床ずれさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

床ずれ

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川崎競輪(2016年製作の映画)

4.5

たまたま何の気なしに見たが、蔡明亮みを感じる最高の映画だった。もっと国際的に評価されてもいいのではと思えるほどのレベル。
飲み屋の狭い空間と、そこで酔っ払ってくだを巻く老人たちの会話のショットから、不
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エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

4.0

日傘のショットが出てきた途端に、この奥にいるのは岡田茉莉子に違いない!と思えるほどの吉田喜重オマージュな茉莉子様の登場シーン。ただ、全体の雰囲気は鈴木清順的な荒唐無稽でポップな世界観。意外と演技の上手>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

3.0

当時14歳の宮崎あおいを「ユリイカ(発見)」したのは凄いと思うが、正直私自身が「ユリイカ!」と言えるような瞬間は特になかった。

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

-

めくるめくボウイのサウンド&ヴィジョンに文字通り痺れた。
君も自分の人生の表現手段を絶えずチェンジし続けろよと言われたような気がした。

強盗放火殺人囚(1975年製作の映画)

3.0

「松方弘樹東映脱獄三部作」3作目。中島貞夫による前2作の勢いと熱量が圧倒的過ぎて、本作がかなりぬるく感じられてしまったのが残念。

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

3.5

キャリアのほとんどない新人女性がお堅いCIA長官にビンラディンの隠れ家を突き止めた可能性をプレゼンするときの無力感がリアル。ホワイトハウスのシチュエーション・ルーム内の会議も人間ドラマとして面白い。そ>>続きを読む

忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.0

メキシコの貧民窟のリアルな映像と、そこでの子供達の残酷で絶望的な現実には、イタリアン・ネオリアリズムを彷彿させるが、子供の夢の幻想的なイメージはジャン・コクトー的な幽玄さがあった。保護施設に入れられた>>続きを読む

この庭に死す(1956年製作の映画)

4.0

冒頭、暴動が起きているのにもかかわらず全体的に静かなトーンで、全編通してみんなから熱量が全く感じられないのはブニュエルらしい。
密林のシーンなど、かなり絶望的な状況に追い込まれているのに、あまり悲壮感
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奇傑パンチョ(1934年製作の映画)

4.0

パンチョ……😢
ならず者なのに親友マデロの言うことはなんでも聞く聞き分けのいいパンチョが可愛すぎる。
メキシコでのロケはハワード・ホークスが大部分を撮ったが、途中でMGMから解雇を言い渡されて、室内シ
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素粒子(2006年製作の映画)

3.5

映画自体は凡庸だが、久々にウェルベックの小説を読みたくなった。

荒野の用心棒(1964年製作の映画)

3.0

マカロニ・ウエスタンというのを初めて見た。命名者は淀川長治とのことだが、流石のセンス。イタリア人がスペインの荒野でアメリカの西部劇を作って、しかも元ネタは日本の時代劇から取ってくるとか、よく考えるとな>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

4.0

太鼓叩きながら人を殺すラストの狂った老人がホラーすぎる。
三船敏郎がかっこいいのはもちろんだが、なによりショットがどれもキマりまくってる。

チェンジリング(2008年製作の映画)

3.5

いささかポルノ的。有無を言わさず感動させられてしまう。ただ、サスペンスとしての宙吊り感は最後まで維持されていたのが良かった。

ママと娼婦(1973年製作の映画)

4.5

サンジェルマン・デ・プレのカフェ・ドゥマゴやフロールに行けばとりあえず誰かしら知り合いに会えるの羨ましいと思いながら前半は見ていた。30代無職でママ活してるジャン=ピエール・レオーが無邪気にレコードの>>続きを読む

レッド・サン(1971年製作の映画)

3.0

西部開拓時代の汽車で日本の使節団の乗っている車両が畳で和式に作られていたのに笑った。

ぜったい多数(1965年製作の映画)

3.5

ここで描かれる若者達に、いわゆる松竹ヌーヴェルヴァーグ的な真面目臭さや暴力描写が無くて、どちらかというと70〜80年代くらいのATG映画みたいな爽やかさがあった。

斑女(1961年製作の映画)

3.0

冒頭で流れる武満徹作曲、谷川俊太郎作詞の歌がポップで、和田誠のタイトルバックもめちゃお洒落だし、岡田茉莉子が軽やかに生きる軽妙洒脱なラブコメを期待していたが、中村登の描く女性達の運命がいつも悲惨で、笑>>続きを読む

舞姫(1951年製作の映画)

4.0

岡田茉莉子のデビュー作。なかなか見られる機会がなかったが、最近成瀬巳喜男の未ソフト化映画がいくつかDVD化されていて思わず購入。
まだ10代の岡田茉莉子の垢抜けない感じが良い。若き日の木村功も出演して
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ぼくの小さな恋人たち(1974年製作の映画)

