時番人さんの映画レビュー・感想・評価

時番人

時番人

レンブラントは誰の手に(2019年製作の映画)

4.0

レンブラントの描き方、絵画の購買にとりつかれる人、絵画と家族のように暮らす人、絵画研究家、仏vs和蘭美術館の取合い、名家子息の無邪気さとやっかみ。レンブラントの価値をめぐる素晴らしい実録作品。

宮松と山下(2022年製作の映画)

3.8

香川さんが、『超』細かい演技で、記憶を失った男を演じきる。

斬られ役のボヤキと、心の区切りをバッサリつけるような終わり方…とても良かったです。

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

3.5

映像美や構成は星5。男が思い出の中に深く深く迷い込み、夢幻で自身を慰める秀逸な作品。

この作品をなぜ3.5だと感じるのか?

男は思い出の登場人物の個性を、幻の中で受け入れていく。だがこの男の個性が
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宋家の三姉妹(1997年製作の映画)

3.7

清王朝後、孫文→蒋介石→毛沢東 と、中国のトップがいれかわる。宗家姉妹は、大富豪(長女)、孫文(次女)、蒋介石(3女)に嫁ぐ。

あの時代に、女性が個性をしっかり前に出し、プロパガンダとなる。それは男
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柄本家のゴドー(2018年製作の映画)

3.2

NHKの特番を観ているような…柄本家の兄弟、親子が感じとれる。私は父のファンでして、父の凄さに改めてニンマリ。息子たち、まだまだだね…なんて、誰目線? で楽しみました。

かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.0

小学生以上と働くママがいるファミリー向け作品。事情を抱える中学生たちが『謎』の鍵を探す。冒険に巻き込まれながら、親はどう寄り添うのか? 子供はどうSOSをだすのか? を考えられていいです。

カウンセ
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嵐電(2019年製作の映画)

3.3

もどかしい恋心と、妄想を拡張する不思議な列車。ウェイトレスと俳優さん、二人のキスシーンがリアルで、ひきつけられました。地元を知ってる人だけがあ!てなる感じの嵐電ノスタルジー。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

時間の魔術師ノーラン。最初混乱しかけたが、あえて時系列や登場人物の整理を辞め、音と言葉、表情に身を任せると、主人公や周囲の苦悩がなだれ込み、自身の生き方へ対峙させられる。知らないで喜べるのと、知ったか>>続きを読む

アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.9

いきなりフルスロットル! 目が離せない展開。前半は犯人あてにいそしんだが、どんどんどんどん内容が歪みはじめ……。面白い展開でした。

弟とアンドロイドと僕(2020年製作の映画)

3.9

江戸川乱歩風味のロボット溺愛映画。自己愛がテーマかな。なんらかの障害ある男が脳と心の穴を埋めるためロボットを作る。理解されにくい人は同時に周囲を理解することも難しく、孤独の中でもがく。

「孤独」の反
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

3.9

監督走馬灯映画(ニューシネマパラ的な)。落とし穴に落ちる時、母や青春、恋の思い出が、再生のきっかけを与える。お手伝い、仲間、主人公、彼を思いやる存在がいても、その暖かさに気づけない。

自伝混ざってる
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.1

光と影が混ざり合って人はできている。ゆっくり歩めず暴走する主人公、身構えて親身にならないケースワーカー、糖尿や裏切りで実はボロボロのえらそな人、誰かを笑ってストレス発散しながら根気のいる仕事をする人…>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

前作は序章、今回からが本番で、気持ちはワームの背中に乗せられ、グイグイひっぱられました。別SFのよな可愛さもゴテゴテもネチョネチョもない、砂の惑星が引き立つ、シンプル仕上げがよし。エピソード1でも思っ>>続きを読む

東京原発(2002年製作の映画)

3.3

役所広司は道化師(都知事)役。3-11前の原発反対派の言い分を羅列。原発事故後の今観ると、より複雑にささる。終盤展開は王道すぎて醒めてくるが、ラストシーンは好きだと思った。

OSLO / オスロ(2021年製作の映画)

3.7

パレスチナの情勢を知ってればより楽しく、知らなければ少し勉強になる作品。ノルウェーの民間人夫婦が、パレスチナとイスラエルの和平交渉を勝手に始める奇跡のような実話。

ザ・シークレットマン(2017年製作の映画)

