しゅんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

嘆きの天使(1930年製作の映画)

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画質・音質の劣化が強くて楽しめなかったのが悲しいかな。結末のヤニングスの動きもはっきりせず。あれ、教壇だったのか…?

空白だった黒板に書かれた生徒達の絵。鳴かなくなった鳥と結婚式で鳴き始める教師。悲
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RRR(2022年製作の映画)

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「インターバル!」が一番面白いという稀有な体験をした。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

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サックス吹くときの宮本大の立ち姿がカッコ良いのが決定的だった。膝をやや曲げて地面を強く踏み締める姿勢で背を上下させる。その動きに惹かれる。
楽曲はオールドスクールとすらいえるいわゆるモダンジャズだけど
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神経衰弱ぎりぎりの女たち(1987年製作の映画)

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話のノリもテーマも土地も違うのにジョナサン・デミ『愛されちゃってマフィア』テリー・ギリアム『未来世紀ブラジル』と同じフィーリングを感じる。時代のムードの支配力が強いってことか。テロテロの服とか部屋のプ>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

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観てなかった有名作シリーズ。映画館で観た。
登場人物全員にしょうもないところがある、権力を持ってるやつも謎めいた美女もぶざまな姿を見せる(例外はザ・ウルフくらいか)。撮影は比較的アップで顔を強調して音
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なのに、千輝くんが甘すぎる。(2023年製作の映画)

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「片想いごっこ」のメモが落ちることで拾う人間との間でドラマが発生し、かつ「片想い」の状態が終わることをモチーフの動きで告げる、この二重の役割がカッコいい。階段/坂を登るの繰り返しで憧れへの道行きを描き>>続きを読む

デジレ(1937年製作の映画)

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サッシャ・ギトリが自分の100歳年上と気づいて気になっていたのだが、『役者』と『祖国の人々』が演じる人のドキュメントとしてめちゃくちゃ興味深く、さらに気になってきた。時間が許すなら特集もっと観たかった>>続きを読む

祖国の人々(1915年製作の映画)

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ロダン、モネ、サラ・ベルナール、アナトール・フランス、ドガ、ルノアールなどが動く姿を収めた1915年の映画。それを1950年のギドリが解説していく。ドキュメンタリストとしてのギドリという視点は重要。>>続きを読む

役者(1948年製作の映画)

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サッシャ・ギトリが父リュシアン・ギドリを演じ、後半にはサッシャ自身を演じる。演じることを主題にした映画において、「演じる」が複数の鏡に映されて無限に落ちていくような気分。父子の主題も混ざるから、余計に>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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血糊がいい。池松壮亮の震える声とあり得そうであり得ない髪型がいい。森山未來の体感がいい。西野七瀬が嫌いになれない。

冒頭のカット割のうるささ。仮面ライダー同士で闘うところの説明のない瞬間移動。シンエ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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マルチバースとか可能世界って自分とマジ相性悪い!という気持ちに溢れました。考え方としても合わない(可能世界的に物事考えると後悔が止まらなくなる)んだけど、世界のスイッチングが全然気持ちよくなくて上がら>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

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ズームとカットの組み合わせ、めっちゃ変でめっちゃいいですよね。なんであんないいんでしょうね。食人仲間の男が車を追っかけるときの不穏さと、それを突然断ち切って翌日の様子へ移る場面とかほんと変だと思った。>>続きを読む

珍しい花の歌(1959年製作の映画)

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ひたすら続く花のモンタージュと音楽(オーケストラからジョージアのギター音楽、コーラス音楽へ)。押し花をするときの老人の手の皺の深さが印象深い。花が車に潰されるところは『四月』の切られる大木を想起する。

水彩画(1958年製作の映画)

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酔っ払いの夫と不機嫌な妻。洗濯する妻の後ろに男がいる。ボロ屋から美術館への急転換、そして美術館に自らの家を見出すことで二人は一つに戻る。

全く同じ説明をする二人の学芸員。子供四人いたの最初気づかなか
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唯一、ゲオルギア(1994年製作の映画)

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ジョージアの歴史を追っていくわりと説明の丁寧なドキュメンタリーとしてイオセリアーニは作っているのかなと思ったのだけど3部で一気に苛烈になった。最後の30分で何が起こっているかを伝えるために、それまでの>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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スピルバーグ五本くらいしか観てない映画嫌いの私でもめちゃおもしろかったから観た方がいいよ!

トリュフォーのジャン=ピエール・レオものを彷彿させると書いてる人がいてたしかにと思った。

別れる決心(2022年製作の映画)

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上から観た視点での登山と運転で突き放していく距離の設定と、カットで異なる人物の行為と時間をつなぐ同一化。嘲笑しつつ感情に巻きこまれるのが楽しくて楽しい。急なアップは無感情と感情の間を彷徨うかのよう。翻>>続きを読む

蝶採り(1992年製作の映画)

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神父が酔いどれから覚めてえづきつつ家を出る時の部屋の光にグッと来て、ソングレッスンの際の鳥が喚いてるところで爆笑 日本人の扱いの差別がすごいがむしろ「どんとこいや」って気分になってテンション上がった。>>続きを読む

落葉(1966年製作の映画)

