漁村の労働者たちの描き方は、アニエス・ヴァルダの『ラ・ポワント・クールト』を彷彿させるが、ヴァルダよりも暗く、鬱っぽく、病んだ身体表象からは、むしろタル・ベーラのような重厚ささえ湛えている。1965年>>続きを読む
パウロ・ローシャ第1作。
誰もいない通り、音の無い街。アントニオーニやフェリーニ味があって紛れもなく私好み。
林の坂のショットなど、キアロスタミっぽいとも思った。ブルジョワ・ファミリーの不在の部屋で恋>>続きを読む
シネマヴェーラで、『愛妻くんこんばんは 第33話 ある決闘』の二本立てで見た。
『ある決闘』の方は、日本のどこか山奥の別荘で、森や川、そして謎の荒野を舞台に男2人と女が猟銃を持っているところなど、大和>>続きを読む
新文芸坐で、本郷みつる監督のトーク付きで見た。本郷監督の人の良さがわかった。
暗い。暗過ぎて全然画面が見えない。
2000年前後のインターネット黎明期の無気味さがよく出ていると思う。確かにあの頃は、パソコンの画面から幽霊が本気で出てきそうな予感があった。しかし、いまや誰もが片手>>続きを読む
メソメソジメジメ系木下恵介はホント苦手。弟子の吉田喜重が『ろくでなし』で乾ききった不良青年を描きたくなる気持ちもわかる。
ただ、いろいろと面白いところはあった。不良仲間たちが部屋でフィルム上映をしてい>>続きを読む
素晴らしい!素晴らしすぎる!!!
日本映画で今1番素晴らしいのではないか??少なくとも、濱口竜介よりも圧倒的に面白いと思う。
『ケイコ 目を澄ませて』という、なんだかATG映画っぽいタイトルからは想像>>続きを読む
死に絶えつつあるシネマトグラフに対する、あまりにも豪華だがなんとも慎ましいレクイエム。
チャン・イーモウが1番訳わからなかった。なんで万里の長城で突然男女がギター持ってニルヴァーナを演奏するねん。>>続きを読む
2作目が1番良かった。木下恵介の『カルメン故郷に帰る』のようなノリで、なんとも軽快な派手マダムたちが、田舎へ向かう物語なのだが、なんてことない話なのにとても感動的。特に、眠れない夜のシーンの、怖くて泣>>続きを読む
やっぱりオフュルス、めちゃくちゃ面白くてめちゃくちゃ上手い!
舞踏会のシーンにおける、いつまでも回転し続ける身体の華麗さには息を呑むばかり……。
汽車の窓から破り捨てた手紙の紙片がやがて舞い散る雪に変>>続きを読む
やはり木下恵介はお涙頂戴の映画より喜劇映画の方が何十倍も面白い!
半袖短パンで実存主義思想にくびったけの間抜けな川津祐介が面白すぎる。川津は『ろくでなし』みたいなキザな役よりもこっちの方が似合ってる。>>続きを読む
冒頭30分の過去3部作への自己言及的な物語が『8 1/2』とかを彷彿させて面白かったが、その後はいつものマトリックスになってあまり興味なし。マトリックスの現実世界のファンタジックな世界観もいまだに好き>>続きを読む
今通っている大学のキャンパスが下北の近くにあるので、この街にはたまに行くのだが、ここまで深く下北の人々と交流したことがなかったので、こんな感じなのかと自分もそこにいるかのような気になった。
自分も学部>>続きを読む
台湾の宜蘭県壯圍沙丘にある蔡明亮の展覧会で見た。
白い抽象的な階段が、川島雄三の『しとやかな獣』に出てくる階段みたいだった。
雑多な人混みの中の李康生と白い抽象的な空間とが交互に現れる。流れる音楽は蔡>>続きを読む
『インターステラー』×『トップガン』的な。
飛行機の中で見たので、冒頭の飛行船を飛ばすところと離陸の瞬間がちょうど重なってアツかった。
内部から慶應に入って東大の院へ進んだ弁護士の高良健吾の存在があまりにも卑近で、正当な評価ができないかもしれないが、とても面白かった。
黒いタートルネックに真珠のネックレスをつけた門脇麦がとても貴族感が>>続きを読む
初内田吐夢
冒頭は『バーフバリ』のような兄弟の相続争い。
後半から寺山修司や鈴木清順的ないかがわしい実験性が随所に見られて面白かった。
狐の嵯峨三智子が大川橋蔵の傷を舐めるところがエロかった。
全体的>>続きを読む
なんという美しい世界……!
