Nishiumiさんの映画レビュー・感想・評価

Nishiumi

Nishiumi

正欲(2023年製作の映画)

3.9

性癖というデリケートな題材をテーマにした意欲作。
一歩間違えると作品の話題性のためだけに消費されかねない難しいテーマだが、
役者の演技も相俟って深い余韻を残す内容になっていた。

孤独を一度も感じたこ
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.8

U-nextで鑑賞。
本編の後にミニ解説も付いてて、これもまた面白かった。
ラテンアメリカはリアルが既にマジックめいてる、っていう解釈が印象に残った。

本編自体は目まぐるしく変化していくストップモー
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.0

静かな静かなサイキックバトル
他の人も言ってるとおり、まさに童夢だ

善悪の判断が曖昧な子ども時代に
予期せぬハンドパワーを手に入れてしまったら、
少なくない確率でああいう怪物が生まれてしまうのかもし
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.5

肝の据わった奥さんと、
気が弱いけどスイッチ入ったらヤバい旦那、
王道だけど間違いないコンビネーションですな。
2人のノロケ方が肉屋ならでは(?)なのも笑ってしまう。

サラッと気軽に見られるホラーで
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.9

タイトルズバリの内容!
貧富の差を皮肉りまくったブラックかつシュールな笑い

トップモデルのヤヤ>ヤヤに振り回される、売れ筋イマイチなモデルのカール
豪華クルーズ船の大富豪>クルー
の分かりやすい格差
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.9

何故チャーリーは過食に走ったのか
発作を鎮めるだけのエッセイとは何なのか
宣教師はなぜチャーリーにつきまとうのか
リズとチャーリーはどんな経緯で親友になったのか

映画を見てると絶対に気になる疑問が
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

最近のウェス・アンダーソン、
台詞の波に翻弄されてるうちにストーリーが頭に入ってこないまま終わるんだよな。。
テロップを目で追うのが辛くて
パッと見てあとはヒアリングに徹すると
なんとなく英語が聞き取
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.4

コメディ期待して見てからのシリアス展開、
ちょっと苦手なので点数低めだけれども
ドロステ効果を実演するところのピッタリはまった感は最高
これタイミング合わせて演じるのすごく大変なんだろうな

バービー(2023年製作の映画)

4.3

永遠の輝かしさが約束されていた毎日を手放して
自由だけれども、先の見えない不安や死と隣り合わせな人間の世界に足を踏み出したバービー

人間の世界って、人生って素晴らしいよね
生きるって不可思議だけど最
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.8

図らずも年末映画。
おめでたい感は皆無だけど、取り敢えず来年の年末は会う人会う人にオススメしたい!

笑いと緊張が絶妙なバランスで同居してるのすごいし、
こんなハードな日本人いねーよ
こんなハードな展
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さくら(2020年製作の映画)

4.5

気持ち悪いというレビューを見てから鑑賞したが、
気持ち悪くて感動もできる最高な映画だった

車の中の独白シーンがいいね
小松菜奈やっぱりいいね

ポスターのビジュアルと中身が合ってないのがただただ不幸
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.8

主人公のよしかがピュアで可愛くて拗らせすぎてて、たまに目も当てられない。
キャーーー!!!と転げ回りながらやっと見終わった。
霧島、普通にいい奴だしモテるだろうな

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.7

タイムループをクリアする秘策はオフィスらしく上申制度。
ちょっと上の先輩からベテランまで、順々にタイムループに気付かせて、永遠の一週間から抜け出せるのか……!?
特に部長を説得するプレゼンシーンが傑作
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

永遠に繰り返す2分間。
1日でも1時間でもなく、たったの2分。
2分間のトライで分かったことを積み重ね、
タイムループから抜け出すことができるのか……?
タイムループにはまってしまったのが主人公数名、
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.8

確かにこんな喋り方していた20代。
すごい。若返りして脚本書いているってんじゃなく、若さを生きてる脚本。
ただ、主役の2人には避妊しましょうとしか思わなかった。。

Pearl パール(2022年製作の映画)

3.6

可愛いと怖いが同居してる
少女みたいに微笑んだかと思ったら、
次の瞬間は般若のごとく怒り狂う
こんなに表情が忙しい主人公見たことない

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.5

あそこまで盲目的に、
一方的に誰かを好きになったことはないけれど、
寂しさのあまり他人に依存して、
自分がスカスカになった時期はある。
若い若い。そして痛い。
でも大丈夫、
ピュアな不気味ガールもみん
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.3

今村夏子に舞城王太郎に宝石の国……
なんでこんなに抑えてくるんだ
そりゃ運命だと思うよなこんなん

おまけに、食パンの枚数が5枚か6枚か議論やじゃんけんの話、
感受性レベルのやりとりで盛り上がれる人っ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