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桶にたらふく入った葡萄をおっさんたちが踏んでワインを作る姿であっけなく感動。鼻の高く気のいい青年の孤立無縁に何気なく胸を痛める。

マリナ・カルツィヴァゼが歳上らしき男を見送るところで奥の路面電車が走
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燃える平原児(1960年製作の映画)

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薄暗い画調で統一された、混血児の悲劇。どこにも居場所がないのは彼のせいではない。それでも彼は、孤独と蔑みを死ぬまで抱えて生きる。ハリウッド映画の主役なのに、相手役の恋人もいない。
瀕死の母が風吹く荒野
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第十一号監房の暴動(1954年製作の映画)

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アメリカって映画で社会変わると本気で思ってる国なんだな、少なくともこの映画の製作陣はマジなんだなと底力にビビる。暴動側にも対立があり、統治側にも対立があり、敵と味方はどこかで通じ合っているにも関わらず>>続きを読む

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

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振り返り動作の繰り返しがカメラへの視線でもあるというメタ作用。

クズ男というより発達障害への視点が感じられる脚本で、主人公とそっくりの症候のある自分はそこにグッときてしまった。手伝えと言われなければ
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SLEEP マックス・リヒターからの招待状(2019年製作の映画)

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『SLEEP』は寝るには低音ですぎてないか?と思ってたのですが、むしろあの低音が人間の安心に繋がるんですね。そういう話を聞いたからアルバム聴くとより良くなった。

リヒター夫妻(and三人の子供)の生
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

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『不眠症』における、読書中のベッド際の映像と本の中を表した吸血鬼の映像の交互は、夢中になりきれない不眠状態に寄り添っているよう。本がひっくり返れば画面もひっくり返る。

『シネマトグラフ』がエテックス
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絶好調(1965年製作の映画)

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「コーヒーに角砂糖を入れる」ではなく「角砂糖にコーヒーを染み込ませる」。苦い顔したのに満足したね。

殺人捜査線(1958年製作の映画)

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こちらのコンディションのせいで中盤少し寝たのが悔やまれるが、冒頭と後半の車暴走は素晴らしかった。スケートリンクへの落下までの緊張感もよい…

一般人を巻き込むギャングのヘロイン輸入が杜撰すぎて笑った(
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ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年製作の映画)

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50年代ってアメリカの最も幸福な時代って云われたりするけど実際は不安を押し殺していたんだろうな。そう思わせるパラノイア映画。一瞬でも寝たら体を乗っ取られる。愛する人が同じ姿のまま別の生物に代わる。歩け>>続きを読む

永遠のガビー(1934年製作の映画)

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疲れすぎてて前半全然集中できなかったが、アルマが車椅子で螺旋階段で落ちる前半クライマックス(何故か上下篇で分かれてる)がよかった。倒れる人がやたらと多い。ガビーを探す映画関係者を移動で映していくところ>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

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Metoo運動の発端が、キリスト教精神とアメリカ法制度との相剋にあることに気付けてよかった。故に日本との違いを思う。

前半は演出退屈だなぁと思ってたけど、後半はドラマの力で持ってかれた。脚本強いよな
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バビロン(1980年製作の映画)

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車のライトを割ると画面外から宇宙から届くかの如きダビーな発信音が鳴る。このカッコよさと愉快さ。とにかく、鳴ってる音が全部カッコいい。冴え渡るデニス・ボーヴェルの仕事。

地下の煙たいクラブで最高のダブ
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クインシーのすべて(2018年製作の映画)

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クインシーが今生きてるの奇跡だな。シカゴのゲットー育ち、精神疾患で連れ去られた母親、トランペットと音楽に見出した希望。レイ・チャールズに出会い、若くしてビバップを体験し、パリでナディア・ブーランジェに>>続きを読む

赤い手のグッピー(1944年製作の映画)

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めちゃおもしろい。田舎の閉鎖性を煮込んだようなグッピー一族を、否定しきらず肯定しきらずミステリー風の群像劇に仕上げる。「ムッシュー」を納屋へ監禁して以降(厳しいのか緩いのかよくわからんやりとりがよい)>>続きを読む

エストラパード街(1952年製作の映画)

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フランソワーズとアンリの住む部屋からはエッフェル塔が見える。同じようなコメディでも『エドワールとキャロリーヌ』の時は二つの家だけで撮影されていたのが、本作ではパリの街での撮影を多用しており、フランソワ>>続きを読む

忘れじの面影(1948年製作の映画)

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監督(マックス・オフュルス)はドイツ出身フランス国籍のユダヤ系、撮影監督(フランツ・プラナー)はオーストリア出身、音楽(ダニエル・アンフィシートロフ)はイタリア系ロシア人。そして作られたのはオーストリ>>続きを読む

ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

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女が復讐のために男と商売女をくっつける話。なのだが、商売女はひたすら貞淑であり続けていたり、最後の結末が復讐になり得てるのかわからなかったりと、かなり複雑な余韻を残す。皮肉屋とも純粋とも言い切れない物>>続きを読む

浜辺の女(1946年製作の映画)

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なんだかよくわからない話だしロバート・ライアンは主役なのに敵役にしか見えないしで、途中まで眠かった。婚約者ナン・レズリーとの関係をうまく処理できていないからか?レズリーとライアンの二人が映るところは演>>続きを読む