足らんティーノさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

足らんティーノ

足らんティーノ

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

人間の頃は元ヴァイキングだったサンタクロースが、「全米一堅固な家」の裏金を奪いに来た武装集団と死闘を繰り広げる、トミー・ウィルコラのクリスマスストーリー。

サンタクロースが銃の使い方を知らないから泥
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.2

"「ザ・スクエア」は信頼と思いやりの聖域です。この中では誰もが平等の権利と義務を有します"

スクリーンというスクエアの中で、主人公に起きるふたつの事件を軸に、「優位に立とうとする人間」と「弱者を無視
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バッド・マイロ!(2013年製作の映画)

3.3

ストレスが具現化した、ETのような見た目のポリープモンスター・マイロ。

テッドの二匹目のドジョウを狙ったのか下ネタ満載の、かわいいモンスターもの。

手の焼けるマイロにペットのように餌をやったり、お
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マッド・ハウス(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

LAの全体主義共同体ホラー
森の中や人里離れた土地で原始的な生活を送る共同体ではなく、ハリウッドのアパートで共同体を営んでいるというのが新しい。
監禁→洗脳が完了して裏方に回り、それまでの舞台裏を観ら
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仕立て屋の恋(1989年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

観察(のぞき)が趣味で近所の嫌われ者のチビハゲ変態紳士。
パリとのギャップが斬新。

ネズミを大量飼育していることで優しさと気持ち悪さを演出して、最後に線路に連れていく切なさまであり、このネズミが良い
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

4.0

17世紀の娼婦・美しき諍い女を描きたいと苦悩するも創造性の衰えた老画家が、エマニュエル・ベアールの内なる真実を見出し、カンバスに描き上げる話。
日本公開時に、モザイクをかけるべきなのかどうか"ヘア論争
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ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.3

最強の掃除人ニコラス・ケイジvs殺人カルト集団が憑依したテーマパークの8体のキャラクター

無口でハードボイルドなニコラス・ケイジの運転する車が田舎道でパンクして、それを直してもらう代わりに廃墟と化し
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「中身は関係ない」
肥大化したナルシズムと他人への無関心が生んだ、ウォール街のサイコたち。

「相手が誰か」よりも高級レストランで(名前)と食事したことだけが重要だから、相手の名前をみんなが間違えてい
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チャイルド・プレイ2(1990年製作の映画)

3.7

前回とは少し設定が変わって、チャッキーが人形の体のままどんどん人間になっていき、そのために急いでアンディの体を奪おうとするという設定になっていて、「激しく遊んだら出血する仕掛けの人形」というオリジナル>>続きを読む

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

不衛生な地下の不快さ、思うように身動きの取れないもどかしさ、セイフティーゾーンはあるものの水位が上がってきて刻々と迫るタイムリミット、、、わずかな希望とそれを覆す絶望の繰り返しで、それだけでもよくでき>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

アカデミー賞の前後に、これを観せられたらどの作品も太刀打ちできない、って話をよく聞いていたけど、その意味が良くよく分かった。
マルチバースという発明を、その本当の価値を、はじめて体現した作品であり、「
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バタリアン(1985年製作の映画)

4.2

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』へのオマージュと、ホラー映画愛に溢れた、最高に愉快なハイテンポ・コメディホラー。

バタリアンたちが自ら救援を呼んで、来た警官や消防士をすごいスピードで襲っていくシ
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

3.7

ジョージ・A・ロメロのデビュー作にして、ゾンビ映画の原点。

生きている人間の残虐性

角度をつけた画角がスタイリッシュ
車の窓を叩く手足の長いゾンビの大きさが強調され迫力が増す

密室に逃げ込んだ人
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チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

3.8

主人公のアンディ役のアレックス・ヴィンセントが可愛すぎる。
グッドガイと同じコスチュームを着て誕生日でワクワクしてる序盤のシーンが特に可愛い。
親がシングルマザーでグッドガイ人形を買うお金が無くて怪し
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デモニック(2021年製作の映画)

3.5

メタバース×悪魔祓い

先端情報技術で殺人犯の母親の脳内メタバースにブレインダイブして、母親に憑依した悪魔と対決する話。
剣やマシンガンを持ったコテコテなヴァチカンの武装エクソシストがでてくるあたりが
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マジック(1978年製作の映画)

3.6

腹話術を5分と我慢できないビョーキなアンソニー・ホプキンスの演技を見るためだけの映画。
アンソニー・ホプキンスはこの作品で英国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

チャンスを逃してしまう臆
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.8

89年からの10年間、境界を乗り越えた勇敢なロランスと、愛でそれを支えたフレッドの、ふたりの関係の移り変わり。

愛はあるけど距離もある。

革命の朝を、境界を乗り越える前に憂鬱に顔をゆがめて手で覆う
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おみおくりの作法(2013年製作の映画)

3.8

誰にも悼まれずに孤独に亡くなった人たちを丁寧に見送る、几帳面で好奇心旺盛で思いやりに溢れた民生委員の最後の仕事。

静かで皮肉でブラックなブリティッシュジョーク的な映画で、孤独な人を見送ってきた実直な
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ザ・ファン(1996年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロバート・デ・ニーロの演じる野球ファンの暴力的で衝動的なパーソナリティをスリリングに描き、彼が会社をクビになってから、同じく不調が続く野球選手のウェズリー・スナイプスに自分を重ねて、異常なファン心理を>>続きを読む

