昨年秋頃、金沢で「アニメ背景美術に描かれた都市」という企画展があった。本作冒頭シーン、中央を貫く道路と両脇の建物が遠く広がっていく背景の原画を見た。その緻密さは勿論のこと、手書きなので描写に強弱や濃淡>>続きを読む
動きも言葉も少ないが、センスの良い色使いと端正でしっかりした画面構成が魅力のアキ・カウリスマキ監督の「敗者3部作」中の1作。美しい映像に見惚れる。
90年代のフィンランドは91年のソ連邦崩壊により前>>続きを読む
めっちゃ好きなんですけど、このシュールでオフビートな笑いが。
1989年公開っていう事はゴルバチョフさんがペレストロイカ推し進めていたあたりかな。で、経済活動をアメリカに学びましょうって事?で、ソ連>>続きを読む
子供が小学校低学年ごろのあるクリスマス・イブの会話。
「サンタさんって遠くから本当にソリに乗ってくるの?」
学校でサンタはいないと話題になったようだ。
「もちろん普通のそりでは無理だからジェットエンジ>>続きを読む
はなちゃん、分かんない( ˘•ω•˘ )これ見て映像の意味をちゃんと理解できる人は宇宙人か未来人に違いない(確信)
「理解するのでなく、感じろ」とどこかのシーンで出てきたので、壮大な構想で描かれた映>>続きを読む
NYマンハッタン、トライベッカのイタリアンレストラン「ジジーノ」。かつての妻の伝統的料理にこだわるオーナーのルイス(ダニー・アイエロ)と、新しい創作料理に挑み批評家を気にする天才シェフで息子のウード(>>続きを読む
マルホランド・ドライブから見渡すハリウッドの煌々とした光。それは女優に憧れる女たちが手を伸ばしても届かない光なのだろうか。
女優として花開く者とチャンスに恵まれない者。ハリウッドには欲望や嫉妬、羨望>>続きを読む
健さん、マイケルに振り回される( ˘•ω•˘ )
色々とグレーゾーンでやんちゃなNY刑事代表ニック(マイケル・ダグラス)と何かと組織を優先しお堅い大阪府警の背広組 松田(高倉健)。このふたりがバブル>>続きを読む
名門校に赴任してきた栄養学の教師ノヴァク。「意識的な食事」という「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」食事法を生徒たちに説く。教師(立場が上)から授業として(単位を取らなけれ>>続きを読む
1960年代シカゴ。バイクに腰掛ける男の背中にある古き良きアメリカへのノスタルジーと哀愁。薄い青空の下、麦畑が広がる大地を走り抜けるバイク。その疾走感と開放感。男たちは何を求めて走るのだろう。
酒の>>続きを読む
医学部を目指す女子高生(芦田愛菜)とその父(阿部サダヲ)の物語パートと、このふたりの体内で働く細胞たちのパートが交互に描かれます。擬人化された細胞たちの日々の活躍を実写世界で見せてくれる楽しい試みです>>続きを読む
ノルウェーの森と湖の狭間にある無機質な四角い窓の並ぶ住宅団地。そこに存在する子供の世界と大人の世界。ふたつの世界には曖昧な境界があり、同じ事象が異なる出来事となってそれぞれの世界に静かに忍び寄る。不穏>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
リチャード・カーティス監督による、クリスマスにまつわるコミカル&ロマンティックな群像劇。
若い頃この作品を見た時、結婚式でのジュリエット(キーラ・ナイトレイ)の輝くような美しさと愛らしさ、そして横恋>>続きを読む
1962年、緑と茶色の舞台(機密機関)がまるで神の住むアマゾンの地の色のよう。自然が文明社会に侵され、人間が神に取って代わり権力をふるう時代。そこには国家間の争いがあり、権力争いがあり、障がい者や人種>>続きを読む
NYマンハッタンの奥にある裏びれた街、麻薬、殺人、犯罪の蔓延るリトルイタリー。親兄弟を一瞬にして殺されたマチルダの悲しみは計り知れない。まだ愛情をもって庇護されるべき12才の女の子が命を狙われ、ただひ>>続きを読む
美しい青のリボンに結ばれた
優しいサーモンピンクの3層の小箱
ひとつずつゆっくりと開ければ
ウェス・アンダーソンの世界が広がる
シンメトリーに少しだけ風味を加えた背景に
グランド・ブダペスト・ホテル>>続きを読む
警察(SWAT)VS爆弾魔のノンストップ・アクション。『ダイ・ハード』の撮影監督だったヤン・デ・ボン監督の「夢」が詰まっている。
SWAT隊員のキアヌ・リーブスってこんなに爽やかな好青年だっけ?と思>>続きを読む
マンハッタンをこよなく愛するウッディ・アレンが、ガーシュインの名曲「ラプソディ・イン・ブルー」にのせて白黒の映像の中に描き出す、都会の男女の下世話な会話と恋愛劇。
モノトーンだけど陰影があまり濃くな>>続きを読む
1968年の作品なれど、科学的考証を重ねたであろう宇宙船やポッドの造形が素晴らしい。実際にNASAが使っていたのではという錯覚を覚えるほど。船内システムの造形やそこでの生活を丹念に描いたシーンにもリア>>続きを読む
う~ん、、なんだろうこの感じ。グロい、汚い、薄暗い、状況が分からない心細さ。なんで自分はここにいる?、なんで繋がれてる?家族が殺される?犯人はだれ?
