ssさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

花に嵐(2015年製作の映画)

3.6

童貞の妄想映画として色々詰め込まれてて笑った。随所しっかり学生映画でイキってる感満載だけど、面白い。

2022 #26

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.4

庵野秀明・樋口真嗣によるウルトラマン二次創作として観るとめちゃくちゃ面白い。原作へのオマージュが随所に感じられ、アップデートというよりはリメイクに近い。
「映画」という映像芸術として観ると、あまりにも
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.6

ずっと見たかった運転しながらのキスシーンが最高だった。あんないいシーンはなかなか生まれない。そして、ずっとすれ違い続ける男女の描き方にめちゃくちゃ学ばされた。車に乗りながら恋愛観について語るシーン(目>>続きを読む

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

4.8

ファーストシーンのニナを捉えた笑えるロングショットから爆上がり。思い切りの良さと大胆なカメラワークに脱帽した。さらに自然の中で収められた究極の撮影美。ライティング、カメラワーク、自然の動きのコントロー>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

恐ろしいくらいに何も起こらない未亡人の日常を長回しで捉えているだけなのに、少しずつラストの惨劇へと向かう違和感を見せられているこの気味の悪さが凄い。確実にこの一作は、映画演出の歴史に爪痕を残してきたこ>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

4.2

現代における人との関わり合いを丁寧に描いている。この多様性の描き方がセリーヌシアマらしい。人間関係における本音、後悔、別れがどれも等身大だった。
『燃ゆる女の肖像』のノエミ・メルランの好演も光ってたし
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.5

マイクミルズの優しくも美しい映像と音楽で、スタンダードサイズ&モノクロで見せられる情緒感が先ず半端ないのに、そこで語られるホアキン・フェニックスと甥っ子の素直に自分の心を打ち明けあっていくストーリーが>>続きを読む

北の橋(1981年製作の映画)

4.7

初ジャックリヴェット。フランス映画の文法の中で軽々と型を破って行くのが凄まじい。とんでもないセンスと映画全体を崩壊させずコントロールさせる絶妙なバランス感覚に驚かされる。

2022 #19

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.5

今年ベストかワースト級の怪作。ジュリア・デュクルノー、レオス・カラックス、ギャスパー・ノエ、セリーヌ・シアマ…現代においても映画の頂点は確実にフランスにある、、、!!
トンデモない展開と容赦ない描写、
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アネット(2021年製作の映画)

4.6

カラックスの表現力にただただ圧倒された140分。アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールの名演がこれを支える大傑作。カラックス完全に独自の文法を手にし、ミュージカルというメタ的な映画フォーマットの中>>続きを読む

ポーラX(1999年製作の映画)

4.4

振り回されて凋落する男、その男を振り回す魔性の女、その男に捨てられる女、カラックスの方程式に乗った破滅の物語。脈絡のない省略とジャンプカット。カラックスはヌーヴェルヴァーグの香りを残しつつ、自らの文法>>続きを読む

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

-

見てきた中で一番ヌーヴェルヴァーグ色が強くて自分では追い切れない。にしても長編デビューでこれは早熟すぎるし、やっぱり天才だなあ、、、めちゃくちゃいいショットがいくつもあったことだけ分かる。ヌーヴェルヴ>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

4.4

どの画を切り取っても名シーンだったの凄かったな、、、変態的な編集と言いB級感残る作り込みというどれも味になっててこの頃から圧倒的な貫禄を見せつけてて泣ける。『ポンヌフの恋人』同様また見返して噛み締めた>>続きを読む

湖のランスロ(1974年製作の映画)

-

ひたすら繰り返される映像と音のリズム。激しさを伴わない生々しい戦闘シーン。静寂の中で、顔の見えない男たちが横たわっていく異物感。ブレッソンが戦闘を描くとこうなるのか。

2022 #13

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

-

ブレッソンを語れるほど目は肥えていないが、個人的に『ラルジャン』に次ぐ傑作だと思う。生々しい社会問題を映し出すカット、退廃的な若者たち。ラストシーン。渇いてリアリティを伴わない打撃音も特徴的。時間を置>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.3

ケリーライカートはほんとに毎回外さず面白い。貨物列車のカットで始まり、貨物列車で終わる物語。アメリカの現代社会で女性が抱える社会的危うさを浮き彫りにしつつ、その表現としてウェンディは愛犬と車(信頼出来>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.7

初クローネンバーグ。暴力描写はさすがだが、話が大して面白くなかったな。。。ハッとさせられる表現がいくつかあったけど、それ以外は普通だった。

2022 #10

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

-

アピチャッポンはほんとに0点か100点みたいな作品を躊躇わずに出してくるから凄い。頭にへばりつく爆音を頼りにその記憶たどっていくという変態映画。全く絵変わりのしないシーンを何分も流す流石のお家芸。もは>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.3

