ヴェルヴェっちょ

マトリックス リローデッドのヴェルヴェっちょのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

革新的な世界観とスタイリッシュな映像で話題をさらったマトリックス。3部作とも観ているはずなのですが、2・3作目の印象がほとんど残っていません。1作目は強く記憶に残っているのに…。ストーリーが難解さを増してついていけなくなったかな。また、強烈な世界観を提示し、観る者に考察する「余白」を与えた1作目に対し、2・3作目は、描写の具体性は増したものの、考察する「余地」が小さくなったかな、などと思いました。

人類の最後の砦「ザイオン」では、一つの重大な問題が持ち上がっていた。人類は宿敵であるマトリックス(仮想世界)を支配するコンピュータに対し、ホバークラフトシップを駆使してゲリラ戦を挑んでいたが、オシリス号がもたらした情報によれば、コンピュータはザイオンを直接攻撃するため、センチネルと呼ばれる飛行型戦闘機械25万体もの大群による殲滅作戦を発動したというのだ。
ザイオンに残された時間は72時間を切っており、一刻の猶予もない。ネオ(キアヌ・リーブス)たちはマトリックスでセラフ(熾天使で、預言者の番人)を介し預言者オラクルに会う。彼女に導かれ、コンピュータの中で無秩序に広がった仮想世界が、コンピュータの意思決定にすら影響すると知る。そしてオラクルは、人類を救うためにネオがマトリックスのソースにたどり着かなくてはならないことを告げた。
キー・メイカー(アジア系の中年男性姿の鍵作り)を探し出し、彼を追っ手の攻撃から匿ったネオたちは、ソースの扉を解錠し、そこに入ることに成功。ソースで、ネオはついに、マトリックスの創設者であるアーキテクトと対面する。そこで伝えられたのは、ネオは「予言された救世主」ではなく「プログラムされた」存在で、ザイオンもマトリックスの破局を予防するために企画されたことを知らされる。ネオは、自分の属している現実世界や親しい人たちか、人類を生かしてより完成されたマトリックスへの変化(リロード・上書き)の礎となるかの選択を迫られる。

スタイリッシュな市街戦のみであった1作目と異なり、グロテスクな飛行性戦闘機械が飛び交う世界観を描写した2作目以降は、好みが分かれそうな作風です。ネオもスーパーマンよろしく空を飛びまくって、SF度増し増しという感じ。
加えて、預言者、キー・メイカー、設計者アーキテクトなど、謎に満ちた人物たちが次々と登場し、ストーリーは複雑に。終盤に入って最重要部分が明かされますが、それが映像ではなく設計者による長ゼリフでの説明によってであることにも賛否が割れそうです。
カンフーアクションやスローモーション、サングラス・黒スーツ姿での格闘は1作目で登場済みなので、新鮮味は特になかったです。というか、やや食傷ぎみかな、というきらいさえあります。本作のハイライトは、むしろキー・メイカーを逃がすためのモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)・トリニティー(キャリー=アン・モス)とツインズ(双子)との高速道路でのカーチェイスかな。
1作目が画期的で、きれいにまとまっていただけに、続編をどのように展開させていくか…難しいよね、と感じます。3作目を見直すかどうか、悩ましい。