山田森氏さんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

山田森氏

山田森氏

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ワイルドツアー(2018年製作の映画)

5.0

今年の暫定ベスト。目線の演出が物凄く豊か。子供たちの視点(子供たちが撮ったiPhone映像)を通して幼少の頃に誰もが味わったであろう未知の世界に対するワクワク感を我々鑑賞者に追体験させるという圧倒的な>>続きを読む

XYZマーダーズ(1985年製作の映画)

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大袈裟な演技、誇張しすぎたギャグ表現、あからさまなご都合主義などなど映画的な嘘が随所に散りばめられててむちゃくちゃ楽しかった。割と最近の映画はリアリティラインが高くてこういう嘘っぽかったり大袈裟な表現>>続きを読む

藍色夏恋(2002年製作の映画)

5.0

橋口亮輔監督の渚のシンドバッドと並んでLGBT青春映画の傑作
とにかく主演の女の子が可憐で美しい。浜辺で彼女が立ってるショットだけでもう映画的な多幸感に満たされた。
あと夜のシーンが全部良くて、なんか
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

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変な映画だった。脈略がなくシーンがポンポン飛んで登場人物達の詳しい状況の説明がないまま物語が進行していく。一見不親切に見える作劇でありながら、観てる側は登場人物達の状況をその身なりやら言動やらで脳内で>>続きを読む

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

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多分凡百の映画監督なら主人公のどうでもいい葛藤と適当な現地の人との薄っぺらい感動の交流とか描いてなんかソフトな良い映画風を装うしか出来ないだろうぼんやりとした題材をエンタメ旅行映画として見せきる黒沢清>>続きを読む

Tu dors Nicole(原題)(2014年製作の映画)

5.0

素晴らしかった。一つの一つのシーンが純映画的な快感で満ち満ちていた。シーンとシーンで韻を踏むかのように登場人物が同じアクションをする(ロッカーの鍵開けから自転車の鍵開けへ)のも気持ちよかったし、単純に>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

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劇場で観る気なんてさらさらなかったけど、ツイッターでフォローしてるMCU好きが軒並み騒いでたので騙されたと思って鑑賞。
正直騒ぐほど傑作じゃねぇってのが感想。ただゼンデイヤMJが個人的に過去最高のMJ
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主戦場(2018年製作の映画)

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とにかく日本に住んでる人は全員観た方がいい。
第二次世界大戦時の慰安婦問題に対して左右両方のインタビューを交互に観せていくんだけど、歴史修正主義者達の発言がかなりのサイコパスだった。
杉田水脈とかいう
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

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超面白かった!フィクションとドキュメンタリーを混ぜ合わせた作劇がむちゃくちゃ秀逸で今まで観たことのない映画だった。強奪シーンのグダグダ具合とそれでも一心不乱に事を行う登場人物達にむちゃくちゃ笑った。人>>続きを読む

シャザム!(2019年製作の映画)

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辛気臭くなりそうな題材をパリッと軽やかなコメディにしてるのが好感持てた。キャスティングが絶妙だった

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

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笑えるか笑えないかギリギリの超過激な人種差別ネタをこれでもかとぶち込んで来て、ここまでしなくてもって半ば呆れながら半笑いで観てると最後の最後に冷や水をぶっ掛けられた。ここまで過激に批判する必要があるく>>続きを読む

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

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まさに大円団。本当にリアルタイムで細々とだけどMCUを追って来た甲斐があった。最後にこんな最高なご褒美が待ってたなんて。

今作は過去作の中でも特に脚本のプロットが練りに練られてるなっていうのを強く感
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

5.0

立川シネマシティ極上音響上映にて

久しぶりに観て音の演出の素晴らしさに感動した。海水浴場のシーンで雑踏の音がうるさく鳴る中、徐々にその音がフェードアウトしていってそこからジョンウィリアムズのあのゾク
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

5.0

見終わった後で冷や汗が止まらないくらいぞっとした。こんな誰にでもありそうな簡単な発想や好奇心であんなおぞましい事をやってのけてしまう人間自体に恐怖を覚えた。この作品が物凄く良く出来てるのは普通は狂った>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

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面白かった。冒頭で主人公が画面の奥に向かって走っていくショットですでに泣きそうになった。働いて対価を得る事の喜びをちゃんと描いてる事が素晴らしかった。主人公の唯一の心の拠り所が失われた直後、先の見えな>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

5.0

全編役者達の表情や動きその他諸々の演技が素晴らしかった。演出ってのはこういう事だよなとずっと唸られされっぱなしだった。特に白眉だったのが夜のコンビニでのシーン。本当に何気ないシーンなんだけど、多分何度>>続きを読む

ハロウィン(2018年製作の映画)

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面白かった。ジョンカーペンターの一作目はマストで観とかないと駄目。B級精神に貫かれた良い塩梅の演出の軽さやテンポの良さが小気味良かった。
年季の入ったジェイミーリーカーティス演じるローラが出てくるだけ
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かぞくへ(2016年製作の映画)

5.0

素晴らしかった。色々な出来事が起きるんだけど、そのどれもが登場人物達の関係性の変化に直結するものばかりでドラマが加速度的に盛り上がっていく。
登場人物達の出自や背景なんかも全然説明的なセリフなしにサラ
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

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面白かった。とにかく中盤の路上ライブのシーンが素晴らし過ぎる。それまでの話でモヤモヤしてたものがここで一気に解放されるカタルシスがあった。このシーンで夕景をバックにしのかよがミッシェルガンエレファント>>続きを読む

ハピネス(1998年製作の映画)

5.0

勧められたので鑑賞。むちゃくちゃ面白かった。みんな大好きフィリップシーモアホフマンのベストアクトはこの映画だと思う。セックス電話を掛けまくる非モテなデブをこれ以上ないくらいに好演。オナニー後の精液の使>>続きを読む

魂のゆくえ(2017年製作の映画)

5.0

まごうごとなきポールシュレイダーの映画。自らによるタクシードライバーの新たな書き直しみたいな作品だった。ヤバい領域に踏み込んでいっちゃう人間の感情を丹念に丹念に描き切っている。

全編ほぼ固定カメラ=
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恋は緑の風の中(1974年製作の映画)

5.0

2019年の今までなぜかビデオ、DVDが出てなかった伝説の作品。
素晴らしかった。思春期真っ只中で性欲が芽生え始めた頃の少年少女達の複雑な感情を描き切ってる。
あと増村保造の大地の子守唄もそうだけどこ
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最後の審判(2019年製作の映画)

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面白かった。まず題材が面白いし、キャラも全員立ってるし、5浪の美大志望の主人公を取り巻く関係性もちゃんと描けてた。
すでに理系大学に通う弟との対立や芸大入試での天才に対する複雑な自意識や葛藤をカメラ目
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トーキョーカプセル(2018年製作の映画)

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冒頭のいろんな人達がカプセルルームの中で朝支度をしている所を横移動のカメラでずっと見せていくショットが良かった。あと清掃のおばちゃんの嫌味ったらしい会話もリアルで良かった。でも良かったのはそこぐらい。>>続きを読む

パンクしそうだ(2017年製作の映画)

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面白くなかった。まず主人公の葛藤が弱くて全然感情移入出来なかった。別に仕事やりながらでも趣味でバンド出来てるからいいじゃん、何が不満なんだよって思ってしまった。冒頭の主人公が赤い髪を切るとこに悩むくだ>>続きを読む