SUさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

弟は僕のヒーロー(2019年製作の映画)

4.0

ピュアな生き方を投影したかのような、徹して明るく描く爽快さ。人とは違うことへの恥ずかしさと、思春期特有の反発心が混ざって、一線を超えてしまう若気の至り。

それに対して、あそこまで反省して正直にまっす
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ミツバチと私(2023年製作の映画)

3.5

祖母の経験値がもたらす説得力と、娘と孫の行く末を案じながらも優しく諭す包括力に感動。
細かに込められた意味まで拾いきれていないので、その背景や込められた意味をわかった上で見れたらもっと良かったかも。

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.5

面倒見の良い人が世話してくれる環境は、一見恵まれた環境に見えるけど、その優しさが重荷となって自己嫌悪の増長になったりして、必ずしも優しさが良い方に作用するわけではないっていうことを思い知らされる。>>続きを読む

もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

2.0

地味過ぎる冗長な描写と、予想がつく話に対するテンポ感などが合わず。ストーリーはもうひと展開ほしいところ。

Saltburn(2023年製作の映画)

3.0

バリーコーガン無双。今回は...?と思ったら、徐々に顕になってきて、ラストシーンはもはやいろいろ飛び越えて笑える。彼しかできなそうな役ですごかった。

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.0

初めて観たけど面白かった!冒頭のつまらん下ネタ話はタランティーノらしいけど、ちょいちょい背中越しのアングルで暗闇に包まれるカメラワークのかっこよさ。
決定的な強盗を犯すシーンを省略して、ムダ話に尺を割
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Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

4.0

シネコンの最大スクリーンで爆音で観れたので最高だったが、観る環境で評価がかなり左右されそう。
とにかく低音がやばくて、こんな良い音でるなら普段の通常スクリーンはもっと頑張ってほしい感ある。
ライブを腰
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宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.5

面白いけど、少しコメディに振り切りすぎな気も。まったく気を張らずに楽しめる良さはあるが、ちょっと緩すぎるが故の戸惑いも。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤はウトウトしてしまったけど、ドーナツ出てきてからはしっかり面白い。
劇的な展開や派手さはないが、それがまたリアルなスリリングさを産んでいる。あの含みを持たせて結末を見せすぎない希望を感じる。

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

表面上は実に温度が低いものの、長年積み重ねた諦念の中に密かに燃えさかるものが。お互い気持ちあるのに、タイミング悪くすれ違いまくるが、とにかく節度ある大人として、度の過ぎる感情的行動は皆無で徹底的に遵守>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.0

婚姻とか形式を飛び越えた大人の絆の話。
懇切丁寧な調理シーンは見たことがないほど丁寧。とにかく単純な感情の話でないので深みはすごい。

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

霊象よりも、額をかち割る叩きつけや、目玉を取り出そうとする自傷行為には直視出来ない生々しさが。
リスクを省みない、単細胞な快楽への依存とその代償はいろんなもののメタファーとなっているけど、今一つ深みが
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きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

3.0

お見合いものが主題かと思いきや、宗教問題がメインだった。ドキュメンタリー監督の主人公はかわいいけど、どうも共感も好感も持てないキャラでもやもやだが、安定のお約束展開で、王道ラブコメ的。もうひと山、もう>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.0

すごく小説的な語り口で、全編惹きつけるストーリーもさることながら、重厚なテーマをもはや大女優の風格を纏い始めた杉咲花の恐るべき演技で魅せる衝撃作。見方がコロコロと変わっていき、人の印象なんて所詮は断片>>続きを読む

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

4.0

これはかなり好きなヤツ。すごくよくできた話って訳じゃなくて、なんなら中身はほぼないんだけど、シンプルに出演者の魅力とキャラの良さ、撮影のカッコ良さでもう大満足な一作。カルト的人気でそうな感じがする。ケ>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.0

個人的には世の中の評判ほど良さは感じれず。村ホラーとしての既視感あるストーリーと、あまりにエグすぎるアニメらしくない内容に対してアニメすぎる描写のアンバランス感が引っかかってしまった。
人は死にまくる
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JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】(2021年製作の映画)

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めちゃくちゃ興味深く、まさに地道な捜査の賜物である事実が浮かび上がってくる様は、こうやって事件は解決に近づいていくんだなあとしみじみ思いながらも、冗長な積み重ねが響いて後半数ブロックはウトウト。つまら>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.5