3.3

(別作品でディカプリオが演じてた)フーバーFBI長官を支えた副長官が、フーバー死後、ニクソン大統領とどう戦ったか、の話。家族関係も含めかっこよくない展開がリアルで面白かった。

ノイズ(2022年製作の映画)

3.1

ミッドサマー的な島の閉鎖性ゾクゾクもの+永瀬正敏、松山ケンイチ、神木隆之介…黒木華等…名優のたたずまい合戦は◎ どんでん返し、チョーっとくどかったかなぁ。

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.5

演技だけでひきつけるシンプルさ。相手の出方を探り合う青春♪ かっこつけてたら大事なことを逃すが、言い切れるほどの自信はない。努力途上の青年たちは後悔を選ぶのか、努力を選ぶのか?

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.1

寿司職人の格好をしてるプレスからは思いつかない、内戦国から逃げてきた移民のシビアなお話。助けてくれる人、いじめる人、助けられない人…フィンランドは福祉先進国だと思ってたが、現実の厳しさはいくらでもある>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.8

小津風味のカリウスマキの労働三部作。不器用な男性の恋物語。ごみ収集やレジ係…The労働者階級の人々が登場。夢をみたり、傷ついたりしながら、理想の暮らし(パラダイス)を考えさせられる。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

哀れなのは性と嫉妬に支配される男なのだ。誰に媚びるでもない性の真実、男性社会が女性を閉じ込めようとした歴史?が学べる。美術も独創的で素敵。これが男性作家と監督の作品ってのが更に素敵☆

監督は、聖なる
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伯爵(2023年製作の映画)

3.9

クラシカルな吸血鬼映画が好きです。最初の3分の1は眠くなりましたが、中盤から遺産相続争い、嫁や執事との関係、そこへやってくるジャンヌ・ダルク会計士。どんどん引き込まれ、クラシック吸血鬼全部盛展開に、興>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.9

「アメリカを敵対する国は多い」
9-11にさらされた米国民にとってより深い映画に違いない。「助ける」の線引き、対話による理解を細かく描く。「フレンズの最終回を観たい!」と渇望し続ける娘がオチになってい
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.9

職人的カンフー女優が脚光を浴びたことは嬉しい。SFとカンフーの合わせ技もいい。

だがしかし、下品までいかず、馬鹿馬鹿しいに留めて欲しかったなあ。

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.3

刑事なのに? から始まり、連鎖的ジェットコースターは楽しかった。

(2023年製作の映画)

3.5

あははは オチを知っても知らなくても、おもしろい話!

白鳥(2023年製作の映画)

3.4

切なさと愛しさと心強さを感じました。映像はもちろんよき!

バビロン(2021年製作の映画)

3.7

ハリウッド創世記を聖書のバビロンのごとく描いてる。映像は美しく、畳み掛ける内容は圧巻だなと思うも、女優の下品設定で好みが分かれそうなのと、有名映画のラストをなぞったようなシーン。何かが惜しい…と感じた>>続きを読む

Ribbon(2021年製作の映画)

3.0

コロナ化の就活美大生が、憤りを吐き出す映画。

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.0

バーンスタインは対面する人をすぐ理解し、愛せる人。だから誰もが彼の愛を欲しがる。そんな彼を理解し、寄り添う妻。彼女は奔放さに喰らいつきながらも、年齢とともに疲弊する。

彼の姉は、弟夫婦を理解し、良い
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.7

原作がチャリチョコのロアルド・ダールだから、もう十二分におもしろいけど、ウェスの語り口調展開がびたっとはまって、とても良かった。

私もインドで修行をしてた身なので、この話は本当な気がしてしまってる。
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.0

ニューハーフと暮らしたことありまして、リアルでした。定期的な注射、みんな体調悪くて、精神不安定。身体をいじるか悩んでて、でもいじったら更にメンテナンスで苦しんで。卑屈さとか、みじめさとか。草なぎ君がそ>>続きを読む

アザーズ(2001年製作の映画)

3.5

幽霊屋敷もの。トムクルーズ出資で当時離婚寸前?の奥さんニコール・キッドマンが主人公。やたらに、ニコールが怒ってて、顔圧がすごい。お手伝いさんたちが本当にいい味を出してる。

最近のドラマでクリソツな話
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.4

ティム・バートンよりもフレンドリーな感じ。30年以上前はビデオでもなかなか手に入らなくて、すごく探して観ました。

原作か好きで、これ観て、もっと夢チョコが好きになって、ティム・バートン版で、さらにチ
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