この作品をここまでとっておいてよかった。
『新世紀エヴァンゲリオン』のキーになる仕掛けをこの時点で築き上げ、過去・未来、そして好きなものさえも巻き込み、投影した。
長いスパンで制作されることを見越してか、それぞれに描き方の立ち振舞を変えたパートによって飽きさせないように構成され登場するキャラクターにエピソードの主役になれるほどの個性を持っている。
しかし、ノーチラス号が去った後、明らかに作品全体の質の落ちるは最後の力を振り絞る為の時間稼ぎなのか、子供向けに振りすぎたとしても「……。」な心境になるギャグの連続には"我慢する"という状況にもなるのも事実。
その果てしない森を抜けると、庵野秀明の時代が前後に動き始めるのも事実。
ナディアというキャラクターの外壁に個性を埋め、感情を失わせた予知を今見たとき、何を思うか。
ネモ船長の最後の一言で「庵野秀明という人」の旅を終えようと悟った。
だから、庵野秀明という人よ、生きろ。