こんな最高の作品を見逃していたなんて。今ではわりとスタンダードなユルいノリの先駆けかも。ブックスマートを想起させるけど、だいぶ早くにやってた。ソーラバーチ最高だし、激烈に役にハマっているスティーブブシ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

2.5

印象的なラストシーン、あれがやりたくて撮ったんだろなあと思える名シーンだが、もうちょっと欲しかった感ある。
加瀬亮のキレっぷりと、どこに需要があるのかわからない遠憲さんの乙女っぷりに笑う。

スマイル(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

呪いのロジックを探し回るストーリーラインは明らかにリングであり、どこまでも追ってきたり巨大化したりするあたりはまさにイットフォローズだったりと、スマイルの狂気以外は既視感ある感じで、オマージュなのかも>>続きを読む

こいびとのみつけかた(2023年製作の映画)

2.0

ちょっと最後綺麗にまとめた感があり、意図はないだろうけど個人的感覚ではピュアの搾取って感じがしてしまってモヤっとしてしまった。

正欲(2023年製作の映画)

3.0

描きたいたいこと、メッセージ性はとても素晴らしいのだけれど、映画的面白みに欠けるような印象。
多様性という言葉のもつ意味がどこまでの範囲を指しているかという点ではまだまだ狭く多様とはいえない現実に向き
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ良かった。とにかく世の中に蔓延るまさに今を生きる絶妙な嫌な奴ら図鑑ともいうべき人間描写と、コロナ禍に放たれた世紀の愚策を決して風化させないぞと言わんばかりに盛り込んだ時事ネタは、のちに貴重>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.5

近年のMCUシリーズの中では比較的楽しく観られた。キャプテンマーベルの影が薄く感じつつもちゃんとMsマーベルが魅力的な存在のままキャラとして育っているところが唯一のみどころ。イースターエッグや他作品と>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

山崎貴が永遠の0を経て、この結末を用意したことがまず素晴らしいと思う。
彼のフィルモグラフィーで培ったものすべてが結実された屈指の傑作だと思う。

ドミノ(2023年製作の映画)

2.0

話は全然どんでん返しではない。
ロドリゲスっぽさも、大したアクションシーンもなく、特徴のない映画に。。

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃカッコいい..プロフェッショナルで寡黙な仕事人の淡々たる復讐譚。
完璧主義なのに、完璧にはいかない人間臭さがいかにもリアルで魅力的。ちゃんとキラーだけあって冷酷さはしっかりあるんだけど、少
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福田村事件(2023年製作の映画)

2.5

とにかく長い。この事件を描く上で、必要ではなさそうな描写に時間をかなり割いてる気がしてならない。

オオカミの家(2018年製作の映画)

4.0

まだこんな新しい手法があるんだと驚いた。めちゃくちゃ手間暇かかってて、観てるだけで興奮するハイレベルな芸術作品って感じ。

(2021年製作の映画)

3.0

マジで昔のやつなのかと思ったけど、そりゃそうか。あんなリアルな造形さすがに当時はないか。よくわからないが不気味。

キリエのうた(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

途中の回想シーンはツッコミどこ満載の恋愛模様をなかなかの尺を使って見せられる。おまけにただ物語の起伏のためだけに使われた震災で、話の薄さが強調される。そもそも、回想として人に話してるテイなんだから、生>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

世界の壮大なロケーションの末に、まだ見ぬ近未来世界をはめ込んだ、ギャレスエドワーズの手腕はたしかで、途中までは大傑作だったが、指輪を発見してからというもの、右肩下がりでテンション下がっていく。ラストも>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

恐ろし過ぎる実話。石油でひと山当てたことは幸運なのか、不幸なのか。人の命の価値になど微塵も興味のないものたちをつき動かす、金の原動力といったら恐ろしすぎる。原作との違いも知りたい。

(2023年製作の映画)

4.0

犯人の謎の説得力に揺さぶられるが、徐々に自ら矛盾の綻びが生じてきて謎だと思ってたら、実際の犯人も同じような言動だった。やはり理解不能ではあるけれど、同時に持ち出される別の問題に対する視点もまた考えさせ>>続きを読む

ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

3.0

ヒッチコックの映画術、とても面白いけれど後半ネタ切れ感が出てしまってて、映画一本分はさすがに厳しかったのか。