まるでプロヴァンスで休暇を過ごしているみたいな風光明媚で素敵な映画。それに加えて疎遠だった孫たちとの関係に苦心するジャン・レノがとにかく素晴らしい。ラストも静かな感動。プロヴァンスの光と風を感じてしま>>続きを読む
リチャード・ハリスの西部劇は一癖あるものが多い気がするのだが、この作品もなかなか。でも実話に基づいているので、観ていて説得力を感じるのだ。ラストは、個人的にはそう悪くもない気がするが、賛否が別れるのだ>>続きを読む
バード・ランカスターが先住民?と少し違和感を持っていたのだが、信念を持って戦い、守り、大地に根を生やすが如き孤高な姿に感銘。
戦闘真っ只中でのストーリー展開かと予想していたのだが違った。巨大戦艦造設費の不正解明に挑むことになった天才数学者を演じる菅田の面目躍如の熱演。圧倒的な数字の力。しかし、数字だけでは如何ともし難い、さら>>続きを読む
殺したいけど殺せない。マイケル・キートンが、とんでもない囚人役で大暴れ。息をもつかせぬ逃走劇だが、観ていて、いささか疲れた。ここまでやってくれたら、もう十分なのだ。
タイトルからしてドタバタラブコメディかと思いきや、思いのほかシリアスな展開。儚げな妻と元工作員を演じる綾瀬のキャラ変がなかなか魅力的。この人のアクション時の体幹はすごいなぁ。それにしても、この映画の内>>続きを読む
高度成長期真っ只中の明るく元気な日本。姉の浅丘との間で、ほのかな恋のもつれに翻弄される吉永の一途な健気さが何とも意地らしい。姉妹の恋の行方が見えず、観ているこちらがヤキモキ感を覚えるのだ。浅丘と吉永の>>続きを読む
時代とは言え、何とも切ない気持ちになるシーンもあるが、貧しさの中、悩み苦しみながらも、聡明で健気な吉永に心洗われるのだ。
重苦しい家族の在りよう。悩みと苦しみから抜け出せないでいる有馬稲子を観ていると心が重くなってくる。そういえば笑顔がほとんどない作品だなぁ。山田五十鈴の笑顔は物悲しくて、誰よりも切ない。それにしても、セ>>続きを読む
自己破産の窮地の中で、他人の命のために自分の利益を捨てられるのか。ギリギリの葛藤と苦悩の果ての決断。腹を決めた三船と、冷静ながら熱のこもった捜査を陣頭指揮する仲代の重厚な組み合わせで、身代金をめぐる緊>>続きを読む
なかなか重厚な社会派復讐劇ミステリー。冒頭からしばらくは、少々とっつきにくかったのだが、展開していくにつれ俄然ヒリヒリ感が募ってきてもどかしさを感じてくる。追い詰められる西村晃の演技は特筆もの。そして>>続きを読む
結婚間もなく戦争で未亡人となりながらも、店をひとりで切り盛りしてきた義理の姉と彼女を恋慕する弟の危うくも微妙な関係。心が揺れ動く義理姉の高峰秀子が迫真の演技を見せてくれる。一体どうなるのかとヤキモキ感>>続きを読む
あの眠狂四郎のイメージとはかなり異なる市川雷蔵の、いつか何か起こしそうな危ない内面的苦悩が狂おしいほど滲み出る迫真の演技が素晴らしい。寺の炎上シーンはなんとも幻想的。モノクロながら、光と影の映像は美し>>続きを読む
ミャンマーを舞台にした恐怖の救出に巻き込まれるランボー。今回は、さすがに歳のせいか、ひとり孤独の戦いではないので、これまでのような派手なボディアクションはないが、そこはCG技術を駆使してカバーという印>>続きを読む
これぞハードアクション・エンターテインメントと言わんばかりに、これでもかと繰り出す戦いの嵐。前作よりかなりスケールアップしたランボーのゲリラ戦はやっぱり面白い。しかし、前二作の根底に流れていた鬱々とし>>続きを読む
同じ成瀬監督作品の「めし」のどこか明るい軽快感とは打って変わって、嫁ぎ先の父親に淡い恋慕(?)を抱きながらも観ていて痛々しくなるほど自分を押し殺して寡黙で淑やかな嫁を原節子が、そして妻との関係が悪くて>>続きを読む
奔放な二十歳の姪が転がり込んできたことで夫婦の間に流れ始める微妙な緊張感と危険な香り。張り合いのない生活に疲れた不機嫌さと嫉妬に揺れ動く原節子はなかなか見もの。何かと神経を逆撫でするこの姪っ子の存在に>>続きを読む
時代劇映画撮影に奔走するチョッと変わった高校生たちのユニークな青春群像劇。役者たちが高校生には見えないものの、それが不思議に清々しくて、観ていてニヤニヤしてしまうのだ。ラストは新鮮な驚きと感動。主人公>>続きを読む
