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あらゆる分野で活躍する、汎用人間型機械“レイバー”。続発するレイバー犯罪に、警視庁は本庁警備部内に特殊車両二課、通称パトロールレイバー(パトレイバー)を新設し、対抗していた。精鋭揃いの第1小隊に比べ、問題多きは第2小隊。人員不足に加え、第1小隊からのお下がりである<アスカ96MPL>で、日夜事件に励むという有様だった。 今日も、酔っぱらいが作業用レイバー<ブルドッグ>を操って暴れているという通報を受け、太田の乗る機体が出動。なんとか取り押さえるが、太田機自身も再起不能に近い損傷を被ってしまう。進歩する技術によって生み出される新鋭レイバーに、旧式と化した<アスカ96>で挑むのは、すでに限界だった。 太田と遊馬は篠原重工の八王子工場へ機体を搬入し、修理に付き添う。だが、そんな二人に工場長の実山は、修理は無駄になるかも知れないと語る。どうやら念願の新型レイバーの導入が、正式決定したらしいのだ。太田と遊馬は、その新型レイバー<イングラム>を見に行く途中で若い婦警(特車隊々員としての適性試験を受けに工場を訪れていた野明)に出会う。この先、コンビを組むことになるとも知らず、おざなりの言葉を交わして別れる遊馬。と、その時、太田たちの目前で、<イングラム>が産業スパイにトレーラーごと盗まれてしまった! 周囲の騒ぎから盗難を知り、単独で犯人の追跡を始める野明。特車隊の隊員になってレイバーに乗り込むことが夢の彼女は、新型機を奪った犯人が許せず、その一念から<イングラム>のコクピットに入り込み、システムを起動させてしまう。こうなった以上、遊馬はコクピットの野明に指示を与えるしか方法はない。彼女は見事に指示に従って犯人たちを逮捕、機体を取り戻すとともに、特車二課への配属命令を得たのであった。
イングラムへの機種転換と、新入隊員の配属にともなう配置転換のため、養成学校にて研修を受けていた第2小隊の隊員たち。その最終日に模擬戦が開催されることになった。 模擬戦の結果によって、今後の配置が決まると聞いた野明は、<イングラム>に乗り込みたい一心で大ハリキリ。しかし、第1小隊で評価の高い先輩格の五味丘と、ニューヨーク市警から特車二課へ研修にやってきたパイロットセンス抜群の香貫花が特別参加することで、前途は暗くなってきた。 開始されるトーナメント形式の模擬戦。1回戦はあまりまともな戦いがなかったが、結果は野明と太田、五味丘が勝利する。 その3人に、シードの香貫花を加えて行われる2回戦。まずは野明と太田が対峙、太田 がフライングして仕掛けるが、それを読んでいた野明が一撃を決めて勝利。 次は五味丘と香貫花の番となるが、彼女はそれまでの戦いを下品だと語り、レイバーで一本背負いをやってのけて勝利する。呆然とする五味丘と一同。 決勝戦は香貫花と野明。自信はまったくないものの、前向きに対戦する野明。間合いを取って仕掛けるが、香貫花はその攻撃をすべてかわして逆に技をかけてくる。なんとかそれらをしのぐ野明。試合は硬直戦の様相を呈していく。電池切れの直前、ヤケになった野明が一か八かの突撃に出、香貫花の機体を押さえ込んだ。ところが、審判の佐久間教官は香貫花の勝利を告げる。 抗議の声を上げる野明。動力を残した香貫花に比べ、無駄な動きで動力を使い果たしたと指摘され、負けを認めた。 しかし善戦の成果が認められ、彼女は見事に1号機パイロットの座を射止めたのである。
東京の中心に位置し、ウォーターフロントに面しているといえば聞こえは良いが、実際に特車二課が置かれている場所は、野犬が群れる人跡未踏の埋立地。そのため24時間待機を続ける特車二課の日常は、食料を確保するため、過酷な戦いを繰り広げている。 中でも、保存の効かないタンパク質の確保は大変で、二課の要員たちが苦労の果てにたどりついた結論は、目前に広がる東京湾から自らの手で魚を補充するというものであった。しかし岸壁から釣り糸を垂れるだけでは量が少なすぎる。そこで皆は、整備班が所有する高速艇を漁船として活用、一気に食糧難を解決するという方法を編み出していた。 話を聞いて、唖然とする野明。だが彼女が赴任して早々に、事件が勃発した。