らさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ら

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コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

3.8

近年観たドキュメンタリーの中では『イカロス』以来の衝撃。ルーマニア以外の国や私たちの住む場所で起こっているあらゆることと似ているため、他人事とは思えなかった。ナレーションが多すぎたり、インタビューベー>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ楽しかった。ドクター・ストレンジ(とピーター)の迂闊さによって物語が展開していくところは「おっと…」と思ったけど、フィクションなんてそれでいいのだ。

あらゆる悲劇と喪失を一身に背負う感じ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.7

さすがスピルバーグ。めっちゃ「映画」だった。よくあるミュージカル映画では、ドラマパートから歌とダンスパートへの移行が物語の進行をスローダウンさせていると感じてしまうこともあるが、『ウエスト・サイド・ス>>続きを読む

オキュラス 怨霊鏡(2013年製作の映画)

3.6

『真夜中のミサ』を観て気になっていたマイク・フラナガン。終始不穏。よく出来ていて面白かった。

モーリス(1987年製作の映画)

3.8

同性愛を扱った映画としてはマストで観るべきだと思った。美しい映画。やや皮肉っぽく観てもいいのだと思う。同性愛への社会的な扱いだけでなく、女性への眼差しや貧困や階級差、信仰と伝統と規範について考えさせら>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.9

こういうモラルにとらわれない映画とても好きだ。「アルコールは身を滅ぼす」というありふれた教訓に偏らず、普通にアルコールのおかげでうまくいってしまっている部分もたくさんあるし、観ていてお酒が飲みたくなる>>続きを読む

ガントレット(1977年製作の映画)

3.6

こんなに家と車に銃弾で穴が空く映画は初めて観た。撃ちすぎ…。ヘリコプターのアクションもすごい。今やなかなか観られないタイプの映画でもあってとても楽しめた。

すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.9

思っていた以上にスリリングで見応えがあった。アメリカ映画好きの好きな要素が詰まっている。渋い現代西部劇かと思いきや、かなりサイコスリラー。

刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年製作の映画)

3.8

美しく奥深い映画。名作でした。アーミッシュ関連で『DEVIL'S PLAYGROUND』を思い出した。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.8

なんだこれ。ウェス・アンダーソンにしかできない過剰さ。映像もセリフも情報量が多過ぎてクラクラした。それでもウェス・アンダーソンの「あの画面」だから、不思議と最後まで楽しく観ていられる。豪華キャストも個>>続きを読む

ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場(1986年製作の映画)

3.9

ドマッチョだけどめちゃくちゃ面白い。なんだか良い意味でも軽い。「どうか私を怒らせないでください」と言ってみたい。

東京流れ者(1966年製作の映画)

3.2

とにかくテンポがいい。大胆な省略カットの連続。虚構性と美学的こだわりが映画的で良い。物語自体はよくあるテイストだけど、鈴木清順フィルターでとんでもない映画になっている。「頼むから俺を怒らせないでくれ」>>続きを読む

学校の怪談4(1999年製作の映画)

2.7

個人的にはあまり魅力的な作品ではなくて、話が入ってこなかった。正統派なJホラーっぽくなっている。やっぱり三作目までのジュブナイル感が好き。ただ、会話劇はやっぱり平山秀幸×奥寺佐渡子が良いなと思った。

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.7

美術面での作り込みは凄まじいけれど、これをストップモーションでバチバチのアクションにしてしまう執念と熱の入り様はもっと凄まじい。正直、演出や音楽はそこまで好みじゃなかった。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.8

最近観た映画の中で最も語りづらい不思議な映画。複雑で豊か。決して派手ではないけれど、三時間の長尺の中で万華鏡のようにゆったりと変化していく様相はスリリングだった。

逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

うまく言葉にできないけれど、とても良くて沁みた。ホン・サンスの魅力こういうことなんだろうな。本当は思索の渦に巻き込まれるような作品なのだろうけど、近頃本当に心の余裕がなくてあまり内容について考えられな>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.6

映像技術の進化の極地。自宅で観たら魅力半減どころじゃないかもしれないが、さすがに見応えと見甲斐はある。ただ、美しい画→美しい画→美しい画の連なりという感じで、映像美は確かにすごいものの、映画的な快楽は>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