徹底して男不在の女たちだけの世界。
エロイーズの一瞬の笑顔が最強に美しい。
堕胎手術の時の隣にいる赤ん坊が残酷で悲しい。
恥ずかしながら今までレズビアンの物語というものにほ>>続きを読む
どれも信じられないくらいつまらなかったのだが。
第1話のジャン・ドゥーシェは終始どうでもいいし、第2話のジャン・ルーシュはオチがしょうもない。第3話のジャン=ダニエル・ポレは男が気色悪いし、第4話のエ>>続きを読む
うわ、これ最高の映画だ。
まるで台湾ニューシネマのような瑞々しさ!八百屋の兄貴と2人でバイクに乗るところとか侯孝賢や蔡明亮みたいだった。
いつもは大人の世界を描く成瀬巳喜男でも、こんなにのびのびとした>>続きを読む
みんな目の焦点が合ってない感じが怖い。
やはりラストの誰もいない遊園地が素晴らしすぎるのだが、そこへ行くまでが退屈。
やっと見られた!ヴィザージュ!!
勢いよく噴き出す水を抑え込む李康生に笑ったあと、今度は窓から溢れ出る光を抑え込むように黒いテープを貼る女のショット。残念ながらこのショットでは窓が完全に暗くなることは>>続きを読む
なんともbizarreな映画だ。最後まで全然よくわからないのだけど、なぜか強く惹きつけられるものがある。
全体的にシャンタル・アケルマンの『オルメイヤーの阿房宮』を彷彿させる映像だったが、アケルマンの>>続きを読む
スター歌手を辞めて普通の生活に戻りたい!という訴えが、『告白的女優論』並みにメタ的だった。岡田茉莉子の自伝『女優 岡田茉莉子』によれば、まさにこの時期茉莉子様はスター女優を引退しようと考えていたらしい>>続きを読む
岡田茉莉子様の麗しきお姿が見られるだけで眼福🥺
田中絹代×上原謙の『愛染かつら』は時代が違うしフィルムが部分的にしか現存していないので比較できないとして、岸惠子×佐田啓二の『君の名は』より断然面白い!>>続きを読む
冒頭のテレビに映るジャン・ルノワール『草の上の昼食』でおっとなる。そこここにルノワールオマージュが見られて楽しい。
独特な謎のモンタージュが、80年代ATG映画みたいだと思ってしまった。
都合のいい女>>続きを読む
「良夜不能留」、中国語タイトル直訳で「良い夜は留めることができない」。
その名の通り、時間は止まることなく流れてゆき、過ぎゆく人々もいつしかどこかへ消え去ってしまう。終電を逃した後の渋谷のような雰囲気>>続きを読む
下半身付随の歌手のおばさんと、杖をつく老俳優のおじいさん。
おじいさんの顔の皺が、巨木の樹皮に似ているという蔡明亮のアイデア。似たもの同士が繋がり合う蔡映画の万物照応感…
うーん、これは蔡明亮の中でも一番難易度が高いんじゃないだろうか…
『あなたの顔』でも使われた台北の古いホールをただ撮影したもので、生身の人間がほとんど出てこない。
虚ろで誰もいないホールに、柔らかい光>>続きを読む
《行者》シリーズは、各国によって李康生を見る人々の反応が異なるので面白い。台北ではみんな集まって見物していたし、東京では冷たく素通りするか、彼の存在に全く気がついていなかった。今作ではフランスのどこか>>続きを読む
「水の上を歩く」というタイトルから、マタイ伝におけるイエス・キリストの奇跡を思い起こしたが、水の上を歩いているショットはわずか冒頭のみ。
蔡明亮といえば、水浸しのイメージ。彼にとって水の表象とは、欲望>>続きを読む
大勢の兵隊たちが空中から散布された謎のガスによって一斉に眠りこけるシーンに、アピチャッポン『光りの墓』的なものを感じた。
デカい看板に描かれた女の口から出てきた男をライフルで射殺するショットに鈴木清順的なものを感じた。
スペクターに雇われたブロンドの男がダニエル・クレイグに似ていて色気を感じた。クレイグ版によるオマージュ>>続きを読む
嫌われ霧子の一生!
私のアイドル岡田茉莉子様を堪能。
シネマヴェーラ岡マリ特集してくれないだろうか。。
武内亨という俳優、どこかで見たことあるイケオジだなーと思っていたが、『煉獄エロイカ』に出てきた人>>続きを読む