ヴェルヴェっちょさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

後妻業の女(2016年製作の映画)

3.3

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大竹しのぶ劇場、全開。バラエティ番組で見せる朴訥な彼女とは真逆の悪女・小夜子が憑依したかのような怪演に、女優魂を見せつけられっぱなしです。

直木賞作家・黒川博行の『後妻業』を、大竹しのぶと豊川悦司
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ハルカの陶(2019年製作の映画)

3.2

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物語のテンプレートに忠実な作品という印象でした。

「第13回岡山芸術文化賞功労賞」を受賞した同名コミックを実写映画化し、岡山県備前市で陶芸に情熱を燃やす人々を描いた人間ドラマ。
東京で毎日を淡々と過
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グローリー/明日への行進(2014年製作の映画)

3.4

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"I have a dream."の演説であまりにも有名なキング牧師(1929~68)。彼が率いたアラバマ州セルマからモンゴメリーへの行進の軌跡。

アメリカ公民権運動の最中、アラバマ州セルマで起こ
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大いなる遺産(1998年製作の映画)

3.2

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文豪の大作を果敢に映画化した製作陣に拍手。

19世紀を代表する文豪チャールズ・ディケンズの同名小説を、現代アメリカを舞台に映画化。
フロリダの港町。両親に先立たれ、姉マギーと暮らしていた画才あふ
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.6

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古今東西、光が射すところには濃い影がつきもののように思われますが…。 名匠クリント・イーストウッド監督×主演トム・ハンクスの重鎮コンビで描き出されたドキュメンタリータッチの作品。

アメリカ・ニュー
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パパが遺した物語(2015年製作の映画)

3.0

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結末が読めちゃいましたねぇ。まずタイトルが「遺した」ってことは…パパのジェイクが亡くなっているのがわかっちゃうわけで、これってネタバレなんじゃ?

小説家のジェイク(ラッセル・クロウ)は交通事故によ
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黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年製作の映画)

3.6

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世界的名画の裏にあった数奇な運命。 これはスカッとする痛快劇というよりは、何とも重苦しい歴史を突きつけられる作品でした。

アメリカに住む82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)が、駆け出し弁護
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スプリング・ガーデンの恋人(2003年製作の映画)

2.8

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そりゃコリン・ファースですから。モテますわな。

婚約者ヴェラ(ミニー・ドライバー)に捨てられたイギリスの肖像画家コリン・ウェア(コリン・ファース)は、心の傷を癒すためアメリカへと渡り、ニューイング
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.0

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ネバネバ、ぐちょぐちょ、ギトギト…グロテスクな描写が特徴的なヴェノム。 ワイルド系なトム・ハーディとの化学反応やいかに。

敏腕のTVジャーナリストのエディ・ブロック(トム・ハーディ)は、人体実験で
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.5

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トム・ホランド主演のMCU版「スパイダーマン」シリーズ完結編となる第3作。

ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)はミステリオ(ジェイク・ギレンホール)を倒したものの、デイリー・ビュ
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.5

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トム・ホランド主演のスパイダーマン3部作の2作目。 前作の軽快な作風はそのままに、ヨーロッパ諸都市をまたにかけたアクションが楽しい。

スパイダーマンこと16歳の高校生ピーター・パーカー(トム・ホラ
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.6

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スパイダーマンの実写映画としては第3弾で、MCUの第16作品目となる映画らしい。リブートが繰り返されるほどスパイダーマンの人気って半端ないってことですよね。 サム・ライミ監督によるトビー・マグワイア主>>続きを読む

バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!(2012年製作の映画)

3.1

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下品すぎて気分が悪くなる導入から前半パート。
結婚式当日の騒動を描く後半は畳みかけるようなドタバタ劇で、意外と楽しめる面もありました。

美人でスマートで恋人もいるのに結婚の気配すらないレーガン(キル
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フレンチ・ラン(2015年製作の映画)

3.4

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エンタメど真ん中という感じのバディ・ムービー。

革命記念日前夜のパリ市街で4人が死亡する爆弾テロが発生。過去に命令を無視してテロリストを射殺したこともある、CIAきってのアウトロー捜査官・ブライアー
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スクランブル(2017年製作の映画)

2.9

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いやぁ、これはきつい。カーアクションをテーマにしている時点でハードルも、観る側の期待も否が応にも上がってしまいますから。

高級クラシックカー専門の強盗団・フォスター兄弟。兄のアンドリュー(スコット
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.0

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食生活という何気ない日常が描かれているわけですが…これ深いわ。 いやもう人生そのものを振り返らせるほどの深み。

雇われ弁護士で倹約家の筧史朗(シロさん)(西島秀俊)とその恋人で心優しい美容師の矢吹
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ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.0

ビアトリクス・ポター原作の同名絵本をアニメではなく、実写映画化。

豊かな自然に囲まれたイギリスの湖水地方。 かわいらしいウサギたちが紡ぐ牧歌的な物語、かと思いきや、道徳や教訓なんてク○食らえと言わ
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キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.6

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前作が邦画とは俄かに信じられないほどのスケールで描かれていましたので、「続編の制作は可能なのか?」と思っていましたが、出てましたね。しかも前作よりスケールアップ。これはもう行くところまで行ってほしいで>>続きを読む

