本格ミステリー映画の傑作であり、芝山努監督が『のび太とブリキの迷宮』について語っていた「ドラえもんが便利すぎて『映画ドラえもん』なのにドラえもんが邪魔になってしまう」問題に対する模範回答。
冒頭の長距離狙撃、カーチェイス、採石場の戦い(助手付き)と見どころが多いのも良いが、なにより謎解きものとしてプロットの完成度が高いのが嬉しい。
『バーフバリ 王の凱旋』との前後編らしいので、まずこちらを。ダイナミック滝登り、マヒシュマティ王国の俯瞰(テーマ曲つき)、勝手にタトゥーペイント求愛、命を刈り取る形をしている回転鎌戦車などなど、嬉しく>>続きを読む
複数の筋が見えてきて、それらを「現在と過去」、「現実と虚構」とラベリングしながら観ていくと、ラストになって収まりが悪くなっていくという奇異な作品。シーン描写のもたつきが気になった部分もあるが、死体の美>>続きを読む
壮大で高密度な人間ドラマにと画力に圧倒され体感的には10時間くらいだったのに実際にはたったの2時間半という驚き。主要な登場人物たち全員に生命力が漲っているので、その死すらも生き生きしく感じられた。良い>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
昨年(2017年)の『SING』に続き、またもや「音楽の力」をテーマにした傑作に出会えた。私的ピクサーアニメ作品のベスト更新。同時上映の『アナと雪の女王』短編(これも素晴らしかった)と続けると、面白い>>続きを読む
4DX3D吹替版にて鑑賞。冒頭のオアシス観光案内の幸せな浮遊感、からのカーアクションシーンはもう4DXなしでは観られないかもと思ったほどのアトラクションに満ちていた。全編通して楽しく観られたし、2時間>>続きを読む
『瞳の中の暗殺者』から幾年月、警察内部の人間ドラマでここまで描く作品が『コナン』から出てくるとは。劇場版コナンのベストを選ぶときに「幅の広さ」を意識した選出をするとしたら必ず入れる作品になるな、という>>続きを読む
自分の中で「日本刀によるチャンバラと巨大ロボット同士の取っ組み合いが一度に観られる唯一無二の映画」というラベリングをしていた『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』から、そのラベルを剥がすときがついに来て>>続きを読む
作中作(曲)である「リズと青い鳥」によって学校ものとしての枠線がしっかりと引かれている作品全体の詩的濃度は徐々に高まり、それがピークに達したとき、みぞれと希美から発せられる自身たちの関係性を表す比喩表>>続きを読む
タイトルに"万引き"とあるものの、そこだけがメインではない。それどころか、日頃ニュースで見聞きするような社会問題のテーマ全部乗せの具沢山大盛りみたいな映画で満腹感を感じた。予告の"絆"というワードに無>>続きを読む
原作を読んだとき、序盤のコメディは「一見時代劇ものであることと言葉の現代感の落差」による笑いだと認識していたが、映画ではその手続きがなく、軽いセリフも役者の身体性を伴うとどこか微妙で、最後までギャグの>>続きを読む
全編に渡って横溢する頭脳戦趣味が楽しい。椿三十郎のスマートさに陸田夫人のキャラクター性が噛み合い、いい意味で綻びが生まれ、押入れ侍のユーモアや椿の合図という逆転劇の発端にも繋がるという脚本の隙の無さ。>>続きを読む