生涯の傑作『灰羽連盟』の安倍吉俊先生によるキャラ原案ということで後追いで昨年視聴。もうOPからして98年のクオリティではない。20年以上は先を行った伝説の作品。OP映像では玲音の他に生き物がカラスしかいない意味深な現実世界、TV画面の中で呟くlain、アシッドな映像表現等に加え、全くアニソンとは無縁な空気を纏う英国ロックバンドbôaの楽曲"Duvet"が素晴らしい。
内容的にも「観るドラッグ/サイケ感」溢れる映像表現が圧巻。とても’98年作とは思えない質の高さ。締め方も良く、噂にたがわぬ名作。
ただし後追いとしてはAI/セカイ系方面ではそこまでの新鮮味は感じなかったのも事実。またセンスのない化け物が登場する点もマイナスで、驚くべき品質ながら『灰羽連盟』の持つような普遍的/永続的な精神性の高さ/神々しさは感じられない。
今でも十分斬新だが、20年前なら想像もつかないレベル。いつ観たかによって評価が変わると思う。