韓国ノワールさながらのクライムサスペンス。さすがポン・ジュノの助監督を務めた片山慎三。映像のクオリティがめちゃくちゃ高くてびびった。的確なショットの中にあっと驚くカメラワークと隙のない演出が本当に上手>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.6

眼福すぎる映画体験。こういう映画は賞レースにかからないから勿体ないな。。とはいえオスカーの美術賞にもかからなかったのは残念すぎる。ロイアンダーソンさながらの情報量の多い画面構成なのに、そこにカメラワー>>続きを読む

麻希のいる世界(2022年製作の映画)

3.4

初の塩田明彦作品、期待してたけど外れた。
演者の演技のつけ方も良くないし、記号的な演出も気になるし、何も食らうものがなかったな。、。『月光の囁き』と『害虫』だけ見ておこう。

2022 #6

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.9

大戦の記録映像のスクリーンにアクションの影が投影されるシーンとかは好きだったし、剣先にカメラつける撮影とか、ところどころキングスマンならではのアクション撮影が光っていたがあまりに今回は説明的かつダイジ>>続きを読む

夕映え少女(2007年製作の映画)

3.5

瀬田なつき『むすめごころ』
エドワードヤンを彷彿とさせる校舎でのショットは良かったが、面白くはない。

2022 #4

Delivery Health(2019年製作の映画)

3.7

ミュージカルの可能性を拡げた実験的作品かもしれない。音楽が中心にあり、ダンスによって表現する所謂ミュージカルとは異なり、演技としてコンテンポラリーダンスを取り入れることで、映画的な活劇へと昇華されてい>>続きを読む

UNFRAMED/アンフレームド(2021年製作の映画)

3.0

『学級委員長選挙』
MV的なカット割りと軽快な音楽で処理しているだけで装飾的。「学級委員長になりたいか?」のセリフがただの釣りでしかなく、回収したとは言い難いレベルの伏線として置かれている。表層的で中
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.4

新年一発目は縁起のいい溝口作品で。さすがのワンカットでしっかりと空間を捉える、完璧に設計された撮影がキマッていた。『残菊物語』程のインパクトはないものの、無駄にカットを割ることなくワンショットの可能性>>続きを読む

DEATH DAYS(2021年製作の映画)

3.3

良くないなあ。『ウィーアーリトルゾンビーズ』にはあった、批評性や皮肉がクリエイティブとして落ちているところが全く感じられず、映画作品と言うよりはアートディレクションだけ凝った映像作品にしか見えない。デ>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.1

今の分断のコロナ禍に打ち出すべき批評性のあるストーリーでとても良かった。実直な科学の主張を台無しにするのがメディアと利権であるということが剥き出しで描かれる。科学を信じ続けた人間が、最後に頼ったのが信>>続きを読む

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

3.6

「触れる」「距離をとる」などのわかりやすい視覚表現は描かれつつも、全然パッとしない話だなと思ったら脚本は濱口竜介じゃなかった。染谷将太の殺しが謎すぎる。

2021 #109

奇跡(1954年製作の映画)

-

恥ずかしながら、2日連続で観に行ったのに心からその面白さに気づけなかった。また出直します。

2021 #108

音楽(2019年製作の映画)

4.7

天才か?
キッチュなキャラデザとは裏腹に躍動的な描写とアニメーションが素晴らしかった。フェスのシーンはマジで鳥肌立った。表現から逃げずに「ものすごい演奏」を描ききったことと、この映画に「音楽」というタ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

濱口竜介の作品には毎回驚かされる。その実験性は短編にすることでさらにキレを増していたと思う。ただ短編集という形をとったことで、長編よりも観賞後の満足感が薄かったようにも感じる。

第一話:『魔法(より
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エレファント(2003年製作の映画)

4.4

監督のセンスが自分とめちゃくちゃ合ってた。ファーストカットからいい。事件前と事件中の境目なんてなく、日常はシームレスに非日常へと変わっていく。中には日常を疑う間も無く死んでいく者も。アメリカでは有名な>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.9

冒頭の鏡を使った映像表現は良かったが、それ以降はいかにもハリウッド的な展開とホラーあるある&伏線回収。そもそも自分がホラーに興味がなさすぎるのもあるが、『ゲット・アウト』『聖なる鹿殺し』くらいのインパ>>続きを読む

八月八日(2016年製作の映画)

3.5

三宅唱の実験。完全なる石橋静河映画。一人芝居。

2021 #103

緑の光線(1986年製作の映画)

4.2

人間に寄り添うロメール。シンプルながら緑の光線というモチーフに全てをかけたストーリー構成で、ラストでひとつの救いを見い出す。途中退屈に感じたけど奇跡みたいなラストだった。

2021 #102