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呪術廻戦 第2期 懐玉・玉折/渋谷事変の鑑賞者のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

作画は第一話が一番良かった。

正直「渋谷事変」は特に言うことがない。せいぜい注目すべきは①虎杖が大きな運命に奉仕する覚悟を決めたところと、②七海の「あとは頼みます」のところ、それから③真人のキャラデザくらい。あとの部分はバトル漫画の範疇を出ない。

問題は「懐玉・玉折」。
夏油が言う猿=末人的な弱者。強者はこの猿とどう向き合うべきか、という普遍的な問題提起。
夏油:猿は全員殺せ
五条:猿も全員救え
『呪術廻戦 0』でも明らかだったように、両者の闘いにおいて猿に一切の主体性が認められていない。猿は強者の闘いの行く末をただ受け入れるしかない。だ・か・ら、この作品を我々は手放しに賞賛してはいけないんだよ。いつから自分たちが猿ではないと錯覚していた?断じて他人事ではない。むしろ正当な反応は怒りですらある。
この世界(現実世界)には間違いなく強者と弱者がいる。世界をより良くするために命を削っている人たちがいる。他方で、世界なんていう視点すら持たずに死んでいく人たちもいる。それに留まらず、世界のために闘う者の邪魔を(質悪く無自覚に)する猿もいる。残念ながらたくさんいる。
まずは自分がどっちの人間かを考えろ。そのうえで、どちらの人間になりたいかを決めろ。そうして初めて、本作の問題の意味が分かる。
キャラを推してる場合じゃない。
鑑賞者

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