umikaさんの映画レビュー・感想・評価

umika

umika

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.0

マクマーフィーは善良な男ではない。暴力沙汰を何度も起こし、性犯罪歴がある。この物語で描かれる彼にもその片鱗を見つけられる。しかし、彼があの病院の患者たちと関わっていく姿を見て、人間とはなんと多面的な存>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

観終わってとんでもない感情になる。私は水木という男に兎角心を掴まれた。戦争帰りの傷を抱え、踏みつけられた弱者の苦しみを糧に「のしあがってやる!」と力強く言い切る姿、それでも捨てきれない優しさ、人間らし>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.0

ジュディとニックの関係性、なんて素晴らしいんだろう〜〜絶対夢を諦めない!とひたむきに努力しつづけるジュディの姿にまず胸打たれ共感して泣き、夢を諦めていたニックがなんだかんだ言いつつジュディのおかげで再>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.5

ティモシーシャラメの佇まいが、少年から青年への過渡期にある透明感で美しい…。
泳ぎに行くシーンなど水辺の場面が多いけれど、ありのままの自分をさらけ出すことの象徴なのかな。旅路での、感情が溢れ出すような
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

笑っちゃうくらい跳ねられ、奪われ、晒されまくる首の数々。信長の後継者となるために寵愛を受ける者あれば、裏をかいて敵対勢力を蹴落とす者もあり…。権力を得るための争いがいかに愚かであほらしいか、まざまざ見>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

観終わった後興奮冷めやらぬ、体の内側からひっくり返されたみたいな衝撃!物質主義社会への皮肉に満ちた、身につまされる作品でもある…。
男たちだけの秘密のファイト・クラブ、そこを牛耳るタイラーの計画とは…
>>続きを読む

バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

3.0

ジャスミンの気取りすぎないチャーミングさが、ブレンダたちを癒し、前向きな気持ちにさせ、バグダッド・カフェにとってかけがえのない存在となっていく姿や、自分自身を取り戻していく様子にあたたかな気持ちになっ>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

4.0

久しぶりに視聴し、自分の原点はここにある!と痛感させられた。臨終の場面からメインテーマとともに唐突に始まるオープニングでもう心掴まれる。一代で財を成した謎多き先代の出立、莫大な遺産の相続争い、素顔を隠>>続きを読む

The Beat Beneath My Feet(原題)(2014年製作の映画)

3.0

冴えない少年トムが、不器用な自分自身を音楽によって解放していく様は清々しいし、何より曲がかっこいい。トムとスティーブが絆を深めていくのもいいし、それによりスティーブやトムの母も自分自身に向き合っていく>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.5

12歳の少年少女の逃避行、ボーイスカウトの知識を活かしながらサバイブし、2人だけの王国を求めていく様は勇敢で、子どもと大人の狭間にある未分化な感情が眩しくて美しい。
ボーイスカウトの隊長や、島の警察官
>>続きを読む

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.5

クィアな女子高生たちの不純な動機から生まれたファイト・クラブが、女子たちを連帯させ、最終的には学校を救ってしまうパワフルな青春ムービー、ポップで下品で気負わず観られてすごくおもしろかった!
ひとりひと
>>続きを読む

シンデレラ(2021年製作の映画)

3.0

ちょっと現代的な解釈を加えたハッピーミュージカルなシンデレラ。有名なナンバーも多くて楽しめた!Somebody to loveを歌うニコラス・ガリツィンの王子が好きで繰り返し見ちゃう〜かっこよすぎる。>>続きを読む

赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)

4.0

王道まっすぐのロマンティックラブコメディで観終わったあとも幸せな気持ちでいっぱい。立場が似ているように思える2人だけれど、アメリカ人とイギリス人、労働者階級と生まれながらの王族…と、相反する部分もあり>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

最高!ウェスアンダーソン監督作品は初鑑賞でしたが、画面がずっと楽しく遊び心に溢れていて、すっかり虜。キャラクターたちは個性豊か、コメディだけど結構しっかりサスペンスでおもしろい。美術館で逃げる場面、脱>>続きを読む

マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.0

元気をもらえるお仕事映画でもあり、歳の離れた2人の友情の物語でもある。ベンの誠実な姿勢と経験があるからこその的確な行動で信頼を勝ち取っていく姿が清々しかった。ロバートデニーロ、もっと若い頃のイメージが>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.5

女性たちがそれぞれに朝の身支度をする場面から始まるオープニングにわくわく!
アンハサウェイ演じるアンディ、ボサボサで服がダサくてもとにかく可愛いし全く太ってもいないので冒頭違和感すごいけど、ファッショ
>>続きを読む

セックス・アンド・ザ・シティ(2008年製作の映画)

3.5

主軸は恋愛、結婚にありながら、4人の自立した女性の連帯の物語でもあり、とにかく笑えて勇気づけられる。4者4様に最高だけど、特にサマンサの奔放っぷりが突き抜けててカッコよくて大好き。わたしも友人たちと4>>続きを読む

運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.0

久しぶりに観たらおもしろい。主人公視点で見ればちょっと変な1日、だけど視点が変わって行くにつれあの出来事の裏にはそんなことが!と次々繋がっていく。伏線回収が爽快で、また忘れた頃に見返したくなる。内田け>>続きを読む