なんと高速艇が、漁の帰りに目前の岸壁で座礁してしまったのだ。遊馬はシゲの要請を受けて<イングラム3号>機を出動、この救難にあたらせるが、太田が操縦をミスして二重遭難してしまう。もし、こんな事態を職人気質の整備班長・榊に見つかれば、朝までドヤされるに違いない。そんなことする暇がありゃ、整備の腕を磨けと言わんばかりに。たまたま榊が非番で帰宅していたのをいいことに、一同はホッと胸を撫で下ろす。 しかしその時、見張りに立っていた整備班員が、こちらに向かう1台の車を発見。まさかそんな・・・いや、榊の車に違いない! 皆は手分けして何事も無かったかのように偽装、なんとか榊を送り返すが、その様子を不自然に感じ取った榊は、再び二課へ引き返してきた。尾行班からその情報を受けた一同は、時間を稼いで事態を隠ぺいすべく行動を開始する。 榊の車の進行上で取締を開始、渋滞を起こさせる遊馬。その間に野明と香貫花は残った <イングラム>で、高速艇と3号機を引き揚げようと試みる。しかし、そんな短時間で、事態を完全に取り繕うのは無理である。榊はハンガーに入り、機体から海水が滴り落ちていることから一部始終を察知したのだが、知らぬ存ぜぬを決め込むのであった。
澄み渡った空と、豊かに茂った山の緑。その中を闊歩するハイカーたちが発見したものは、局所的になぎ倒された木々と、激しく破損した<クラブマン>であった。そして、森の中から聞こえてくる不気味な唸り声。何かがいる。それも、レイバーを行動不能にしてしまうような恐ろしいものが。彼らは荷物を放り出して一目散に下山、警察へ通報するのであった。 110番のオペレーターはいたずら電話だと思い、一度は通話を切ろうとするものの、上司の気分的な命令によってこれを受理し、特車二課へと回してくる。怪獣退治と色めき、現場へ向かう第2小隊を待ち受けていたものは、無惨に押しつぶされてしまった所轄警察署のジープだった。 やはり怪獣はいる!生きたまま捕らえて、地元振興の目玉にしたいと語る所轄の警官。しかし野明たちは、一体どう対処すべきなのかと思案を巡らすのみ。取りあえず、後藤は警官の言葉を尊重して1号機と2号機で挟み撃ちにして捕らえようと考えるが、後は成り行きにまかせるしかないと決め込む。 大騒ぎしながら山中を突き進む太田の2号機。その騒ぎに驚き、怪獣が飛び出してきた!が、その傍らにはまたも1体のレイバーが見え隠れしている。 なんとこの怪獣は、近在の製薬会社の実験動物が巨大化したものだった。それを内密に処理しようと思って使用された<クラブマン>が、返り討ちにあった、というのが事の真相だったのである。
富士山麓の森の中で、陸上自衛隊の97式装甲戦闘レイバーと激烈な戦闘を繰り広げる、試作戦闘用レイバー<HAL- X10>。その機動性と強力な装備によって<X10>は次々と陸自の包囲網を突破するが、その内部に人の姿はない。無人での運用が目的で製造された制圧戦用レイバーなのである。それが、評価試験中にプログラムが暴走し、勝手に戦闘を始めてしまった。 焦る自衛隊の指令官。極秘裡に開発していたこのような機体が人里に降り、一般人を殺傷するような事態も十分考えられる。しかし自衛隊が大規模に活動すれば、何事が起きたのかと、それだけで世間の注目を集めかねない。もはや陸自独自での処理は不可能である。 第2小隊に、その尻拭いの役が回ってきた。理由も聞かされず、御殿場へと出動させられる一行。不審な思いに駆られるが、地元の警察も明らかにウソとわかる理由で道路封鎖を命じられていることを知り、上層部が何かを握りつぶそうとしていることだけは確信する。 ようやく下される命令。国道138号線を暴走している無人のレイバーを制止せよ、というだけのものだったが、後藤はレイバーが軍用であることに気付く。一同は造成地で<X10>を取り押さえようと試みるが、無人とはいえ重装備の軍用レイバーに正面から向かっても勝てるはずはない。そこで遊馬が無人のコクピットに侵入して、内部から停止させる作戦が立てられた。 2機の<イングラム>で<X10>の動きを封じ、その隙に遊馬がコクピットに侵入、起動ディスクを抜き取って機体を停止。ホッと胸を撫でおろす一同。後藤は上層部へのせめてもの嫌がらせとして、停止した<X10>をそのまま放置して撤収したのであった。