キングダム(2019年製作の映画)

3.5

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中華統一に向けた壮大な物語の幕開け。…のほんの最初の部分、という感じですね。
原作が未だ完結していませんが、このペースでいくと映画を10本作っても原作には追い付かないことになりますから。
先を見越すと
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THE INFORMER/三秒間の死角(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

刑務所への潜入、情報の駆け引きによる心理戦、上司と部下の対立…と面白くなりそうな要素はちりばめられているのですが、今一歩突き抜けるものがほしかったというのが率直な感想です。

妻ソフィア(アナ・デ・
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インターセクション(2013年製作の映画)

3.4

英語が不得手なもので、タイトルの「インターセクション(Intersections)」の意味が分からないまま鑑賞。「交差(点)、交わり、横切り、交点」といった意味のようですが、訳ありげな人物たちの思惑や>>続きを読む

ザ・クーリエ(2019年製作の映画)

2.5

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こりゃ…ヒドい苦笑。ここまで見どころのない作品も逆に珍しいかも、です。凡庸極まりないストーリー、魅力のないキャラクター、チープな演出…長所を見つけることの方が難しいです。

あるクーリエ(配達人)の
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冷血(1967年製作の映画)

3.4

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原作はトルーマン・カポーティの同名小説(1966)で、彼は同作を「ノンフィクション・ノベル」と呼んでいます。その特徴は、実際の事件の関係者にインタビューすることによって、事件の発生から加害者の逮捕、刑>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.7

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役者陣の名演にやられました。決して派手な映画ではないのですが、ほとんど役者陣の演技だけで魅せ切ってます。どストレートというか、「映画の中の映画」と呼びたくなります。クリント・イーストウッド監督作の中で>>続きを読む

ワールド・オブ・ライズ(2008年製作の映画)

3.2

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「エイリアン」「ブレードランナー」「グラディエーター」を生み出した巨匠リドリー・スコット監督ですからね、期待は否が応にも高まるわけです。それに、ディカプリオとラッセル・クロウという布陣でしょ、それはも>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.6

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デヴィッド・フィンチャー監督の重厚な作風と、「Facebook」の立上げとそれに端を発する訴訟という内容が合うのかな、と思いましたが、意外なほどフィットしていましたね。登場人物たちの感情の揺れをうまく>>続きを読む

マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

2.9

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あらら、2作目からさらにそっちの方向へ行ってしまいましたかという感じです。ストーリーの大半は戦艦もの・ロボットものに充てられ、「あれ、自分は今『マトリックス』を観てるんだよな?」と自問したほどです。ど>>続きを読む

マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.1

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革新的な世界観とスタイリッシュな映像で話題をさらったマトリックス。3部作とも観ているはずなのですが、2・3作目の印象がほとんど残っていません。1作目は強く記憶に残っているのに…。ストーリーが難解さを>>続きを読む

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

3.6

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全編にわたりみなぎる緊張感。「ハート・ロッカー」といい、「デトロイト」といい、この監督は観客への媚びへつらいが全くないですね。観客が楽しむかどうかは二の次であって、自身が描こうとするものを描き切るとい>>続きを読む

J・エドガー(2011年製作の映画)

3.1

偉人の半生を追う伝記映画は珍しくない。ではクリント・イーストウッドが伝記映画を手掛けるとどうなるのか。ひとつの答えがこの映画ということだろう。毀誉褒貶が渦巻くFBI初代長官ジョン・エドガー・フーヴァー>>続きを読む

マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

4.2

ポップな絵柄とは裏腹に、重い問いを投げかけてくる作品でした。
血統書付きの母と、ちょっと乱暴な父との間に生まれ、後に「マロナ」と名付けられることになる雑種のメスの犬は、同時に生まれた9匹の末っ子だった
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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

4.0

ヨーロッパ制作のアニメを見る機会がなかなか無いので、貴重な経験でした。内容はすこぶる力強く、「祖父を探して北極圏へ」というシンプルな筋が貫かれた、気骨のある作品でした。

19世紀ロシア、バルト海沿
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.0

深遠な物語世界を通して、人類の、文明の驕りに警鐘を鳴らす、メッセージ性の強い作品でした。この作品を契機にスタジオジブリが設立され、多くの傑作群が生まれていったという意味でも外せない一本です。

かつ
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アウトロー(2012年製作の映画)

3.3

トム・クルーズ主演のアクション活劇かと思いきや、意外に渋めなつくり。 ここまで外連味なく仕上げる必要があったのかというほど、派手さがない。

英国の作家リー・チャイルドのハードボイルド小説ジャック・
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.5

【猫舌過ぎる殺し屋】
原作は未読ですが、話はそこまで込み入っていないので流れを追いやすいです。 シリアスとコメディの塩梅も丁度よく、疲れずに見られる良作にまとまっていると思います。

「ファブル(寓
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沈まぬ太陽(2009年製作の映画)

4.0

社会派小説の第一人者・山崎豊子の作品をおよそ10年の歳月をかけて映画化。これが重厚でないわけがありません。3時間22分と映画としては長尺ですが、原作が長大なことに比べるとむしろこの長さに抑えるのに相当>>続きを読む