2.0

見ていてかなりキツかった。
ブレッソンを多分に意識しているのだろうが、ブレッソンには必ずあった奇跡みたいな瞬間が蒸発されて、気色悪い成分だけが濃縮されたような感じ。

長恨(1926年製作の映画)

-

中島貞夫の『多十郎殉愛記』の元ネタ。目を潰された武士と共に逃げる女や、ラストの縄で縛られる主人公などそのまま。
高良健吾には悪いが、やはり大河内傳次郎のアクションと情念の方が圧倒的に凄みがある。

多十郎殉愛記(2019年製作の映画)

3.0

大島渚も、侯孝賢も、北野武も、老監督はみな最後は時代劇に行き着くのだろうか。。
東映京都出身の中島貞夫のモノホン感はあったし、高良健吾も『木枯らし紋次郎』の菅原文太に見えてきたけど、やはり価値観が古い
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.5

逃避行ものだけど、途中で仲間が増えたりするのがワンピースみたいでほのぼのとしてて楽しかった。

新・極道の妻たち(1991年製作の映画)

3.5

二代目の仏壇が置かれてある部屋があざといまでに美しい。庭にある桜の木と、夕焼けのライティング。

夜の片鱗(1964年製作の映画)

4.5

スチール写真に一目惚れして見に行った。
『青春残酷物語』や『日本脱出』を桑野みゆきの視点から見たような話。
何より成島東一郎のカメラが凄い。不意打ちで挿入される俯瞰ショットの残酷な眼差しは、のちの日活
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世界残酷物語(1962年製作の映画)

-

音楽が無駄に良いのが憎い。。
椎名林檎がカヴァーしてた「more」の元ネタがこれか。
パプアニューギニアの少数民族による飛行機崇拝とか初めて知った。
イヴ・クラインがこれ見て激怒して心臓発作で亡くなっ
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自由と祖国(2002年製作の映画)

4.0

僕の通っているフランス語学校の先生が好きな映画らしい。
9.11テロから1年後の2002年、映画はアメリカの旗と飛行機のイラストから始まり、次いでワールドトレードセンターと飛行機のイラストの後、飛んで
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やくざ戦争 日本の首領(ドン)(1977年製作の映画)

4.0

マーロン・ブランドを明らかに意識した嗄れ声を出す佐分利信に初めは笑ったけど、さすがは佐分利信だけあってかなり様になってる。ただ、ニーノ・ロータを明らかに意識した黛敏郎の音楽は笑う。
はじめはチョイ役か
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.5

肝心の鍵が、修学旅行のお土産屋さんで売られてるようなダサいやつだったのが致命的。

沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)

3.5

沖縄×ヤクザ映画の組み合わせは、『3-4x10月』や『ソナチネ』にハマってしまったものなら魅惑されざるを得ない。ただ、北野映画的な寡黙で静かな狂気ではないので、千葉真一や室田日出男の獣のように暴れ散ら>>続きを読む

木枯し紋次郎(1972年製作の映画)

3.5

「あっしにはかかわりあいのないことでござんす」。無関係性の美学とでも言うべき菅原文太の一人姿。陸から隔絶された孤島のイメージから、ジル・ドゥルーズの『無人島』などを想起してしまいたくなるのは、少しばか>>続きを読む

ジーンズブルース 明日なき無頼派(1974年製作の映画)

5.0

梶芽衣子にキュン死にしてしまうための映画。最高のロードムービーやんけ。。
渡瀬恒彦との最初の食事のシーンでの梶芽衣子のほんの小さな微笑みがたまらなく良い。
歩道橋からばら撒かれるお札、吹き飛ぶ小指、蹴
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懲役太郎 まむしの兄弟(1971年製作の映画)

3.0

ダサい、ダサすぎる。
だけど謎にめちゃくちゃ強い。そして地味に謙虚。だから、時間を追うごとに成長していって、ダサいのに最後はカッコよく見えてしまう。しかし、ジャイアン効果には騙されたくない。

実録外伝 大阪電撃作戦(1976年製作の映画)

4.0

松方弘樹と渡瀬恒彦が手を組んだ時の無敵感!『RRR』なんか見なくてもこれがあるじゃん。
ガラスのコップをバリバリ齧り、走る車のノブにしがみつく渡瀬恒彦の頭のイカれ具合と、相棒松方弘樹への煽りスキルの高
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現代やくざ 血桜三兄弟(1971年製作の映画)

4.0

荒木一郎の昭和の森山未來感が凄い。こんなに輝いてる荒木一郎を見たのは初めて。
ラストの殴り込みへ向かう一行たちの勢いが若松孝二映画並みにカッコよかった。孤立を恐れずヤクザ組織に刃向かう戦い方も、党派に
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現代やくざ 与太者の掟(1969年製作の映画)

3.5

志村喬が若い娘と楽しそうにパチンコで遊ぶのは、黒澤明『生きる』オマージュか?