アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

On Your Mark(1995年製作の映画)

3.3

天使の存在が死ぬほど80年代なんだけどこれ90年代に撮ってんの?!

紅唇罪あり(1933年製作の映画)

3.5

コスミック出版はこのタイミングでリリースするならオリジナル版を出してくれよ!
とはいえバーバラ・スタンウィックの蠱惑的な笑み(こんな笑い方するんだ…)とか扉や鏡の使い方とか巧さは一部でも堪能できる。

愛の終焉(1944年製作の映画)

3.1

もーコッテコテの舞台原作って感じだが、ベティ・デイヴィスとクロード・レインズの再会シーンは流石に良く撮れている。
撮影が『何がジェーンに起ったか?』のアーネスト・ホーラー。40年代で既にデイヴィスを怪
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

2.7

曲のゴリ押しが感傷的すぎてイマイチ。
被写体との距離のとり方がまだ掴めてない印象を受ける。

私は彼女をよく知っていた(1965年製作の映画)

3.7

軽快な語り口をオチが台無しにしている…がそんなことよりステファニア・サンドレッリがとにかく美しい…。タップやらされてた老俳優に誘われるときの横顔のショットなんて絶句する。
ボクシングの試合帰りに深夜の
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薔薇は何故紅い/薔薇はなぜ紅い(1935年製作の映画)

3.6

南北戦争の大家族もの。
戦火で荒廃した牧場のショットが強烈。
ラストの森の木漏れ日へ駆けていくマーガレット・サラヴァンは死に誘われてるような凄みがあって興奮した(ハッピーエンドなんだけど)

サタンのラプソディ(1917年製作の映画)

2.8

この時代にはこれが限界!かもしれないとはいえ、染色が汚すぎる…。
サイレント期の欧州女優にありがち…でヒロインが全然好みじゃないのだが、ベールをまとう時の不気味なライトアップと鏡の使い方にはゾクゾクし
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ブリガドーン(1954年製作の映画)

3.7

セットと撮影が一級品のファンタジー映画。霧の深さが素晴らしいし、冒頭の村に朝が訪れるシーンは見事な「映画の始まり」。
『バンド・ワゴン』に続きシド・チャリシーは赤がよく似合う!

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.5

23年内に見られなかったことを悔やむ大傑作。
奥行きを活かすためのスタンダードサイズかと思うが、仲買商宅を召使いが見回る際の扉と窓が最も素晴らしい。淡いろうそくの明かりに照らされる室内巡りから窓の奥を
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・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・(1988年製作の映画)

3.5

むせ返るようなバブル臭!
スクランブル交差点での口論から車3台に囲まれるくだりめちゃ良い!
犯行を見られて追いかけてきたコンビニ強盗が人知れず車に轢かれるので吹いた。このくだり丸々いらんだろうに。
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喜劇 競馬必勝法 大穴勝負(1968年製作の映画)

3.2

ラストの高架線路上での並走がよく撮れてるのだが、谷啓の運動神経が全然良くないのであまりスリルが出てこない。

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

1.7

異界(魔女の家)に入門したときのワクワク感がまるでないのを筆頭に、全編起伏に乏しい。『ハウル』オマージュを重ねるならそれこそ空中歩行のシーンのようなワクワク感を与えてほしかった。
EDイラストがめっち
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拳銃を売る男(1953年製作の映画)

4.5

牛乳を盗んだ少年と人を殺した男のネオリアリズモ的逃避行。ボロ泣き。
ポール・ムニのやりすぎない張り詰めた演技(パンを盗み食いする瞬間のすっとぼけた反応!)とヴィットリオ・マヌンタの純粋な瞳の麗しさ!こ
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三月生れ(1958年製作の映画)

3.6

まじで増村保造。ジャクリーヌ・ササールが途中から野添ひとみに見えてくる。
夫婦喧嘩→仲直り→夫婦喧嘩をえらいスピードで何度もこなしていくもんだから何で揉めてるのか分からなくなってくる。路駐されてる車や
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さらば愛しき大地(1982年製作の映画)

3.3

限界田舎生活映画だが田園風景が広く美しく撮られており、確かに台湾映画っぽさがある…。
ポン中のろくでなしが愛人殺しても周囲はさほど気にせず人生は続く…というのがナチュラルに撮られてて中々。

ヒート(1995年製作の映画)

4.3

新作に期待しての再見。
会話劇も銃撃戦も激渋な漢の映画。さいこー。
特に銀号強盗後の路上での銃撃戦の空間処理が上手すぎて泣く。

泣き濡れた春の女よ(1933年製作の映画)

3.9

トーキー一発目で『マリヤのお雪』のような和製ウエスタンを撮っていることに驚愕。
どんなに明るく希望を持とうとするはなしをしていても証明は不穏なほど暗く、役者はほとんどシルエットでしかない画面もかなり多
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緋文字(1972年製作の映画)