分からない事だらけの中で、少しずつ謎が解けていく>>続きを読む
IMAX レーザーGT上映にてF席中央。臨場感MAX。
近未来、広大なトウモロコシ畑を襲う砂嵐。この環境変化によって食糧難を伴う人類滅亡の危機にある地球。人々は宇宙に生き延びる道を求めた。
家族の>>続きを読む
アマプラ配信終了までに1981年公開の007ロジャー・ムーア版を。80年代に数々のヒットを飛ばしたシーナ・イーストンの主題歌でも有名な今作。オープニングクレジットの彼女の登場にはちょっとびっくり。>>続きを読む
『007』1作目(1962年公開)の後は最新話(2021年公開)を視聴。60年の間の時代の変化か予算のせいか、はたまた主演者の個性の問題か、そこにはあらゆる意味で大きな変化がある。が、オープニングの「>>続きを読む
007シリーズって25作もあるんですね(ウィキ調べ)。知りませんでした。。無知ですみません。6代目ダニエル・クレイグ主演の『カジノ・ロワイヤル』以降しか見てません。で、アマプラがそろそろ配信終わりそう>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ペルー東部の先住民族音楽をターが歌う中でのオープニングーーー「彼らが歌を受け入れるのは、歌を生み出した魂と歌手の魂が同化したときだけだ。そうやって過去と現在を融合させ、時空を超えて行き来する」本来のタ>>続きを読む
ナポリ沖に浮かぶ美しい小島にチリから亡命してきた高名な詩人パブロ。貧しい漁村の海の見える高台に住む詩人の元に、自転車で郵便物を運ぶマリオがやって来る。マリオは文字は読めるが学は無い。そんな彼が詩人パブ>>続きを読む
舞台はニューヨーク。ひとり暮らしのドッグとロボットの出会い。大都会の風景が多色だが中間色を使って仕上げられ、その少し沈んだような落ち着いた色合いはどこか淋しさを感じさせる。擬人化された動物たちが住む世>>続きを読む
「歴史は繰り返す」ー古代ローマの歴史家クルティウス・ルフスの言葉。「グラディエーター」の物語再び。この言葉の通り既視感を覚えるシーンが多々ある。が、それ故か1作目を超える作品を創るのは難しいのだなと感>>続きを読む
マクシムス(ラッセル・クロウ)とコモドゥス(ホアキン・フェニックス)。家族の愛を知り ただその幸せと無事を祈る者と、父たる先帝を強く求めながら認められなかった者。それぞれに求めていたものを互いが奪った>>続きを読む
とにかくオープニングがGood。スタイリッシュな映像と車の走行音と華やかな音楽で、ヘンリー(レイ・リオッタ)ジミー(ロバート・デ・ニーロ)、トミー(ジョー・ぺシ)この3人のいるギャングの世界とそれぞれ>>続きを読む
リンの家庭は裕福ではないが、頭脳明晰 成績優秀ないわゆる優等生。親に金はあるが勉強はできない友人を助けるためにやってしまった「カンニングさせる」という行為。これをきっかけにどんどんスケール(&人数)が>>続きを読む
『ユーリー・ノルシュテイン作品集ひとりじゃないんだよ』鑑賞記録。
セルロイドに緻密に描き込まれた切り絵を用いるストップモーションアニメ。マルチプレーンと呼ばれる何層ものガラス面に切り絵を配置するモン>>続きを読む
1950年代、フランスの支配下から逃れ変わっていくベトナム。移りゆく時代に変わるものと変わらないものを静かに映し撮っていく。
不可思議で少し不穏さを感じる音楽が流れる中、ひとりの少女が迷宮に迷い込ん>>続きを読む
私にはバレエ経験はありませんが、ダンサーの美しく洗練された身体的表現を見ることが好きです。最近はYouTubeで様々なダンサーさんたちの動画が楽しめますが、実際に舞台で公演を見に行くとなると さすがに>>続きを読む
東ヨーロッパのジョージア州。山合いの緑豊かな小さな村にかかる ふたつのゴンドラ。この作品の主人公はちょっと古びたオレンジ色のゴンドラかも。
登りと下り、それぞれのゴンドラ乗務員は思春期真っ只中の女の>>続きを読む
広大な小麦畑とどこまでも続く空。荒廃した家屋とそこに住む人たち。金色に輝くはずの小麦は淡い黄色で、空も薄い水色。どこを見渡しても生気がない。その少年は「死」に対して無感覚だ。父を包んで燃え上がる炎をた>>続きを読む