アイスまいにちさんの映画レビュー・感想・評価

アイスまいにち

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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

泣いた。
傷を負い、痛みを背負った者たちの、優しさ。
クサクサ他人に当たるんじゃなくて、思いやりをもって、助け合って生きていくということ。
なんと優しい会社だこと。

劇的なドラマはないが、それが生活
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正欲(2023年製作の映画)

3.7

性行為の真似事からの、磯村勇斗がドンとガッキーに落ちる、抱きしめる。
いいなぁと思った。

明日も生きていることが当たり前だと思ってない、今日死んだっていいと思う人間の話で、
なんだ私のことか、と思う
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キリエのうた(2023年製作の映画)

5.0

開始1時間くらいから、涙が出るわ出るわ。
アイナちゃんの歌声がいい。映画館で観れてよかった。

イッコ(広瀬すず)の展開は既視感あるも、
いまそこに流れる感情にしっかりとフォーカスが当たることで、既視
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セフレの品格(プライド) 初恋(2023年製作の映画)

4.8

バツ2、高校生になる娘のいるパート30代女性が、かつての同級生とセフレ関係になる。

日常に少し不満はあるが、そこまで退屈ではない。友人もいる。根は明るい。
嫌なことは嫌だと認識でき、口にもでき、悪い
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無情の世界(2023年製作の映画)

4.5

③小村監督作品が、一番おおぉ!となった。
『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』と近いことを、もう少し生々しく描いていると思う。

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①唐田えりか氏は、やはり面白い役者だ。3作見終えて、圧倒的に
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海賊版=BOOTLEG FILM(1999年製作の映画)

-

この作品でカンヌに行ったそうだが「これで?」というのが正直なところ。

圧倒的な雪景色、喪服の主人公二人を際立たせる全編モノクロはいいと思うが、
続く会話、道中で出逢うカップルとのやりとりなど、どれも
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CLOSING TIME クロージング・タイム(1997年製作の映画)

-

夜、アルコール片手に観るのに、ちょうど良さそうな映画。
これが、小林政広監督処女作なのね。

ゆうばりグランプリ作品!と言われても、正直そこまで驚きもメッセージ性もないが、
あとからジワジワ、そういえ
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愛の予感(2007年製作の映画)

5.0

最高。
おかずを食べるようになったところで終わるかと思ったが、ちゃんと最後の見せ場があるのね。

常になんらかの動作があって、工場の謎の面白さもあり(ドア開けてゾロゾロ入ってくるとこ面白い)、長さは感
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彼方からの手紙(2008年製作の映画)

-

ついこの間、三宅唱『Playback』を観たばかりだったので、
あぁ、また時空が交差する感じか、と思うも、
なんだかいまいち瀬田なつきとは合わないなぁ、というのが正直。

他作品は『あとのまつり』『ジ
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

-

女たちが話し合い、意思を決め、行動に移す。

たったこの1行に集約される話ではあるが、
男に逆らって物を言うことのなかった環境では、
ここにいたるまでが、並大抵ではない。

切実な言葉の数々。
女たち
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Playback(2012年製作の映画)

-

観終わって「スタイル」という四文字が頭に残った。「文体」とも近い。

コンセプトや主題が、観賞後にほのかに薫ってくるくらいの、"観る"ことの純粋な楽しさよ。

20代後半で、こういうものを撮れてしまう
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怪物(2023年製作の映画)

3.5

特にラスト。
うまく最大公約数を目指して、ああいうラストにしたんだろうけど、"よくある綺麗なイメージのラスト" に思えて、なんだかなぁと。

安藤サクラと子役は、いい。

しかし瑛太と田中裕子には、い
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波紋(2023年製作の映画)

4.5

良くも悪くも、露悪的。
主婦のつらみをデフォルメして描いていて、分かりやすくはあるが、
全部が大仰で、もっと細やかな描写がほしくもあった。

あと、女のつらさばかりが目について、女性監督らしい作品だと
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.7

作家性…!!
商業作品にも関わらず、バリバリに滲み出ている。
光石研のぎこちなさ、一人で喋りまくる感じに、小津作品の人物の喋りを思い出す。

可愛らしい奥さん、娘、ローンを完済したマイホーム、勤続40
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TAR/ター(2022年製作の映画)

-

新加入チェリスト女性との、初めてのご飯の時のケイト様が、あまりにもパパ活おぢで笑ってしまった。
よくこんな えこひいきバリバリで、最高峰のオケのマエストロまで辿り着けたな、と思うも、
ジャニーさんの件
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

-

麦戸ちゃんが学校に来れなくなる理由、
"痴漢を見たが、そのとき自分は何もできなかった" を、あえて映像で見せず、台詞で語らせる。

痴漢シーンを映像で見せない心意気はとてもいいと思った。
ハラスメント
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

3.9

日常の反復に、ゆるく殺されていく感じ。
とは言いながらも、室内でも鳴るヒールの音。スタスタ歩く。パチっと付けたり、消したりする電気。家事をする手、身体の動きなど、
リズミカルなところがあり、飽きずに観
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茶飲友達(2022年製作の映画)

3.9

面白いと思った。

けど、脱線するけど、
孤立したミドルエイジ女性は、性風俗で"働く"しかないのか、と。
やっぱり男が買う方で、女は売る方なのか、と。
ミドルエイジ女性が買う、話も 見てみたいなと思
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別れる決心(2022年製作の映画)

