床ずれさんの映画レビュー・感想・評価

床ずれ

床ずれ

幽霊の気分で

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愛の渦(2013年製作の映画)

2.0

池松壮亮とブタ女との性交シーンで不覚にも『西瓜』のラストの李康生を思い出してしまった。

狂乱のアメリカ(1932年製作の映画)

3.5

世界恐慌の社会不安の中撮られたにしては、どこかほのぼのとしていて、普通に面白かった。

グリード(1924年製作の映画)

4.0

歯科医が診察中に女に欲情するという映像に、武智鉄二の『白昼夢』を思い出した。金貨をフェティッシュ的に愛撫するトリナの腕が奇妙だった。シュトロハイム、恐ろしい映画監督だ。

ホース・マネー(2014年製作の映画)

4.5

国家と医療の二重の権力によってがんじがらめになったヴェントゥーラは、手が小刻みに震えている。それは薬の副作用であろうが、ヴェントゥーラの身体による微かな抵抗の意志でもあるのだろう。エレベーターで出会う>>続きを読む

トロピカル・マラディ(2004年製作の映画)

3.5

正直あまりピンとこなかった。アピチャッポン的要素が詰まっているのにもかかわらず、どこかアピチャッポンっぽくないというか。
もう一度観たいが、なかなか観られるチャンスがないんだよなあ。

ひろしま(1953年製作の映画)

3.5

冒頭40分でかなり疲れてしまった。君が代を歌いながら川に沈んで死んでゆく生徒たちの映像には衝撃。鎮魂曲のような伊福部昭の音楽。まだゴジラ公開前の映画。

フィーバー・ルーム(2016年製作の映画)

4.8

久々にアピチャッポンの世界に吸い込まれて、そして打ちのめされた。
最近、光とは力=権力(power)なんじゃないかと考えている。アピチャッポン映画において王様や兵隊が「光りの墓」に眠るのはそのためだろ
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ニッポン無責任野郎(1962年製作の映画)

3.5

たまに手ぶらで街を歩いていると、植木等的なマインドになることがある。植木等は何故いつも手ぶらなのだろう。

ドクトル・マブゼ(1922年製作の映画)

3.5

株価の暴落と高騰、贋金作りなど、金銭にまつわる混沌が印象的。1922年のマルク暴落時のドイツの暗く、そして猥雑な世相がよくわかる。ドクトル・マブゼの見開かれた眼、悪魔的な狂気、そしてツィ・ナン・フーと>>続きを読む

けんかえれじい(1966年製作の映画)

4.0

ありあまるリビドー、謎の師匠、勢いで切り抜ける大乱闘、そして聖母マリア。園子温の『愛のむきだし』と同じ滑稽さとエレジー。勢いで突き進む中にも目を見張る細部がたくさんあって楽しかった。

殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.5

ここまで炊飯器が前面に出てくる映画は、他に蔡明亮くらいしか知らない。

東京オリンピック(1965年製作の映画)

3.0

黛敏郎の音楽が面白くて最後まで見れた。2020年の東京オリンピックは本当に愚かな計画だと思うが、何だかんだ楽しんじゃうんだろうな。

新宿乱れ街 いくまで待って(1977年製作の映画)

3.5

「じきに新宿灰になる」と唐十郎が言った通り、ここに映されるのは灰だらけになった新宿の人々だ。酒飲んでセックスして喧嘩して寝る。灰が灰として堆積し続けられる街なのかもしれない。

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.9

いきものって
うらやましい
いきものめ
いきものどもめ

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.9

泣いてしまった。その後もしばらく思い出し泣きが続いた。
教会を出た後もずっと音楽が追いかけてきていたように、映画館を離れても、ラザロの涙が私を掴んで離さなかった。

ソドムの市(1975年製作の映画)

4.0

ゴダールの新作『イメージの本』でも引用されていたので鑑賞。
思っていたほどしんどくなかった。むしろ石井輝男の映画に詩情を加えたような映像で好みだった。
パゾリーニは少し間が抜けたような映像を撮るが、そ
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イメージの本(2018年製作の映画)

3.5

最初の「1 リメイク」に見られる、類似したイメージによる「押韻」の連鎖が良かった。おそらくローザ・ルクセンブルクの死を意識したであろう、川に人を投げ入れる身ぶりを通して、過去の映画の断片やISILの映>>続きを読む

