燃え上がる火が絶えず形を変えるように、カメラが捉える画も端役から端役へと移る。主役のように描写されないが個として存在していること、その中に炎のような感情があることを一瞬で示す。あらんかぎりの生の露出>>続きを読む
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爺にとっての光が彼にも同様に視えたことが悲しい。
彼の罪は島に来たことでようやく罪となったので贖罪の灯とするならば滑稽。罪の意識による妄執ならばなおのこと。狂人のいない人間的な映画、古典であれば傑作で>>続きを読む
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爆発したアニマの輝きが去り、喋らぬ弾痕と変わらぬ人間のみ残る。
不変な宗教描写に憂いていたところ、別のステージに昇る流れが新しかった。正拳はとてもテンション上がった。
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可能性を残しているとはいっても、最後(最期)だけは見せて欲しくなかった。可能性に満ちた幻想が一気に死んだ。絶対的な一線があって、それを越してしまうと物語がフィックスされちゃう。
それでも素晴らしいと>>続きを読む
これはまじで面白い
坂道でちょっと駆けたら止まらなくなっちゃって何だかそれが面白くて面白くて大声で笑ってたら人違いで袈裟斬りにされた感じ。
複雑なプロット、シリアスな人物造形も全て脱ぎ捨て踊り出す>>続きを読む
伝統の破壊は童話的に成される。古典のしがらみ、古城は朽ちてなお在り続ける
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人が流れ込んでくる。気持ち悪い。映画的ではない些末だが確実に「その人」をすり減らしている出来事を映す。同時に、欠けた場所に寄り添ってかさぶたとなるような修復の営為もある。関係性に均衡のような働きがあり>>続きを読む
ゼイティンは街の象徴でもなく、街そのものだ。アザーンに応えたのは一匹の犬ではなくイスタンブールが鳴いていた。
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普通に受け入れられることではないんだから選別でもって現実感と狂気のバランスを取ってくれ。素晴らしいラストが白昼夢のように記憶から失せて汗だけが残ってしまう。
加瀬亮の衝動に悶る
亡き妻の姿を重ねる先生、色々とうまくいかない女子大生、煩わしい隣人。それぞれの巧みさや悩みを吹き飛ばす加瀬亮。衝動!衝動!極私的憤怒が駆け抜けてすべてを飲み込む。割られた窓ガラス>>続きを読む