特車二課に災害救助出動の命令が下った。建設中の都市型高層建築物タワーシティの1番タワーで、大規模な火災が発生したのだ。そのうえ、視察に訪れていた某国のクラウス外相とその一行が、地上200m辺りの階層に閉じこめられた。もちろん消防庁も、レスキューレイバーや化学消化用レイバーを大量に投入して消火・救助にあたっているが、化学物質の炎で引火・爆発したため次々と破損、通路を塞いでしまったにすぎなかった。外相が閉じこめられている場所まで、たどり着ける状態ではない。そこで第2小隊に与えられた任務は、器用さが身上のイングラムを用いて内部に進入、彼らを救い出すというものなのだが、彼らがその任を与えられたのには、もうひとつ理由があった。とかく不始末を繰り返すためにマスコミで叩かれ、警察全体のイメージをダウンさせている彼らにイメージアップをはからせようというのだ。 災害救助を宣伝に使うとは・・・後藤や南雲は憮然とするが、とにかく人命は救わねばならない。外相たちのところへ通じるルートを見つけ出そうとするが、地上からレイバーが入り込めそうな通路は、すべて使用不能。そこで後藤は屋上に設置されているクレーンからイングラムを釣り降ろして、壁面の作業口から進入させることにした。 地上200mに、ワイヤー1本で釣り下げられる<イングラム>。まずは太田機がチャレンジするが、勢いあまって自爆、周囲に鉄骨の雨を降らせてしまうという始末。続いて野明が挑戦して見事に成功、モーション・トレーサーを駆使して遮断壁を開き、外相たちを救い出したのであった。 しかし、結局は太田の不始末が報道され、いつものように第2小隊は避難を浴びる。 だが、広報部が予定していたPR作戦は、火災の原因が経費の削減によることが判明して中止。イメージアップに利用されるよりも全員無事ならそれで良いじゃない、と後藤はにこやかな面もちで語るのだった。
旧式と化してしまった<97式パイソン改>で、レイバー犯罪に挑み続ける第1小隊。そんな彼らに、最新鋭のレイバーをほとんど無料で使ってもらいたい、という話が転がり込んできた。一も二もなく飛びつく福島課長。南雲も精鋭で構成されている自分の部隊が、あの第2小隊よりも劣る機体を使わされてきた悔しさがあるだけに、ようやく汚名を返上できるとご満悦。 そのレイバーの名は、トヨハタオート製の<SRX-70>。42mmオートカノンと20mmバルカン砲を装備し、軍用レイバーとすら渡り合えそうな機体である。搬入された実物を見て太田は興奮するが、他の第2小隊メンバーは、どことなくこの機体に好感を持てずにいた。特に遊馬は「トヨハタオートに、銃器装備のノウハウなんてあるのかなぁ」という野明の一言が心に残り、機体の背後に隠された思惑を調査し始めた。 その間にも<SRX-70>は出動するが、その機動性能は見事である。「この機体が、もっと早く来ていれば・・・」五味丘の呟きは、まさに第1小隊メンバーの想いを代弁するものだった。しかし、この試験導入には思わぬ裏が隠されていた。トヨハタオートはただの隠れ蓑で、実際の製作会社はシャフト・エンタープライズ・ファーイースト。軍需産業にも食い込んでいるシャフトは、第1小隊を利用して出動パターンのディスクコピーを集めようとしていたのだ。 後藤と遊馬からその話を聞かされ、課長室へ飛び込んでいく南雲。しかし福島は、どんな機械も使う者次第だ、といって取り合おうとしない。話しても無駄なことを悟った南雲は、次の出動には<SRX-70>の使用を拒否し、話を偶然立ち聞きしてしまった五味丘も<97式改>で事件に向かった。 数日後、メーカーへ回収されていく<SRX-70>。南雲は上層部をどう納得させたのか。「もし採用するならば、あれに太田を乗せます」と、告げたのだった。