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.5

あの頃、こういう気持ちを感じていたな、と思い出して、切なくも心地よい感傷に浸りながら勇気をもらえる作品。あきらと店長の関係が徹頭徹尾爽やかでいい!小松菜奈と大泉洋の魅力が存分に引き出されていた。そして>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

4.0

まるで死骸のような30年間を取り戻すように飲み、遊びながら、「命短し恋せよ乙女」と口ずさんだ渡邊の、一筋流した涙にとても衝撃を受ける。ハッピバースデートゥーユーとともに生きる意味を見出して店を飛び出し>>続きを読む

教祖誕生(1993年製作の映画)

2.5

教祖と信者、宗教を使って金を稼ぎ私欲を満たそうとする人間たち、の人間模様をおもしろく見た。新興宗教を描くならもっと内情やその危険性を深掘りしてほしかったと思うけど、オウム事件の前だからこそ、このコメデ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.0

勧められてから観るまで数ヶ月かかってしまったが、観たら納得の面白さ。俺は森で生まれ無知だった…。
最初から最後までクライマックス。敵同士に分かれてしまった2人を結びつける熱い友情に心揺さぶられる。19
>>続きを読む

バットマン(1989年製作の映画)

3.0

世界観のおどろおどろしさと、ジャック・ニコルソンのコミカルにすら見える狂気の悪役っぷりが魅力的。ティムバートン作品と言われてすごく納得できる。しかし、バットマンのキャラクターがいまいち見えなかった。そ>>続きを読む

(2000年製作の映画)

3.5

ロードムービーのような逃亡劇。正子が妹を殺したあと家を出ていくとき、ぱっと画面が白んだ瞬間に、初めて彼女の人生が始まったように思えた。逃げ続けるうちに、少しずつ皮が剥がれるように生き生きとしていく正子>>続きを読む

薔薇の名前(1986年製作の映画)

3.2

中世イタリアの修道院という、現代日本に生きる私には想像の及ばぬ舞台が重厚に再現されていて、観ているうちに引き込まれる。探偵役の師匠とその助手という定番の構成(探偵が"バスカヴィルの"ウィリアム、という>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

バッドマンシリーズ未見の状態で観た本作、アーサーが「ジョーカー」になっていくまでの過程に圧倒されてしまった。社会から爪弾きにされてきたものの孤独、苦しみ、怒り…リアリティを持って迫ってくるホアキン・フ>>続きを読む

シャイニング(1980年製作の映画)

3.5

がらんどうのホテル、家族3人だけで一冬を過ごすなんて、想像しただけで身震いしたくなる。さらに物語が進むほどじわじわと込み上げてくる恐怖。"トニー"、双子の女の子、237号室、レッドラム…と、得体の知れ>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.0

観始めて15分で「観なきゃよかった…」と強烈に後悔したのに、観終わった今はなぜかもう一度観たくなっている。暴力性に満ちた主人公も、彼を管理し矯正しようとする社会も、極端過ぎてもはや全てが狂っている。個>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.5

フォレストが走り続けてどんどん道を切り開いていく様は爽快なほど。コメディ調な展開にクスッとなりつつ、ヒューマニズムに満ちた物語で温かい気持ちになった。ダン小隊長が両足を失い自暴自棄になる姿がとくに痛ま>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

とにかくおもしろすぎる。観ている間中緊張と興奮で息もつけない〜!クラリスとレクターの奇妙な交流がいい。レクター、なんと恐ろしくて魅力的なシリアルキラーなんだ。シャツインの直立不動で登場した瞬間から大好>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.0

ストーリーはそんなに意外性はないけど、ラジオを通して流れる音楽や冒頭のくだらない会話の応酬など、端々がクールで「これがタランティーノかぁ〜」(アホの感想)となる。全員匿名で出自も明かせない人物ばかりな>>続きを読む

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.0

出自も思想も違う5人が戦争下の抑圧された日々の中、タップを通じて心を通わせていく姿にはとても励まされるし、踊ることで少しずつ自分を解放していく彼らは眩しくかっこいい。その分、あまりにも辛い結末に言葉が>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

2.5

明滅するように場面が進んでいく逃避行。色彩がフレッシュで、特に流れる血のチープな赤さが印象的。畳み掛けられる詩や文学の引用も、ひとつひとつが意味ありげでかっこよくて、静かな海と囁くような台詞のラストが>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.0

ドラッグと同じでずるずると付き合いを断ち切れない最悪な(でも少し憎めなくもある)仲間たち。汚くって最低で未来もみえない、そんな青春もあるのかも。でも自分だったらこんな毎日はごめんだな、と思いつつ、結末>>続きを読む

田園に死す(1974年製作の映画)

4.0

描き直すたび厚化粧されていく過去も、そこから鮮烈に甦る記憶も、ずっと悪夢のようなのに、突然地続きの現実になる恐ろしさ。違う街で生きていても生まれ育った場所や親子のしがらみを断ち切れぬまま大人になってい>>続きを読む

禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.2

古い映画だからとっつきにくいかな?と思ったらすごくおもしろかった。子どもたちの興じる遊びが無邪気だからこそ残酷で悲しい。ポーレットとミシェルの育んだ絆が(例えいっときのものであっても)確かなものだった>>続きを読む

>|