黒い雪(1965年製作の映画)

3.5

武智鉄二のピンク映画は、若松映画にはない知性が感じられてかっこいい。演出が丁寧と言うべきか。米軍基地のジェット機の音でセリフがわざと消されたり、黒人の米兵をナイフで刺し殺すシーンは見事だった。ただ、若>>続きを読む

ノストラダムスの大予言(1974年製作の映画)

4.0

開発大臣は先日以来ノイローゼ気味でしたが、今日自宅を出る時突然、庭の高い木に登ったそうです。

「どんぐりころころどんぐりこ〜」

彼女と彼(1963年製作の映画)

3.5

子供のいないプチブルの主婦が、貧民窟の人々に「親切」以上の世話をする、まさにロッセリーニの『ヨーロッパ1951年』をなぞるかのような物語。冒頭の盛大に燃え上がる火事が素晴らしい。

ことの次第(1981年製作の映画)

4.0

ドゥルーズは『シネマ2』のなかで、時間は金銭であり、金銭は時間であると言っていた。だから映画が金銭に直面するということは、運動イメージが時間イメージに場を譲ることなのだと言う(107頁)。この映画で映>>続きを読む

ピクニック(1936年製作の映画)

4.0

川の流れは何故か不思議とずっと見ていられる。常に滑らかに動き続けているからだろう。川の流れに負けないくらい俳優たちの動きも滑らかで生き生きしている。アピチャッポンの『ブリスフリー・ユアーズ』の川のシー>>続きを読む

女学生ゲリラ(1969年製作の映画)

2.5

「女学生ゲリラ」という名前だけかっこいいが、映像は全然大したことない。穴の空いた赤い日の丸の旗もダサい。やっぱり映画的な才能は(若い頃の)若松孝二の方が一枚も二枚も上手。

白日夢(1964年製作の映画)

4.5

性的にも、演出の技巧的にも、素晴らしくド変態。谷崎の文学が文体や形式の次元ですでに変態であるのと同様に、この映画もまた形式や細部に光る変態性が見事。不気味に哄笑する猿や、ガラスにへばりついた蛾、口から>>続きを読む

キューバの恋人(1969年製作の映画)

3.5

黒木和雄はドキュメンタリー畑出身だけあってキューバの民衆たちの描き方は好き。祭りのシーンとか良かった。

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.0

ホセイン君のタヘレに対する熱烈なアプローチ、まるで「ダーウィンが来た」に出てくる野鳥のような押しの強さ。

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

5.0

地震で崩れた家々と瓦礫の山、そして少年。まさにロッセリーニの『ドイツ零年』を思わせる映像。しかしこの映画にはメランコリーをくぐり抜けて生き延びる人々の生命・生活の力強さ、頼もしさがあった。死後の生を生>>続きを読む

人間の約束(1986年製作の映画)

4.0

後期吉田喜重作品の中で一番面白い。前作の『戒厳令』で北一輝を演じた三國連太郎が、監督の次の作品ではこんなに不潔な老人になってしまうとは。汚く、正気を失ってしまった親たちに寄り添いたいけど生理的に受け付>>続きを読む

鏡の女たち(2002年製作の映画)

3.0

確かに説明過多な感じが否めない。画面に映るモノの過剰な存在感というか、いつまでも心の中に刻み込まれるような手に負えない異質さ(バルトならば「第3の意味」と呼ぶであろうもの)が、無駄な説明によって削り落>>続きを読む

無無眠(2015年製作の映画)

4.0

良い……孤独だが、不思議な幸福感がある。
一度東京を舞台にした長編映画を撮って欲しかった。

The Skywalk Is Gone(英題)(2002年製作の映画)

4.0

『ふたつの時 ふたつの時間』と『西瓜』の間にある蔡明亮の作品。李康生は時計売りからAV男優へと転職する。
道路を横断しただけで国家権力から身分証の提示を求められる。かつて時計を売っていた歩道橋という〈
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.5

「まんぷく」に出てきたナギくんが、この映画でも泣いていた。
秋山未痴夫役の青年が本人と驚くほどクリソツ。

明治侠客伝 三代目襲名(1965年製作の映画)

4.0

松田政男も絶賛した任侠映画。藤純子の鶴田浩二への情念がどエラく熱い。こりゃ惚れるのも仕方あるまい。

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