缶々さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

缶々

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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ポランスキー...

背後から撃たれ、俯伏するように倒れた女性。彼女は祈るように蹲り再び動くことはない。死の近さ(唐突さ)を描きながらもこのシーンだけはあまりに映画的に見せた。見せつけた。作中のすべて
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

抑圧されるがロマン主義で意志の強い母と、屈折した感情を持ち「子ども」から「女」へと変わりつつある娘。コントラストに目が眩む。

エイダの意志の物語であり、その強度と激しさがすごい。
そして娘(フローラ
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湖のランスロ(1974年製作の映画)

3.5

絡みつくのは神ではない。人だ。しかし複雑怪奇にもつれ私を繰り人形のように動かすこの無数の糸は神の御業に思えてならない。

少女ムシェット(1967年製作の映画)

4.5

象徴性を排した行為が物語の終わりを告げる。

とても良い。とっても良いのだ

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

聖なるロバと交わった瞬間に彼女もまた聖へと近づく。状態としての聖性は開かれているがゆえに脆い。

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.5

剣と盾。鉄が衝突し生まれる甲高く、脳に響く金属音。甲冑からは鉄の衣擦れが漏れ出る。馬はパカラパカラッのような軽快さではなく、大地を踏み抜くような低音で駆ける。

「音」が桁外れに良い!変態だろ!ある時
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(1965年製作の映画)

4.5

純粋に映画の面白さと出会う。
タランティーノやイ・チャンドン、ポール・トーマス・アンダーソン、エミール・クストリッツァを初めて観たときのような、スクリーンから目を離せず純粋に魅入った、あの至極の瞬間が
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田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

3.5

我らを導くものもまた盲目であるならば…如何に信じられましょうか。正しさに、救い、あなたの存在さえをも。

乱暴者(1952年製作の映画)

3.5

ニワトリは鳴いてるんじゃないわよ、あんたを嘲笑ってるのさ。

ざくろの色(1971年製作の映画)

4.0

言葉不在のまま強烈に映像だけが頭に焼き付いている。

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

4.5

何となく悔しいけどやっぱりかっこいい。構図がとにかくきまっているし、カセットから流れるジェイ・ホーキンスの痺れる声と彼を「my main man」と呼ぶエヴァのクールなスタイル。

周囲にハンガリーか
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.5

前衛的スタイリッシュジャパニーズフィルムノワール

車から降りた時の射撃体勢の素早さ、趣向を凝らした暗殺方法が面白い。後、宍戸錠のほっぺたぷっくぷく。何の感情もなくひたすら膨らんだほっぺたが一番クール
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スワロウテイル(1996年製作の映画)

4.5

妖しくも透き通った独自の色調が、夢と現実が暴力的に入り混じったYEN TOWNを包む。

セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

知力とパセリ!!
パセリと知力!!

思ったよりもキュートでファンタジーな作品。夢の世界が便宜的で楽しそうだった。

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

彼の求める新たな奇跡は未来を志向していない。ソラリスの虚像であると分かっていても、過去の囚人である自己が救済される現象を求める。彼はエディプスコンプレックスを越えられない。全くもって救いようがなく恐ろ>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

4.0

浮雲のよすがが浮雲であったのなら、たゆたう二片の雲をどうして繋ぐことが出来よう。

浮草(1959年製作の映画)

4.0

杉村春子とフランシス・マクドーマンドは少し似ているかもしれない。

特攻大作戦(1967年製作の映画)

3.5

ジョン・カサヴェテスは監督としても素晴らしいが、やはり俳優として唯一無二だなとしみじみ思う。

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.5

こうも会話のリズムだけで魅せられてしまうものなのか。