私のAVVENIRE

機動戦士Zガンダムの私のAVVENIREのレビュー・感想・評価

機動戦士Zガンダム(1985年製作のアニメ)
4.5
子供じゃないので今更ロボットものにときめくことはないが、初代をベースにしたこのTVアニメ版Zガンダムはロボットバトルというより、人間ドラマが主体になっている印象で、大人になった今だからこそ楽しめる不朽の名作。
一見複雑な勢力争いも1話からじっくり観れば十分理解出来る内容(簡略化された劇場版では無理、TVアニメ版を推奨)
三枝氏による劇伴が素晴らしい。本作のために『交響組曲Zガンダム』を作曲し、管弦楽による本格的な楽曲がMS戦によりスリリングな華を添える。
ストーリー面では初代から観ていると、アムロとシャア(クワトロ)の共闘が熱い。ライバル同士が手を組む瞬間はいつも良いものだ。
一方、カミーユ等思春期の少年少女は特有の難しさ、心のコントロールが簡単には出来ず、この辺りの心情描写も非常に丁寧。
レコア・ロンド関連の「サボテンが花をつけている」というクワトロの名言はもはや文学的ですらある。
50話に渡る壮大な物語。手頃な尺で観られる継ぎ接ぎの劇場版しか観ていない方は、一度腰を据えて本作をしっかり観てほしい。TVシリーズがあるのにそれを観ず、劇場版だけをもって評価する人を度々見かけるが、的外れな評価になりがちで正直既存ファンとしては迷惑。これは本作に限った話ではない。TVシリーズを舐めないで頂きたい。

悲壮なラストも含めて私はZガンダムという作品の魅力だと思う。
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