可愛くない(と周りから言われる)女の子、という物語の定番主人公ってどこに原点があるのだろう。良いショットが多く、1930年台の雰囲気を取り込んだ白黒の画面がばっちりハマっていた。
まとまっていて面白くて良い回だった。今のところ、ワクワク感の強かった第一部に並ぶ出来。
あまり重要な回では無さそうだが、森の石松がメインになってきた。森の石松(森繁久彌)最高です。
今まで見てなかったことを後悔したレベルの傑作。素晴らしい映像表現。『ブリキの太鼓』という作品が示す批評性と暗喩のためには、通奏低音のように流れる"気持ち悪さ"が必要であって、エロもグロも別に気を衒って>>続きを読む
『天はすべて許し給う』の現代的で(時代設定はそのままだが)見事な翻案。と言っても、もう19年も前の作品…。
なんて美しいラストシーンなんだろう。映画の別れはやっぱり列車に限る。そして、潔く終わってし>>続きを読む
人物が上手く描けておらず、キャラクターの魅力が乏しいので、没入感があまりない。クライマックスの大殺陣も描写としては見応えあるが、感情的にはほとんど入り込めない。映像がかっこいいだけに残念。『十三人の刺>>続きを読む
映像もかっこいいが、武満徹の音楽がかっこよすぎる。清河八郎は興味深いキャラクターだが、丹波哲郎のことはまだ心から好きになれていない。
ラスト、三人の家来が信康を討ちに来てから以降が素晴らしすぎる。世界最高の役者・中村錦之助の名演に、名匠・伊藤大輔の演出!そして、クライマックスの切腹のシーンで泣いてしまう。
ロメールには珍しい冬、雪景色。モノクロームの映像がばっちりハマっていて美しい。ロメールといえば暖かい夏の陽光のイメージが強いが、この作品は冷たくキレのあるクールな映像美。宗教や哲学について交わされる会>>続きを読む
良い意味で、こんな「キモい」と言われかねない話を凄まじい快楽を伴う映像と共に大真面目に(?)描けるのがすごい。ある意味文学的。皮肉もあろうが、映画としては「マジ」ゆえに滑稽なのだ。これはもう若くない男>>続きを読む
東映集団抗争時代劇×忍者。地味目だが、忍者がいかにも「忍者!」って感じなのが良かった。魔法のような忍法ではなく、個人的に幼い頃から関心のあった現実的な忍術(考証は置いておいて)。撮影もアクションも工夫>>続きを読む
良い映画だし設定も魅力的で、市川雷蔵の演技も良いのに何故かどハマりする感じでもない。
初め柳生十兵衛でなく幕屋大休が主役だと思っていたが、見方によっては最後までその通り。水中でのドロドロ戦闘シーンを筆頭に、趣向を凝らしたゲリラ戦の数々はなかなかハードで見応えがあった。殺陣というよりも殺>>続きを読む
エドワード・ヤンの作品群の中ではだいぶキャッチーな方。それでもヤンらしく台湾社会が色濃く映し出されており、芸術的で尖っている。銃殺シーンとラストのキスは名シーン。
錦之助最高!(何度目だ一体)
人情ものは大好物というわけではないが、中村錦之助が良すぎてどうしても胸を打たれてしまう。長回しも芸術的できまりまくっている。
シリーズ最大の人気キャラクターである森の石松が最後にちょろっと登場して啖呵を切るのだが、既に本作の一番良いシーンになってしまっているほど魅力的。次回からも楽しみ。
三島由紀夫の美学と三隅研次の映像美学が混じり合っていて濃い。『斬る』『剣鬼』と比べて最も文学性が高く、趣も違う現代劇。とても理解できない気持ちと興味深い気持ちが両方あって、映画としては面白いです。
溌剌とした中村錦之助最高すぎる。見ているだけで涙が出そうになる。錦之助主演の映画を観るたび「最高だ!」と思っているのだが、本作も素晴らしすぎるから仕方がない。