フィルムで撮られた映像全て、
ため息が出る程美しい

ケイコが通った稽古場と、
そこで過ごした時間、
自分の思い出がいつの間にかオーバーラップしてしまって、
見終わった後センチメンタルな気持ちからしば
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.6

ソフト/クワイエットなはずの、
ささやかで穏便な会合が、
次第にハード/ノイジーになっていく。

エミリーたちが蔑んでいたアジア人女性が洗練された家に住んでいたのも印象的。
結局、白人だろうが、何人だ
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

3.6

甘やかな展開を期待して見てはいけない
残酷だがリアルな物語
己の苦しみを押し隠し、嘘をつく者が前半と後半で逆転する
痛みを分かち合うことが決してできない2人とその残酷さ、
特にアンナにとっては苦しい結
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

山の中の静かな別荘地で
登場人物またはAIが会話するだけなのに、
終始漂う静かな緊張感

AIが高度な知性を備えるようになったとき、
人間とAIの違いはどこにあるのか?
意識や感情の持ちように違いがあ
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

王家の血筋に生まれたものの、
騎士の精神を持ち合わせていない男。
グリーンマン(?)との約束を果たせば本物の騎士になれると漠然と考えながら旅に出るが、いざグリーンマンと対峙するや、
ひよってしまう。
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

前半は居心地悪い系ホラーで好き
あからさまじゃないけどなんとなく感じる悪意、
を会話と表情だけで演出するのはすごい

後半はある意味怒涛の展開すぎて、
ポカンと空いた口が収まらない

最後の最後、
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

クルーズ体験✖️
地産地消のこだわり食材ガイドツアー✖️
イノベーティブ料理
なんて、
聞くだけで面白そうで、
あんな目に遭うんじゃなければぜひ行ってみたい!
だれか現実に企画して欲しい

サスペンス
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

4.0

シニア版リトル・フォレスト

疲れた時にぼーっと見ると
水みたいに染み渡る

本当に疲れてぼーっと見てたので、
次はしっかり、
それももう少し歳を取ってからだと
また違う見方ができるかも

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

都市空間やガジェットみたいな、
ハードの目新しさでなしに
ソフトで未来を見せてるのが面白い

SF映画って大体
流線型のかっこよさげな車が出てきて、
あるいは空を駆け抜け、
ワオ!未来!なイメージだけ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.8

主人公の年齢って、
特に女性にとって人生のあらゆる判断を
一度に迫られる時期な気がする

ジュリーは自分の気持ちに正直で、
少なくとも自分の意思で前に進んでいる。
多少相手の気持ちが置き去りになってる
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

巷のホラーよりよっぽど恐ろしい
職場崩壊をリアルに、これでもかと見せつけられるので、
正月明けの仕事しなくないモードの自分には
かなりキツい映画だった。

そもそもシェフが限界寸前。
プライベートが上
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危険なプロット(2012年製作の映画)

3.8

日記を追ってくだけの展開なのに、
なんでこんなにスリリングなんだ。。

いつの間にか美少年と人妻の不倫、からの
ドロドロ家庭崩壊を期待している自分がいる

最後に手痛いしっぺ返しをくらう訳だが、
教師
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スイミング・プール(2003年製作の映画)

4.0

村上春樹の初期短編を読んでいるような手触り
ミステリアスな雰囲気に包まれながら、
謎の核心には触れることができない
2巡したとしても謎は解明できない気がするが、化かされる心地良さにまた浸りたい

Summer of 85(2020年製作の映画)

4.2

怒りと悲しみ、喪失感
行き場のない感情に任せて
墓の上で踊る
踊り狂う

こんなに誰かを愛する、
愛してもらえるなんて、
羨ましいなあと思ったり

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.0

美味しいもの見て、いい音楽聴いて、
ひたすら幸せになれる映画
昨日の敵は今日の友なのも良い
なんかよく分かんないけどありがとう!
って言いたくなる

家族愛がテーマだけど、
子どもには刺激が強過ぎるジ
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犬王(2021年製作の映画)

4.0

古川日出男は
小説を読んでるのか音楽を聞いてるのか
分からなくなるようなノリと
うねり合い絡まり合うエピソードが
たまらなくて大好きなんだけど、
そこに言わずもがなの湯浅政明!
キャラデザは松本大洋!
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スモーク(1995年製作の映画)

4.0

特別な人の話でもなければ、
何か大きな事件が起こるわけでもないけど、
そこらへんにいる誰かの人生そのものといった真実味がある

何かあるようで何もない
何も無いようで何かある
煙みたいに掴みどころがな
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.9

前半は気の抜けたコミカルなやり取り
ボケ×ボケのコントっぽい会話と
独特な間が韓国映画って感じで落ち着く

後半はミスリードに次ぐミスリードで
見てるこっちも誰を信じていいか分からなくなる
特に終盤、
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