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モノノ怪のめるのレビュー・感想・評価

モノノ怪(2007年製作のアニメ)
5.0
「皆々様の真と理、お聞かせ願いたく候!」

薬売りと名乗る謎の男が昔の日本を舞台に"モノノ怪"を斬る物語


このド派手な色合いな和製テイストのポスターに一目惚れして鑑賞。
それと、主人公の薬売りさんを演じている櫻井孝宏さんのお声を聞きたくて。

和紙のような質感の画面と浮世絵や水墨画の中に入り込んだような世界観、視点がパッと切り替わるメリハリのある演出も相まって全てが非常に芸術的。

まず、主人公の薬売りさんの造形がいい。派手な着物と下駄と頭巾、独特な髪型はもちろん、極めつけは口角が上がっているように見えるメイク。
そして、櫻井孝宏さんのお声が素敵でとってもかっこいい。基本ボソボソ喋るだけなのに、モノノ怪と闘うときは急に凛々しくなるのがいい。

オムニバス形式だから飽き性の私も観やすい。
毎度じっくり考え込んでしまう濃い内容のお話で、人間ドラマとサスペンスが最高の和風エンタメとして仕上がっている。
全体的に説明台詞が少ないぶん考察がはかどる。何度も観たくなること間違いない。

私のお気に入りは最終話「化猫」。どんどん真実が明かされる展開に引き込まれるし、和洋が入り交じった大正が舞台なのも良い。現代の日本に当てはまる問題になっている。
「座敷童子」は難解になりすぎず考察しながら楽しく観られた。
「鵺」で初めて組香という遊びがあるのを知った。みやびじゃ。

JUJUの「ナツノハナ」が名曲で最後にしんみり余韻に浸れる。(ここで次回の予告が入る。)

<補足>
『モノノ怪』の「化猫」を観る前に『怪~ayakashi~』の「化猫」を観るのをオススメ。
あと、検索するとホラーと出てくるけど怖くない。
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