フォスフォ

アメリカの友人のフォスフォのレビュー・感想・評価

アメリカの友人(1977年製作の映画)
4.3
最初に絵画の贋作の青が微妙に違うというシーンがあるけどそれがすべてだとおもう。マフィアの溜まり場とかビリヤード、リプリーがでてくる場面のセットは徹底的に寒色。もしくはくすんだ茶系。ヨナタンもそっち系の茶色のコートをはじめは着ているが、そのなかで唯一びっくりするくらい明るいのが黄色、赤のレインコートを着ている妻と娘。ヨナタンが家族で遊園地に行くシーンにも赤が入り込んだり、この配色は徹底している。犯罪者のリプリー(青・寒色)とヨナタンは近づいていき、ともに親近感をおぼえるが、結局さいご、ヨナタンは「赤色のマフラー」を着けて「赤色のビートル」を運転しながら「赤色のコート」を着た妻とともにリプリーを置いてきぼりにして離れる。そしてリプリーは「青色のランプ」を付けた救急車(これは燃えて赤色になる)とともに、「青い海辺」に独りきりでとどまる。最後にヨナタンが運転して暴走する赤いビートルは対向車線の真っ青の車とすれ違い、青い海に落ちる寸前で止まる。結局、一般人のヨナタンとあわれな犯罪者リプリーは似ていて非なる青なんだよ、、、という結末だとおもうが、これハイスミスの原作か太陽がいっぱいみたいなシリーズ見てないとあんま面白くない気がする。実質ヴェンダース版『呪術廻戦 懐玉・玉折』。いまでも青は澄んでいる!
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