candyyyさんの映画レビュー・感想・評価

candyyy

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(2021年製作の映画)

4.1

ヤンシュヴァンクマイエルやブラザーズクエイを彷彿とさせる上質なストップモーションに終始胸が踊った。
バラバラの骨が魔術で肉片に変わっていき最終的に歪な人体を構成する過程に良い意味で気分が悪くなるし、コ
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理想郷(2022年製作の映画)

3.6

前半と後半で話の主軸が変わる構成が衝撃的だったし、実際の事件を題材にしていることで、現実には創作の物語のようにハッピーエンドや神の救済は存在しないということを淡々と突きつけてくる感じが良かった。

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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

4.3

誰がどんな役割をこなすのかワクワクしながら頭を空にして観た。
クライムアクション系の展開は大体分かっているはずなのにそれでも楽しめるのが凄い。
テンポが良いから中だるみもしないしキャラクターも立ってい
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.8

“No One Mouths the Wicked”を歌い皆にエルファバの死を伝える時のグリンダの表情を見て、彼女の強さに感服し初っ端から涙を堪えて鑑賞を始めたが、スターダストでの2人のダンスシーンで>>続きを読む

カフカ「変身」(2019年製作の映画)

4.3

大好きな小説が映像化されているということで視聴。
地の文が語られているのがラースフォントリアーっぽくて良かった。

前半はグロテスクに感じた虫が物語が進むにつれ愛らしく思えてくるような構成が素晴らしい
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

3.4

映画開始直後から3分間に及ぶ水中シーンで既に心が折れそうになったけど、その後の映像の気味悪さや難解さに助けられなんとか観終わることができた。

SEやセリフがほとんどない実験映像のような作品はどの描写
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

3.7

実話ベースの作品に出会う度、フィクションではなく誰かの実体験を描いているという観点からスコアをつけること自体を躊躇してしまう。
本作品もストーリーに面白さを求めるというよりは勉強材料として視聴したとい
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ブルー・マインド(2017年製作の映画)

3.9

思春期を通り過ぎた大人にとってこの映画は単なるファンタジーホラー作品ではなく、自分自身の過去の投影になりうると思う。

特に女性は皆初潮をきっかけに急に自分の意思と反して大人になることを強いられ、身体
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.1

音楽や映像が本当に素敵だし、初期のコナーの歌唱力は素人に毛が生えたような程度だったけど回を重ねるごとにどんどん上手くなっていくのがリアリティあって良かった。

非現実的なラストが少し腑に落ちなかったけ
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

5.0

こんなにも身体中に染み渡る音楽体験ができたのは本当に久方ぶりで、この余韻は暫く続くと思われる。
もし私が1番好きなミュージカル映画を問われたら間違いなく本作の名前を挙げるだろう。
それほどまでにこの作
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インセプション(2010年製作の映画)

4.7

ストーリー自体は単純なのにそれを取り巻く設定と映像表現の相乗効果でこんなにも面白い作品が出来上がることに感動した。
この脚本を構成できる脳みそを私と同じ人間が持っているという事実が恐ろしい。
どうした
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.8

鬱映画と名高い本作だが、これは愛に生きた悲劇のヒロインの物語ではなく世間と障がい者に生じた摩擦によって引き起こされた悲劇なのではないか。

そもそも“赤ちゃんを抱きたかった”というたったそれだけの理由
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

5.0

物語が章立てて構成されていたり小説のように地の文が語られているのはラースあるあるだけど、セットを用いず建造物による境界線をただチョークで描くだけという演出は流石に前衛的過ぎて度肝を抜かれた。
1つの大
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ヘザース ベロニカの熱い日(1989年製作の映画)

3.5

ミュージカル版ヘザースの“Meant to Be Yours”という曲に惹かれて映画まで辿り着いた。
ミュージカル版でJDがくそヤンデレサイコパスとして描かれているイメージが強かったため本作にもそれを
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

4.0

再鑑賞、再レビュー。

観客をも騙し、最後まで答えを明かさない構成がやっぱり面白いし観る度に関心させられる。
“生きながらの死”より”死による救済”を選び覚悟を決めたテディが、呼び止めるチャックに目も
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.3

再鑑賞、再レビュー。

劇中アーサーが“Don't Forget To Smile”を“Don't Smile”に書き換えるシーンが自虐的な皮肉たっぷりで大好き。

“この人生以上に高価な死を望む”ほ
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忘れられた人々(1950年製作の映画)

3.5

ハイボと簡単に関係を持ってしまうくらい低知能で貞操観念が無い母親から父親の分からない子供が産まれてしまいその子供が愛されずただの働き手として扱われる地獄。
人間はお金が無いと心の余裕も無くなるからスラ
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オールド(2021年製作の映画)

3.6

シャマラン節満載。
やっぱりどんなものよりも病気と老化が1番怖いってメッセージが他の作品含め一貫していて良い。

妊娠のシーンは、妊娠出産の流れや仕組みも想定できないくらい知能が幼い人間が身体が成長し
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.7

理不尽な学校の規則や“よそはよそ、うちはうち”の考えを村の掟に落とし込んで異議を唱える形で制作されたのかなとか色々考えながら観ていた矢先、やられた。深く考察していた自分を嘲笑うかのように話が急展開して>>続きを読む

ファイナル・デッドコースター(2006年製作の映画)

3.3

再鑑賞、再レビュー。

最高に最悪な気分。
殺しのバリエーションが豊かで殺人ピタゴラスイッチと呼ぶに相応しい仕掛けの数々に毎度感嘆させられる。
エンドロールで流れている曲の皮肉っぷりも良い。

スプラ
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13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.8

13日の金曜日に観れた嬉しい!