穏やかな家族と気の置けない友人との関係の中で、娘を嫁に出す父親の寂しさを笠智衆が淡々とさりげなく全身で演じる。味があるなぁ。何とも後味が良いのだ。昭和三十年代の街並み、できて間もない団地、チャブ台が中>>続きを読む
今回は怒りが沸々と煮えたぎって、前作の溜まっていた鬱憤を一気に爆発させるランボー。味方にも見放され、ひとり孤独の戦いに挑んでいくランボー。ありとあらゆる戦法で敵を倒してゆくが、そこに爽快感はなく、陰鬱>>続きを読む
理不尽な言いがかりをつけてきた田舎警察相手とは意外だったが、それだけに下手な犯罪組織などと戦うよりも遥かにリアル。警察の山狩に対するベトナム戦争なみの山岳ゲリラ戦は凄まじい。しかし単なる娯楽アクション>>続きを読む
ジェシー・アイゼンバーグ主演コメディなので、つい観てしまった。何とも安易で軽い設定に前半は眠りそうになったが、事態はあらぬ方向に捻れてきて、後半は俄然の盛り上がりを見せる。そして何とも面白いラストへ。>>続きを読む
真相が明らかになるのがラスト近くというのはミステリーものでは当然の展開なのだと思うが、それ故に個人的には、何だかよくわからない状況の中で何やらゴチャゴチャやっているなぁ・・と感じてしまった。対決するハ>>続きを読む
想像していたよりずっと上質で清々しいファンタジー的コメディ。中学生男子とヤクザの若頭補佐との一種禁断の交流、瑞々しい中学の合唱コンクールとヤクザの恐怖のカラオケ大会。表の世界と裏の世界をひとりの中学生>>続きを読む
クーパーとランカスターの異色の組み合わせ。ランカスターのクセが全面に出ていても、やっぱりクーバーの静なる存在感は霞まないのだ。
結構ジリジリさせられる展開。きっと原因は思い込みの激しい無能な副保安官の存在。彼こそこの映画を盛り上げているのだ。激しい撃ち合いの末のラストはかなり凄まじい。明るくて快活なウェインの西部劇が好きだが、>>続きを読む
期待に違わぬ面白さ。野良犬のような、まさに名もなき者から成り上がっていき、強烈なエネルギーで既定の枠をぶち破ったあの時代のボブ・ディランを体現してくれたシャラメに大賛辞を送りたい。歌も演奏も、そしてあ>>続きを読む
欲求不満で負のエネルギーを沸々とさせる愚直なまでに真っ直ぐな荒くれを文太が大熱演。やっぱり文太は愚連隊的役柄が似合うなぁ。
なかなかハードな展開に固唾。あの「仁義なき戦い」前のハードボイルド文太。でもその下地はこの作品でも感じるのだ。最後は壮絶。イケイケの昭和時代の弱肉強食。迫力があるなぁ。野坂昭如の劇中歌が印象的。
モノクロのクールな始まりに不穏な期待を持ったが、コワオモテのウェィツとルーリーとは何ともギャップのある展開に。それにしてもアメリカっぽくないなぁ。
静かに季節が変わり穏やかに日々が過ぎていく。お茶を通して何かを掴んでいく一人の女性の生き方を静かに描いた静謐な作品。心が落ち着くなぁ。
オールスター揃い踏みのお祭り的ドタバタレーシングコメディ。レイノルズを象徴とした陽気で大雑把で楽しい良き時代のアメリカを感じてしまうのだ。一方でオールスターが揃ったせいか散漫な展開で、目を見張るような>>続きを読む
スウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」のリメーク版。オリジナル版はかなり良かったが、このトム・ハンクス版も負けずの面白さ。冒頭、観慣れたトム・ハンクスにどうしてもオリジナル版の主人公が重なってしまって>>続きを読む
かつて世界大戦で活躍した米英日独のエース戦闘パイロットたちが集結して悪に立ち向かう。この超B級的設定に期待と不安が入り混じったが、これは面白い!何といっても零戦、メッサーシュミットなど各国の往年の戦闘>>続きを読む
豪華な組み合わせ。不穏な始まりに期待が膨らんだが、その後の展開はメリハリがないというのか深みがないというのか、個人的にはこの物語で何を訴えたいのか輪郭がぼんやりとしたまま終わってしまった感がある。その>>続きを読む
散漫さすら感じていた平行するストーリーが見事に結実したときには感嘆を覚えた。それにしても真相が明らかになっていく過程は回りくどさと捻りのてんこ盛りで少々お腹いっぱい感を覚えたが、ラストはタイトルの意味>>続きを読む