ゆず

やくならマグカップものゆずのレビュー・感想・評価

やくならマグカップも(2021年製作のアニメ)
3.7
あれ…もしかしてマグカップ焼いてないのでは…?

日本で一二を争う暑い町、古くから焼き物文化が盛んな陶芸の町、河童のいる町、岐阜県多治見市のご当地アニメ。
母親の故郷・多治見に引っ越してきた高校生の主人公が陶芸部に入ってあれこれ悩みながら作品づくりをしていく物語。
ご当地アニメとしては珍しく、2012年から発行されているフリーコミックが原作。アニメ化にあたり改めてコミカライズもされてる。フリーコミックの企画や発行に関わっている会社が、CMで流れてたDental X®️を売ってる。つまりAパートもBパートもその間のCMも「オール多治見」でお送りするアニメとなっております。

Aパートはアニメ、Bパートは出演声優4人による多治見の女子旅という構成で、個人的に田中美海さん目当てで見始めた作品だったのに毎週お顔まで見られて喜んでるワグナーです。初主演おめでとうございます。(ちなみに田中美海さんのデビュー作は宮城県仙台市ご当地アニメの「Wake Up, Girls!」なのでよろしく)
アニメ本編は10分くらい(?)だけど1話完結でちゃんとお話があって、1クール見終わってそれなりの物語を見た気になった。Aパートだけなので他の深夜アニメと比べれば量的には小さいんだけど、質的には勝るとも劣らずで、日本アニメーションの実力ハンパねぇな…って感じ。もしかしたらBパートの実写ロケが物語や世界観を補完していたかもしれない…?(世界観っつーかリアル多治見だけど)

Bパート「やくもの放課後」もなんか良くて、声優4人がなんか一斉にワチャワチャ喋るのがなんか癒しの時間だった。実写の方ではマグカップも焼いてた。
みにゃみはいつ「うんめーにゃー!」叫んでもおかしくないくらい美味しそうに食べるし、相変わらず料理の神に見放されていて俺たちのみにゃみだった。
芹澤優さんと若井友希さんi☆Ris二人による「(魚の)アタマ煮付けたり…」「頭に付けたり!?」のコンボは神ってた。
そして本泉莉奈さんの姿勢の良さ。いいよね、佇まいが。
もちろん多治見の魅力も詰まっていて、聖地ビジネス的にも大成功じゃないですかこれは!?
あとリアル陶芸高校生たちの作品、若い活力と努力と才能が厨二病の下に結実していて凄い。いいぞもっとやれ。

最終話放送後に2期の制作決定のお知らせきたけど、春アニメで1期、秋アニメで2期という謎にハイペース。ら、来年あたりでもいいんだぜ…?
10分アニメだから3ヶ月のインターバルで余裕で作れるのかな…?あるいは、半分は実写なのでアニメの製作予算は半分で済むわけで(←素人の計算です…)、最初から2クールの企画だったのか…?最終話見ると続編を意識させるカットもあったね。
というか、コロナ禍の余波は多治見だって絶対に受けているはずで、観光地や飲食店はやっぱり大変なんだろうな。そんなそぶりは見せなかったけども。
そのことに気づいた瞬間、もはや癒し系ご当地アニメの印象は崩れ去り、ご当地を救うための起死回生の一手みたく見えてしまうのだが…。早くアニメを何も考えずに何も心配せずに見られる日常が戻ってきてほしい…。

2期やるならマグカップも…。
ゆず

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