平田一

のだめカンタービレの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

のだめカンタービレ(2007年製作のアニメ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

“世界で一番美しくて笑える! クラシック音楽コメディー”

2007年1月からフジテレビ「ノイタミナ」で、同年6月まで放送をされたクラシック音楽コメディー。2001年から2010年まで女性漫画誌『Kiss』内にて連載された二ノ宮知子(「天才ファミリー・カンパニー」「七ツ屋 志のぶの宝石便」)さんの同名漫画が原作で、監督は「ハチミツとクローバー」のカサヰケンイチさん。

簡単なあらすじは、

ピアノ科に在籍にしながら指揮者を目指すエリート音大生・千秋真一は、重度の飛行機恐怖症と海で溺れたトラウマで船にも乗れない事情を抱えて、行き詰ってる毎日だった。担任教授の教育方針に反発し決別し、別れた彼女にもつれなくされて、まさに自暴自棄だった。

ある日千秋は酔っ払って自宅の前で寝てしまい、目が覚めるとゴミの山と悪臭とピアノの音色……そのピアノを奏でていたのは野田恵という女性……

ここから千秋とのだめこと野田恵のドラマは動き―――。

連続ドラマ版は毎週見るほど面白くって、ただこれまでアニメの方は全く見てない方だったので(原作も未読です)、4月からこれを機会に見てみようと思っていたら、

こっちの想像超えるぐらいに、スッゴく面白かったです!

クラシック音楽って敷居が高い印象すぎて、率先して聞くってことがホントに無縁な人間ですが、これはそういう敷居の高さを忘れさせてくれますね。勿論聞いて良し悪しを判断するのは個人ですが、一曲ごとにその曲のこと(歴史とか作曲家とか)を知りたくなったんですよね。曲自体も“ああ、良いな”って感じるものが沢山あって、見れば見るほど敷居の高さが心底どうでもよくなって、「あー、もっと浸りたい」って何度も思っちゃいました。こういうところでメディアミックスの利点炸裂でしたねw

話の方も個性豊かなキャラクターが溢れてて、彼らが奏でる音大青春グラフィティも好きですね。あらすじは音大ってことを除けば王道だけど、王道だったから物語が際立ったと思いました。キャラクターがとにもかくにも個性豊かだったですし、話ももしもトリッキーなら全然追いつけなかったですw

キャラクターに関していうなら、もう峰(龍太郎)くん一択です。最初はポンコツキャラなのに、どんどん技術を習得するたび、奥行きも増していって、次第にSオケの中心に。このキャラの面白さって、千秋には出来ないことをどんどんやってくことですね。才能の量でいったら千秋の圧勝なんだけど、千秋が出来ない多方面をメチャクチャカバーしていったり、次第に千秋やSオケメンバーの中核的存在に……。要するに、信頼に値するってことですよ。その過程と言いますか、説得力がもう熱い! 峰くんは友達に絶対欲しい人間ですし、絶対にオーケストラに一人はいて欲しい人間! 清良さんが意気投合して惹かれるのも納得ですし、もう見てて楽しいもん。メチャクチャ素敵だったもん!

あと、こういうキャンパスライフ模様、見てて新鮮でしたね。フィクションはあるだろうから、どこまでホントか知らないけれど、実際の音大の授業システム・授業メニューは一日ごとに違うのかどうかが知りたくなりました。題材で色んな学校知られるのやっぱり面白いし、この手の話を扱うときのマンガとアニメはやはり強い。尺がやっぱり映画よりも多いし、素材も豊富だし、描くことがたくさんあるから、見てるこっちも面白い! 文学部の大学に僕は通った人間なので、専門学校に関しては知識ゼロだし尚更にw

まとめると新鮮なキャンパスライフを拝見できて、クラシックの敷居の高さも忘れさせてくれた上、キャラクターたちの掛け合いにハラハラしたり笑ったり、要するにとても楽しい、素敵なアニメーションでした!!!

来年には残りのアニメも最後まで見ておきたい!

何かもう、実写然り(映画はまだ未見)、とにかく当たりしかないな✨
平田一

平田一