なんか、『ハリーポッターと賢者の石』みたいな雰囲気の映画だった。冒頭の、学校へ向かう汽車の中から始まり、個性豊かな先生たち、そしてトリック映像で消えるボールや紙に書いた絵が動き出すのも魔法っぽい。ちょ>>続きを読む
レニ・リーフェンシュタールを彷彿する運動の美学。ただただプールの中で泳ぐ人の純粋運動を眺めて、それに感動できるかどうか。
ジャン・ヴィゴはやはり水の映画監督なのだなと思った。ドゥルーズがフランス戦前派>>続きを読む
ニースについて。ニースの人々、生活、娯楽、カーニヴァルについて。
前半はジョナス・メカスっぽい市井の人々の記録映画、後半になるとロシア・アヴァンギャルドっぽい誇張された画面になってくる。
裸の女と足を>>続きを読む
今更ながら初めてジャン・ヴィゴを見たが、凄い映画だった。確かに凄い映画だったのだが、本当に凄い映画は見終わったあと何が凄かったのか言葉にするのが難しい。別に物語が面白いわけでもないし、物語に感動するわ>>続きを読む
キューブリック的なスタイリッシュな画面がカッコよかった。
死者をいかに正しく弔うかというアガンベン的なテーマもアクチュアリティがあって面白い。
ただ、ラストの短編は蛇足としか思えなかったのだが、あれの>>続きを読む
黄昏の映画。田中純『都市の詩学』所収の「チマタのエロティシズム」も併せて読むことをおすすめします。
アインシュタインがぐうかわ
クリストファー・ノーランの映画は、物理学の深遠な世界と歴史の数奇な巡り合わせについて思いを馳せざるを得なくなるので、いつも見たあと夜眠れなくなってしまう。
226事件について1953年の日本映画で言及されるのはかなり早い段階なのではと思う。
戦後東京の都市論映画としてとても面白かった。当時の東京都知事も登場する。
関東大震災、東京大空襲と、2度崩壊した後>>続きを読む
ちょうど昨日、駒場で田中純先生の最終講義を聞いたばかりだったので、田中先生がアビ・ヴァールブルクや磯崎新、ベンヤミン、デヴィッド・ボウイから読み解いた「方法」と、ゴダールのそれとがダブって見えてしまっ>>続きを読む
エンドロールのスペシャル・サンクスに鈴木清順の名があった。排水口からの射撃の方法は『殺しの烙印』から学んだのだろう。主への忠誠を誓う葉隠同様、ジャームッシュによる日本文化へのリスペクトがアツすぎる。も>>続きを読む
過去と現在、西洋と東洋、映画と演劇、生者と死者の境を容易に行き来し、境界が曖昧に乱れてゆく様が楽しい。曖昧に乱れた境目の中で、妖しく浮かぶ盆踊りの踊り子たちも良かった。
もちろん難しい映画だし、長くて>>続きを読む
先日『ダロウェイ夫人』を読み終えたばかりで、すっかりウルフの魅力に取り憑かれていたなかで鑑賞。
『ダロウェイ夫人』と同じく、朝に始まり夜に終わるプロットなのだが、人物関係がそれぞれ微妙に変わっていて、>>続きを読む
とてもあたたかいケアの映画だった。
弱みを打ち明けた者同士の親密な距離感がよかった。フィルムっぽい質感のちらつきも、明滅する星空のようで美しい。
なんとなく後期相米慎二を彷彿する暖かさだった。特に音楽>>続きを読む
ヴィクトル・エリセ数十年ぶりの長編映画はあまりにも悲しく、あまりにも美しかった。文字通り魂が震える。
ローラとの対話が1番グッときた。濱口竜介を思わせるような、座った人同士の端正なショット・リヴァース>>続きを読む
めちゃめちゃよかった。
男2人が温泉に浸かってるショットだけで最高だなーと思える映画は他には蔡明亮の『無無眠』くらいしか思いつかない。
ケリー・ライカートのホームビデオで撮ったような飾り気のないショッ>>続きを読む
ピエールの情緒が不安定すぎて物語についていくのがやっとだった。心変わり早すぎモラハラDV男で見ていてイライラする。