デンマークの息子(2019年製作の映画)

3.9

日本でも安倍政権以降、恐ろしいほど急速に右傾化が進み、ナショナリズムを声高に叫ぶ傾向がもてはやされる中で、維新の会などの極端な右派ポピュリズム政党の躍進もあり、この作品の描くデンマークの近未来(202>>続きを読む

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.8

ヨーロッパ企画の舞台を本広克行監督が映画化。

SF研のレトロで雑多なセット美術と、瑛太や上野樹里やムロツヨシたちのちょっと時代を感じるドタバタSFコメディがマッチしてて、それだけで楽しい。

善通寺
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DOOR(1988年製作の映画)

3.8

専業主婦の主人公と昭和の保守的な「理想の家庭像」や男らしさみたいなモチーフには少々辟易したし、サスペンスホラーという割には意外とエロティックが強くて、思ってたのと違うなーって感じだったんだけど、終盤、>>続きを読む

ソウォン 願い(2013年製作の映画)

3.8

女児への暴行事件後、被害者と家族が癒えない傷を抱えながらも立ち直っていく様をハートウォーミングに描きつつ、裁判で事件のむごさも描く。
徐々に治っていく顔の傷とは対照的に、一生治らない人工肛門の存在が痛
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Mr.タスク(2014年製作の映画)

3.5

ポッドキャスターの主人公・Wallace(ウォレス)がセイウチ・walrus(ウォールラス)になる話。

『ムカデ人間』『武器人間』ときて、次は『セイウチ人間』をつくりたい! っていうもうそれだけの映
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MAY -メイ-(2002年製作の映画)

3.6

完璧な友達を造る。

アンジェラ・ベティス演じる「美人だけどイカれた女」や不穏な雰囲気は良かったんだけど、グロ描写も含めて全体的にテレビ映画のような安っぽさがあるのと、劇伴が合ってなくて怖さが激減して
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.5

「時々僕は自分を見て 分からなくなる 誰を見ているのか なんて言うか そいつに届かない みんなと同じになるよう そいつを変えたいけど 方法が分からない だから結局僕は ここに こうしてるしかない こん>>続きを読む

鮫肌男と桃尻女(1998年製作の映画)

4.0

癖強ヤクザたちに追われる鮫肌男と桃尻女のコミカルでスタイリッシュなバイオレンス逃避行。

小日向しえの演技はイマイチだけど、とにかく浅野忠信がかっこいい。
車の中で小日向しえが見た夢を語るシーンで浅野
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.9

想像を超えてくるボディホラーはもちろん、ビデオシンドロームという医療系SFを、哲学的で政治的で宗教的な善と悪の二項対立で漫画チックに描くのはいつものクローネンバーグ節で、今回はそれにメタ要素を加えた感>>続きを読む

ハロウィン6 最後の戦い(1995年製作の映画)

3.5

オリジナルシリーズの最終作の6だけ配信やレンタルがなく、一応ブルーレイでソフト化してるんだけど、プレ値になっててバカ高い。
しかしレビューでビデオマーケットにあると書いてる方がいたのでさっそく視聴。
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ファブリック(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ホラーの古典的な題材を、芸術性の高い映像で表現しつつ、その内側にコメディを含んだ、かなり観る人を選ぶ作品。
赤いドレスを来た人が胸に発疹ができて、奇妙な夢を見て、そして死ぬという形式で、前半と後半の2
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トラスト・ミー(1990年製作の映画)

3.7

信じてるから愛してる。
オフビートなラブロマンス

危険だけど誠実だった人が、愛する人のために自分を偽って「鈍く」なったのは、愛はあるけど信頼がないから。

結婚を決めたけど、同時に中絶を決めたのは、
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ハロウィン5 ブギーマン逆襲(1989年製作の映画)

3.7

マイマイに執着するルーミスの狂人っぷり、ジェイミーの絶叫っぷり、ティナたちのビッチっぷりが良くて意外と面白かった。

前作でもマイマイのマスクで、本当のマイマイかどうかが分からないってシーンあったけど
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

石坂浩二の金田一耕助シリーズ第1弾。
不幸な親子愛。

青沼静馬と佐清の入れ替わりには気づいて、てっきり2人はグルで松子もそれを承知なんだと思い込んでいたから、「真犯人の知らない事後共犯者」とは思わな
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マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

『永遠のこどもたち』『インポッシブル』でバヨナ監督とタッグを組んできた脚本家のセルヒオ・G・サンチェスの初監督作品。

いくつかの謎や不可解を提示して、それを少しずつ解決しながら物語を進行し、どんでん
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(2007年製作の映画)

3.7

15歳のグザヴィエ・ドランが、家族と共に避暑地を訪れた思春期の少年を好演した役者デビュー作。

短い作品ながらも、セリフを極力減らし、思春期の少年の心のちぐはぐを見事に表現していて、美しいカットや、煙
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ハウリング(2013年製作の映画)

3.8

『ドロステのはてで僕ら』と同じ設定、同じ展開のパイロット版的な短編作品。

やっぱり面白い設定。

2023-ShortFilm/1