彦次郎

寄生獣 セイの格率の彦次郎のレビュー・感想・評価

寄生獣 セイの格率(2014年製作のアニメ)
4.5
人間の頭に寄生して人食する生命体パラサイトと右腕にパラサイト(ミギー)が寄生した少年の戦いを描いたホラーバトルで原作は岩明均氏。1988年から1995年に月間アフタヌーンで連載ということで現在(2024年)からすると30年くらい前の作品ですが間違いなく不朽の名作です。
頭だけ変形して人間を食べしかも合理的かつ冷静というパラサイトですが田宮良子(田村玲子)が喝破したとおり実は個性的であるというところ即ち人間と同じ生物であるところがエイリアンでない面白さです。
アニメ版は時代を現代(放送時2014年)に合わせており表現も漫画版よりはマイルドになっていました。登場人物も増えたり(鈴木アキホ)設定が少し変わっていますので漫画版読了の方も楽しめる仕様。特に泉新一はメガネ少年の設定になっていますが此方の方が彼に起こる劇的変化でのギャップが大きくなっていて良かったと思います。引き延ばしなく24話で完結されたのは漫画版同様に潔い英断ですがその分登場人物(旅館の家族)や台詞が削られたのは残念なところ。それでも作品として伝えるべきメッセージは盛り込まれていたのでアニメ版も傑作といえるのではないでしょうか。
本来ならここで後藤・広川を主とする敵陣営、新一の母信子や殺人鬼浦上など語りたいことが山とありますがネタバレになるため詳述は避けさせていただきます。タイトルがなぜ『寄生獣』なのか。その点も含めて鑑賞していただけたら幸甚に存じます。
彦次郎

彦次郎