2.5

無駄に荘厳なBGMで文芸感をゴリ押ししてくるの草。

おれは侍だ! 命を賭ける三人(1963年製作の映画)

4.0

『人生劇場 飛車角』以降のシリアス一辺倒なモノクロ時代劇の一つ。この頃の沢島作品はなにか得体のしれない凄みがあって好みなのだが、これもまた傑作。
「命を賭ける三人」は江原真二郎でなく西村晃をカウントし
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山家の娘(1913年製作の映画)

3.5

大自然で転げまわるメアリー・ピックフォード讃歌。

江戸の名物男 一心太助(1958年製作の映画)

3.6

新年一発目は景気の良い映画を…ということで沢島忠の一心太助シリーズ第一作を。
わりとすぐ彦左に泣きつく太助が後の作品群からは意外な印象…。大家に賃貸を断られて彦左と共に押しかけるくだりのスピード感にワ
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東京の合唱(コーラス)(1931年製作の映画)

3.6

汗だくになって子供の尻を叩く岡田時彦。小津の暴にはいつも驚かされる。
病気の娘のために家財を売り払ったことが判明してからの一家揃っての手遊びが素晴らしい。家族の再生がじんわりと染み渡る時間の描き方が眩
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ムーミンパパの思い出(2021年製作の映画)

4.0

OPアニメーションによる雰囲気作りからバッチリ。
そもそも原作の傑作エピソードの映画化なので外すわけがないのだが、とにかく台詞回しが良くてうっとりする。「この旅は始まりを見つけるための旅だったの」…。
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.1

アクションいっぱいで結構良かった。序盤の水道管周りの見せ方にはワクワクしたけど、ここがピークだったのは残念。
スマブラ以降のイメージや最近のポリコネ思想のためにピーチ姫がバリバリ戦える師匠的キャラにな
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.7

フレーミングがめっちゃ面白い映画。
ロバが窓から顔を出して雪景色へパンしていく冒頭から痺れる。飯食ってる様を鏡で映しながら横の窓では外で作業している家族が映り込んで…と豊かな画面構築が頻発する。
途中
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.4

義兄弟が成り上がるためにやばい仕事をやっていき…ってホントに『まむしの兄弟』的エッセンスじゃん!仕事始めの運転でイケイケな音楽流したり仕事中に発作起こして弟呼ぶのもそれっぽい。盗んだドラッグでこっそり>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.5

オスカー・アイザックとティファニー・ハディッシュがカラフルなライトに包まれた花道を歩くシーンの堂々たる撮り方に妙に感動する。
オスカー・アイザックが刑務所で向いの席の男のオカズを奪るくだりが面白い。こ
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大いなる夜(1951年製作の映画)

4.2

ガキが銃を持って一晩さまよう一夜成長モノ。ハワード・セント・ジョンが店を訪ねてきたときの只事ではない緊張感!
一夜モノを成立させるためにジョン・バリモア・ジュニアとハワード・セント・ジョンを出会わせな
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アンダーワールド・ストーリー(1950年製作の映画)

3.7

ダン・デュリエ(義に目覚めるきっかけも)が少し弱いが、ハワード・ダ・シルヴァの悪漢ぶりとガー・ムーアのバカ息子ぶりがとても良い。方向性は違えど両者ともに特筆すべき悪役像。素晴らしき階段落ち!
ガー・ム
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.0

カメラ位置が悉く良い。ミシェル・ウィリアムズが帰ってくるまでの動きを二階のベランダからワンショットで捉えるくだりなど圧倒されてしまう。巨匠の映画。
個展で家族喧嘩勃発のひりつきを羽ばたく鳩でスルッと収
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

完全に期待通りの一本で安心した。
スーパーを首になって同僚と別れるとき、アル中扱いされて憤慨しながら家を飛び出すときと、人の画面からの消し方が素晴らしい。二人が一緒に歩く姿をようやく収めて〆!王道ロマ
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

4.3

異常をきたす光石研に違和感を抱く周囲の反応が素晴らしい。光石研は変調を自覚しきれないためにズレが生じるのだが、これが見事なスリルを構築している。
光石研が吉本実憂の定食屋で会計を忘れるくだりだが、咎め
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

3.6

CGの出来も相当だが何より今どきこんなに真っ直ぐな少年成長譚をやっているのが嬉しい。電車で遠方へ去る仲間をチャリで並走して励ますなんて…!
タイトルの出し方は今年一番カッコ良かった。

くちづけ(1957年製作の映画)

3.3

再見。
バイク二人乗りの強烈なスピード感が良い…が「センスのある作家の瑞々しい処女作」の範疇は外れない。むしろこの次に『青空娘』『暖流』と撮ってしまうのが桁外れだと思う。