カメラ・ポジションと時間感覚が奇妙なのが面白かった。
ヒッチコック、安定の面白さ。
小鳥と爆弾という組み合わせ、なんかとても相性が良い。サスペンスと子供という組み合わせも相性が良い。
今の自分に必要な映画だった。
音楽の趣味がめちゃいいおじさんの「パーフェクト」な日々のルーティンがただただ美しい。丁寧だし、整っているのだが、ときどきかき乱される。
東京の街の解像度が高かった。平日の>>続きを読む
シュールで独特な空気感は、ルイス・ブニュエル作品の脚本も書いてるジャン=クロード・カリエールの存在も大きいのだろうか。恋人の姿が別の女にダブって見える演出も、『欲望の曖昧な対象』っぽい。
そして相変わ>>続きを読む
なんでそんなに詰めて車停めるん?という…笑 これまた細かくてスケールが小さくて面白い。
パリに住む子供部屋おじさんが恋活に励んでいたら、突然推し活に目覚める話だった。
コメディなのだが凄く変な空気感で、この変さは松竹でいう渋谷実の映画に通じるものがある気がした。
いろいろ諦めた男が最後に>>続きを読む
今年の映画納め。初めてのケリー・ライカート。
雰囲気はジム・ジャームッシュっぽいし、ストーリーや演出的にはゴダールの『気狂いピエロ』なのだけど、手持ちカメラで変なポジションから撮ったり、意欲的なフレー>>続きを読む
めっちゃアキ・カウリスマキっぽいなと思っていたが、年代的にカウリスマキより先なのか。
ドアの隙間などからフレーム内フレーム的に切り取られる構図が良かった。差別の対象が変わっただけで、依然として人種差別>>続きを読む
牛腸茂雄がすぐそこにいるような感覚。彼の撮った16ミリも素晴らしい。何度も見ることで味が出てくるような写真、週刊誌に載ったら誰にも見向きもされない「ギリギリ」の写真か。「なんでもない」ものがこんなにも>>続きを読む
悪人になりきれない山本富士子と、彼女をヒシヒシと責めてゆく岡田茉莉子。復讐に燃える岡田茉莉子の眼力がかっこいい。
シャンタル・アケルマンの尖りまくって殺伐とした日常もいいけど、アニエス・ヴァルダの柔らかくてアミカルな日常も良い。
画面の色合いがすでに柔らかくて優しい。綿でできているような柔らかさ。
前作の『ぼくの伯父さんの休暇』よりも好みだった。色彩が加わって、それも小津安二郎みたいな赤色のポイントがアクセントになっていて、お洒落度が爆上がりしていた。
すべて可愛い箱庭の中の出来事みたいで、煮干>>続きを読む
キッチュでグロテスクな中世日本。『アウトレイジ』のセルフパロディという感じで面白かった。
冒頭で、首のない胴体から蟹が出てくるところは鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』みたいだし、武士たちが堂々と同性>>続きを読む
楽しい。とにかく楽しい。
なによりアニエス・ヴァルダが楽しそうに映画を作っているのを見ているのが楽しい。
司法服を着た女性裁判官の話を遮って、あなたの司法服素敵ねと突然言うあたりに、黒柳徹子感を感じた>>続きを読む
たまたま何の気なしに見たが、蔡明亮みを感じる最高の映画だった。もっと国際的に評価されてもいいのではと思えるほどのレベル。
飲み屋の狭い空間と、そこで酔っ払ってくだを巻く老人たちの会話のショットから、不>>続きを読む
日傘のショットが出てきた途端に、この奥にいるのは岡田茉莉子に違いない!と思えるほどの吉田喜重オマージュな茉莉子様の登場シーン。ただ、全体の雰囲気は鈴木清順的な荒唐無稽でポップな世界観。意外と演技の上手>>続きを読む
当時14歳の宮崎あおいを「ユリイカ(発見)」したのは凄いと思うが、正直私自身が「ユリイカ!」と言えるような瞬間は特になかった。