛。
スリラーとして以上に70年代の大人と若
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.7

祈祷師一族の末裔に起こる、恐ろしくも不可解な現象…

要所要所でちゃんと怖がらせてくれつつ、モキュメンタリーがもたらすメタ的な楽しさもある。例えるなら「川口浩探検隊『タイの奥地でエクソシストに遭遇する
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地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

3.4

「電子制御出来るペ◯ス」と「潜ると半日進んで3日若返る穴」中年夫婦二組が手に入れた奇妙なアイテムがもたらすものと失うものとは…

彼らと年齢が近いほど、きっと笑えて笑えない。老いと若さとは何かをめぐる
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ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

3.6

彼女の視点から見た『明け方の若者たち』もうひとつのストーリー。
本編以上にわがままで自分勝手な彼女を嫌いになる人もいるかもしれない。ただ何人かはこの映画の事を(2本併せて)もっと好きになると思う。『わ
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.8

過剰な演出、ありえないカメラの動き&カット割り… リアリティのためでなく、逆によりフィクショナルに見せるためにモキュメンタリーを使う事に成功した殺し屋映画

基本は全編楽しいが、その中に社会に馴染めな
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

3.7

タランティーノらしい前戯の長さ(無駄話)と逆襲クライマックスがクソ最高なカーアクション

B級映画愛がダダ漏れだが、過去にあったものをそのまま焼き回しせず、現代的&タランティーノ的改変がしてあるところ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.2

眼差しの加虐性、その視線が逆転する恐怖、フィルムで撮る事への揺るぎのない信愛…
超エンタメヒーロー映画に「映画への愛」をぶっ込んだジョーダン・ピールの最新進化系にして新たな幕開け。控えめに言って今年ベ
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オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.8

タイトル通り一見さん大歓迎な敷居の低さながら、白石晃士マルチバース全開なファン必見のモキュメンタリー。
怖いというよりとにかく楽しく、まるで堀田真由氏と行く『笑ってはいけないオカルトの森バスツアー』
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