ストーリーよりもまずはひたすら殺人!という潔のいいクラシックホラーの醍醐味をたらふく味わえてとても気分が良かった。
ラストの湖でのシーンは本当に素晴らしい。
これ以降
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あくまのきゅうさい(2018年製作の映画)

3.3

B級ホラーの割にはゴア描写がリアルで食事中に観るべきではなかったと反省。

ダンサーなどの第三者を使って感情を表現させたり、アスペクト比の変化やクラッシック音楽、フラッシュバックの演出など、この作品ひ
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パージ(2013年製作の映画)

3.3

再鑑賞、再レビュー。

銃社会と資本主義と選民思想が産んだ成れの果てのディストピアがこの作品で描かれていると思うとおぞましい。
全登場人物が取った行動全てに同情し寄り添えてしまう私たち観手にとってこの
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スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(2020年製作の映画)

3.7

再鑑賞、再レビュー。

“羊たちの沈黙”のオマージュと思えるシーンがいくつか出てくるが、やはり脱獄シーンは何度観ても痺れる。
浦野が出てくると全体の空気が重苦しくなるのが画面越しでも感じられるほど、儚
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.7

この映画全体を通して、馬鹿げていることも突き詰めて真面目にやっていればいずれそれは正義になり得るし、一日一日を真剣に生きるということがどういうことなのかをタイラーが直接的に体現してくれたように思うけど>>続きを読む

バジーノイズ(2023年製作の映画)

2.8

私の中でこの映画に高評価をつける人がいればいるほどその理由が知りたくてどんどん低評価になっていってしまうような作品。

潮の自己中で身勝手な行動や、清澄に対して常に上から目線な発言には終始辟易させられ
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.3

漠然とした老いへの恐怖が可視化されたような作品。
昔は楽しかったはずの遊園地が今や地獄と化している現実が受け入れられないのか、希望を捨てきれずまた外へと繰り出す主人公の姿に胸が痛くなる。
この作品を観
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.3

再鑑賞、再レビュー。

作品内に散りばめられたちょっとした違和感を繋げていった先に待っている衝撃の事実。
ラストに向かっていくにつれ物語の謎だけでなく、前半に張られた細々した伏線たちも一緒に回収されて
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メランコリア(2011年製作の映画)

3.8

登場人物の心情を表したり臨場感を出すためにPOVみたいにカメラが揺れるのだが、三半規管よわよわ人間にとっては地獄みたいなカメラワークで何度も途中リタイアした。

鬱中に結婚式の披露宴なんて出来たもんじ
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狂った一頁(1926年製作の映画)

4.6

100年前にこの完成度の実験映像がモノクロ且つサイレントで制作されていたとは感慨無量だ。
テンポ感やカメラの構図、カット割を駆使してこの映画全体の不穏な空気を常に一定に保っているのが素晴らしいし、精神
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

4.4

ポリコレ配慮にうるさい今の時代は障がい者たちが苦労者で可哀想な存在として扱われているけど、むしろこの映画では彼らがいきいきと生活する様子が描かれていて胸を打たれた。
彼らも人間だから普通に恋をして、笑
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夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく(2023年製作の映画)

3.7

瑠姫目当てで鑑賞。
ラブロマンスに振り切らずソウルメイトとしての2人の関係性を描いていたので内容と展開はベタだが見応えはあった。
学校でのクラスメイトとのシーンでは学生特有のグロさが出ていて良かった。
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ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.0

通常版に比べクリスチャンのクズさがより一層際立っていたのと、コニーの死因に繋がっていた儀式を観ることができて良かった。
印象的な画が多く、ついまた観たくなってしまう中毒性がある作品。
ウィッカーマンや
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ナイト・ハウス(2020年製作の映画)

3.5

解釈も多様にできて考察のしがいのある作品。
全体を通して全てベスが精神崩壊して見た幻覚だったのか、単なる悪魔系のホラーなのか明らかにされていないのが面白い。
トリックアートのような視覚効果で怪異を表現
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.5

ホンテオタクとしては大歓喜の内容だったけどストーリーはいまいちだった。
海外の作品だから当たり前なんだけどTDLにはいないハットボックスゴーストが出てきてくれて嬉しかった。
ゴーストたちもう少し顔出し
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.3

真っ赤なグロスを塗りたくった唇のドアップから始まる衝撃的なオープニングやドラァグクイーンのように妖艶に歌い踊るフルターが本当に魅力的。
内容や展開はマジで意味不明だから脳死で観たけど、画が強すぎて鑑賞
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