3.7

基本的にストーリーラインはシンプルで「だけ」の映画なのが好みだった。過度にエモーショナルな演出を施したり、説明台詞を多用したりしないのは、人間の想像力と映画を信じているから。『はちどり』同様に、少女に>>続きを読む

宮本武蔵 巌流島の決斗(1965年製作の映画)

3.6

ラストの決闘のあっけなさがかえって新鮮に感じた。あえてカタルシスを与えないようにしているのだろうか。高倉健の殺られ顔良かった。

学校の怪談3(1997年製作の映画)

3.6

シリーズ一作目や二作目よりは好きじゃないけど、魅力的な作品。平山演出の方が好みなのかな。このシリーズ、今観ると『ストレンジャー・シングス』的なジュブナイルホラーの先駆けに思えて楽しい。というか、かなり>>続きを読む

サイレンス(2016年製作の映画)

3.7

期待はしていたし、やっぱり良かった。随所で光る確かな演出。火災報知器も光っていた(二つの意味で)。主人公が『真夜中のミサ』原作者という設定は、物語にそこまで深い関係はないけれどアガるポイント。映画に細>>続きを読む

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.4

映像はトニスコ!って感じでかっこいいし豪華だが、全体的に面白いかどうかは微妙。ほとんど回想メインの映画なので、見せ方や語り方を工夫するか90分にして欲しかった。いろんなツッコミどころは置いといて、ラス>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

3.9

思っていたより数段良かった。面白いし、何よりアニメーション作品としてアニメーション表現が良い。「音楽」の高揚感も体感としてちゃんと伝わってくる。製作者の熱が理想的な形で作品の質に反映されていると感じた>>続きを読む

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.1

絶望とわずかな希望の間を彷徨う物語は決して明るいものではないけれど、圧倒的な美しさに惹きつけられて四時間弱の長さでも全くダレることがない。傑作。ギリギリの希望としてあるのは「象」だけだ。正直かなり厭世>>続きを読む

リアリズムの宿(2003年製作の映画)

3.9

他では味わえない独特の空気感のある映画。オフビートだけど狙いすぎていないので、ほとんど見たことのある景色、経験したことのある出来事と会話に思えるリアルさがある。ちょっとジム・ジャームッシュっぽい(『ス>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.8

想像してたより全然面白い。ちゃんと香港映画的な面白さが上手く取り込まれていて感心した。正直『エターナルズ』よりちょっと好きだな。具現化された中国神話の神獣たちも良かった。特に、あのモフモフの羽生えた生>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

3.8

とてもユニークで尖っている。まず古典映画っぽいルックだし、膨大な引用(https://transformer.co.jp/m/thelighthouse/)もあってロバート・エガースはおそらくめちゃめ>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.8

個人的には、思っていたよりも面白かった。地球の行く末を決めるのにあまりにも「人類」の意志が関わっていないし参加もできない(エターナルズの面々の自由意志の話ではあっても、人類の自由意志の話にはなっていな>>続きを読む

新座頭市物語 折れた杖(1972年製作の映画)

3.8

強い期待もなく観たんだけど、ものすごい作品。尖っているし幻想的で不思議な映像世界。

雨月物語(1953年製作の映画)

3.6

正直『残菊物語』が個人的に圧倒的すぎて、それ以外の溝口健二作品にあまり心からピンときていない。思ったより見やすい話だった。

The Hand of God(2021年製作の映画)

4.0

美しいし瑞々しくて素晴らしい。結構笑えるところも良かった。最初の気合の入った空撮から惹き込まれる。パオロ・ソレンティーノはもっと観なければ。

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

3.8

さすがの群衆描写。三船敏郎の馬上のアクションもすごい。太平と又七が最後までちっとも変わらないのが最高だと思ったが、最後の最後でちょっとだけ改心するバランスもまた最高。

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

一部で言われている皮肉っぽさはそこまで感じなかった。瑞々しくて普通に祝福できる(されるべき)「花束みたいな」恋。そうでなければここまで当たらなかっただろう。

劇中でややマニアックな固有名詞が多数登場
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御用牙(1972年製作の映画)

3.1

な、なんだこれ…。こんなの演じられて成り立つのは勝新以外にいない。