-

あぁ、メロドラマ。
なんかこういうお話、昔の火サスとかで見たなぁ、という感じの。

カット割りの速さにぶんまわされるも、
結局語っていることは、なんか既視感のある話だなぁと思わなくもなかったり。

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

-

非常にミニマムだなぁと。

写すべきものが、適切な尺で、描かれているというか。
勝手に編集の大川景子さんって、杉田協士監督作品のイメージでいたから、
間とか、どう取っているのかなぁと興味津々で観たが、
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ふたつの時、ふたりの時間(2001年製作の映画)

-

大切な人を亡くした孤独、異国の地での疎外感にも似た孤独。
街はこんなにも開けているのに、他者はこんなにも私の周りを通り過ぎていくのに、夜 ひとりで寝るのは寂しい。
行きずりの人と体を重ねてみるも、やっ
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迷い猫/新宿♀日記 迷い猫(1998年製作の映画)

4.4

夫を殺した妻の、
娼婦のようになるところから殺人、その後の行動にいたるまでを、
記者との対話、からの回想で描く。

夫が夜勤を始めて、その帰りを外で待っていたところから始まる娼婦まがいへの道。
1日5
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神田川のふたり(2021年製作の映画)

4.2

溢れ出る多幸感。
長回しもコンビニのパントマイムも、
オレンジスウェットのおじさんもパオーンも、
そのいびつさがまるっと愛おしさになる、いまおかマジックが素晴らしい。

そしてもう、動く、動く。
自転
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

-

あみ子さんが、その行動によって
周囲の人の心を乱していることは間違いないのだけど、
本来 他者と関わるとは乱し乱される訳なもんで、

その影響力が強いあみ子さんへ、

父の取る、コミュニケーションの拒
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.2

なかば諦めの人生。
共に逃亡してた男が🔫されても、
行きずりの男に馬乗りされジタバタ逃げても、
酔った男たちのなかでムシャムシャ パン食うしかないんだよ!

情けないよで たくましくもある。

お花の
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

-

10代で観てたら、
きっとまた違ったんだろうなぁ、な作品。

仲良しだった人からのいじめ、
鼻につく子を徹底的にしんどく追い詰める感じ、
諦めの売春、
音楽だけが救いの日々

つらいことが次から次へと
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

-

再見。
エピソードは割と原作に忠実と思うが、
余韻があまり残らないか。
はたまた、岡崎京子のストーリーテリングが上手すぎるのか。

インタビューで、みんな自分の気持ちを語りすぎよ。
諏訪監督『Duo』
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イノセント15(2015年製作の映画)

-

小川紗良ちゃん、うまいなぁ。
家庭環境に翻弄されざるをえない少年少女のお話。
自主制作でがんばったんだろうなぁは伝わるが、
終わったあと『で…?』ともなる。

彼、彼女はつらい出来事に直面しまくるが、
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.2

中年リストラ男性、主婦、モラトリアム期の大学生、自ら思考し行動する小学生。

どこにでもある家族の話なのに、
社会に、世界に、こんなに広がりのあるものになるのだなぁと。

リストラされたことがバレない
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blank13(2017年製作の映画)

-

再見。
ストーリーはありきたりすぎるが、
俳優陣の魅力によって支えられていた。

前半の神野三鈴は勿論のこと、
後半の佐藤二朗、マジックのおじいちゃん、川瀬陽太など、楽しい魅力的な人たち。

ただ後半
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

-

女性が遭遇せざるをえない問題が、もうてんこ盛り。
だけど決して誇張ではなく、これがナチュラルに存在しているんだよね。

泣いた。そして母にも勧めた。

すばらしき世界(2018年製作の映画)

-

男の子の急な狂気、「ハァ?」という時の目の感じがすごい。

たとえ理不尽だろうが、親の決めたことに従わざるを得ない時もある子ども時代。
ボートの上で、女の子とエッチしようとできる大胆さを忘れずに、どう
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明日の食卓(2021年製作の映画)

4.2

10歳の息子をもつ母親3人の家族模様。

夫たちの家庭への向き合わなさ、妻が家庭を守っていかねばならない暗黙の感じが、
いまだ根強く残る男女の不平等さを突きつけられているようで、苦しい。

それでも子
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ヴァニタス(2016年製作の映画)

4.3

大学生4人の背景にある各々の秘密を匂わせ、
「なんだ?」を持続させながらの孤独感。
バスケをしながらの、心の距離感。
本音は話せなくて、お互いに分かり合えないと思ってしまう感じ。
1999年という時代
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草の響き(2021年製作の映画)

4.2

函館のロケーションが素敵。
どこにでもあるようで、きらりと光る風景たち。

走る、走る、走る。
自分の足で、スケボーで、スクーターで。

東出くんの危うい魅力に支えられていた。

終盤、病院の飲食スペ
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受取人不明(2001年製作の映画)

-

たしか凄まじい脚本の群像劇だったよなぁ、くらいの記憶で再見。

見終わった後は、各々の人物の辿る道の哀しさにグッタリするも、
情け容赦なく描き切る凄さ、
の中に ちょいちょい散らされる家族愛、幼なじみ
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