全体に軽快なテンポで楽しい娯楽映画。群>>続きを読む
『マンハッタンの二人の男』同様に、街の映像がかっこよすぎる。こちらはモンマルトル。オチがおしゃれなコメディで良い。
話自体はあまり好きじゃない部分もあったが、中村錦之助が最高。前半も後半も最高。木村功も最高。
ジャック・タチが莫大な予算をかけてタチヴィルを建設し、撮りたい画をひたすら撮っているだけの映画。異常だし最高。ある意味、彼の作品群の中でも極北に位置している。下手をすると映画のモブ描写の最高峰なのでは>>続きを読む
主人公は若殿で、アウトローでもないし、アナキズムの要素も一切なくて、自分の特別好きな時代劇の型ではないのにこれが面白い。あまり深く考えずにコメディとして笑って見られる作品になっているのが功を奏している>>続きを読む
作品上の大きなテーマである「暴力と狂気に染まっていく組織・人間」を丹念に描くだけだと思っていたので、物語上の仕掛けも純粋に楽しめた。かなり好き。大川橋蔵を全然知らないのも個人的に良かったのかも知れない>>続きを読む
どこから忍者が襲ってくるのか分からない緊張感ある演出と趣向を凝らしたアクションに、スパイモノの要素もあって面白かった。忍者に入れ込んでいた幼少期に見ていたら思い入れの深い作品になっていたかもしれない。>>続きを読む
第一作目で子連れ狼誕生のいきさつを描いたので、二作目では思い切って振り切ったアクションをやっている。全編を通して台詞少なめで、最後までアクションばかりで通してしまっているのがすごい。スプラッター具合も>>続きを読む
連綿と続く「武士道」(括弧付き)の呪い。飯倉家の歴史=日本の歴史のカリカチュア。中村錦之助がやり過ぎなくらい徹底的に残酷な目にあう。カタルシスも無くて見ていて辛い気持ちになるが、どの話も見応えあってド>>続きを読む
噂通りめっちゃ面白い。キャラクターが良くて、笑いがあるのが最高。二部以降も楽しみ。森の石松が早く見たい!
おそらく観た人全員が「おい!」と言いたくなるであろう大きなツッコミどころがある。でも忘れちゃならないのが、この映画で「ある使命」のために動いているのは、皆世間から爪弾きにされているならず者たち(wit>>続きを読む
無邪気に笑う大五郎を乳母車に乗せて歩く、厳しい面をした拝一刀(若山富三郎)という大発明。ワクワク第一作目。シリーズ初観賞なので、スプラッター描写に面食らった。若山富三郎の殺陣は、片手で刀を振っていても>>続きを読む
ジム・ジャームッシュも観まくった岡本喜八版『大菩薩峠』。内田吐夢版を先に観たこともあり、机竜之介といえば自分の中では圧倒的に片岡千恵蔵のイメージだが、仲代達矢の狂気的な演技も良かった。硬質なモノクロー>>続きを読む
謎の魅力、完。
何がどう面白くてなぜ好きなのか自分でもよく分からないが、主には豪華で怪しい世界観と内田吐夢の演出、片岡千恵蔵の演技と異質な存在感だと思う。ショットも片岡千恵蔵をとらえている時(殺陣を>>続きを読む
以前、第一部を観たときに「もうこれでお腹いっぱい。第二部はいいや」と思っていたはずなのに、いつの間にか片岡千恵蔵の机竜之介が頭にこびりついて離れなくなっており、気になって第二部を観てしまった。たまらな>>続きを読む
ロメールは好きだが、悲しいかな自分のような人間は取り留めのない恋愛話よりもむしろ政治話の方が入り込めるくらいだ。パリ郊外の田舎町の風景が美しく、映像的快楽度も高い。映像的な質感で言えば、ロメールの映画>>続きを読む