都内の渋滞解消の切り札として建設が進められている、首都環状20号線。その作業を何者かが妨害しているとの通報があり、遊馬・野明・ひろみの3人が派遣されることになった。行き先は、東京近郊の鬼降村。その名を聞いて、ひろみは昔読んだ民話の中にその名前が登場していたことを思い出す。それは確か、鬼と心優しい娘の物語で、早世してしまった娘を見て乱暴な鬼が心を入れ替え、娘を偲んで供養する、というものだったはず。気の弱いひろみは、その内容を考えただけで、今回の事件は鬼の祟りかも知れない、と想像してしまうのだった。 野明や遊馬は一笑に付すが、三人が到着した所は、まさにその伝説の地。そして、そこで彼らが見たものは、無惨に破壊された工事現場であった。一同はとりあえず現場責任者から事情を聞くが、原因は不明。近在の者は御神木を切ろうとした祟りだと噂しているという。しかし遊馬たちは現場からレイバーの足跡を発見し、やはり祟りなど迷信だと確信する。 翌朝行動を始めようとする彼らの前に、近所の農作業用レイバーと土地成金のレイバーが立ちはだかり、警察は手を引け、と脅して実力行使に訴えてきた。野明は無視して応戦するが、今度はそこに、少女が操縦する小型レイバーが割り入ってきた。 あきらめて、事の真相を語り出す土地成金。聞けば半世紀前、太平洋戦争の終戦直前に村人が供出した貴金属類を、当時の村長や神官とグルになって、戦後の混乱のドサクサに紛れて御神木の下に埋めたのだと言う。もう、今となってはそんなものはいらないが、死んでしまった村長や神官の名誉のために、これらを人の目にさらしたくなかったのだと。 少女は、村を守ってきたケヤキが切り倒されるのを嘆いてのことだった。 事件は無事に解決したが、このままでは御神木が道路のために切られてしまうことに変わりはない。そこで野明たちは、近所の山の頂上にこの木を移植、村人たちの喝采を浴びながら村を後にしたのだった。
ある日、公安部外事1課に所属する高畑と名乗る男が、後藤に協力を要請してきた。テロリスト・犬走一直が、酒田港に入港する輸送船に積載されているソビエト軍の最新鋭レイバー<ドシュカ>を奪取しようとしているとのこと。しかし後藤は、何かキナ臭いものを感じ取り、一言のもとに要請を拒否する。怒り狂う高畑。その殺気だった雰囲気を悟った南雲が間に入り、最後は二人ほど部下を貸すことで決着したのだった。 ということで、酒田行きを命じられてしまう野明と遊馬。ふたりは高畑たちと新幹線で酒田に入るが、そこで彼らは何をさせられる訳でもなく、ひたすら街中で目立つような行動を取らされる。 すでに酒田の街は各国の諜報員で一杯だ、という高畑の冗談ともつかぬ脅しの言葉にたじろぐ遊馬。だが高畑の本当の狙いは、テロリストたちによる<ドシュカ>の奪取防止ではなかった。彼の真の目的は、ソビエト軍の高級将校を<ドシュカ>と込みで亡命させようというもの。世間の目をテロリストと第2小隊に向けさせ、その隙を狙っていたのだ。ようやく真相を知り、ひろみとイングラムを酒田へ走らせる後藤。その頃、高畑に踊らされているとは知るはずもない犬走が輸送船への潜入を開始していた。 警備兵を倒し、梱包されている<ドシュカ>に近づく犬走。しかし無人と思っていた機体に入ろうとした瞬間、亡命を望んでいた将校のイワンにKOされてしまう。犬走のふりをして<ドシュカ>を操縦、輸送船から降りるイワン。つまり犬走は、イワンの亡命をKGBから隠すために利用されたのである。ほくそえむ高畑。だが、そんな彼らの前に<イングラム>が出現する。同じ警察である自分たちをも騙したことへの憤りから、高畑に一矢報いてやろう、というのである。しかし、まさか実砲は積んでいまい、という遊馬の読みは外れ、<ドシュカ>にはフルに弾が搭載されていた。逃げ回る野明たち。だがそこに犬走の操るもう一体の<ドシュカ>までもが加わり、港は大混乱に陥る。
「’50年のクリスマスを探しにいく」来日していた香貫花の祖母、レイ・クランシーが、そうメッセージを残してホテルから姿を消したのは、クリスマス・イヴの夕刻だった。途方にくれる香貫花。彼女をホテルに訪ねてきた野明と遊馬も、それを知って心配するが、その夜、第2小隊に待機命令が出てしまった。動揺さめやらぬまま、香貫花も任務に復帰する。 その少し前、東京港に数台のレイバーが夜の闇にまぎれて上陸していた。西独製の軍用レイバー<ブロッケン>4機と、ドクロのようなマスクの実験機<ファントム>。その一団はサングラスの男、黒崎に指揮されて姿を消し、その直後に東京テレポートの全ての通信回線、交通が途絶してしまった。調査に向かった警察はもちろん、対ハイジャック用の特殊部隊すら連絡を絶った。そのうえ通信の途絶をECMによるジャミングと判断した自衛隊が、出動する機会をうかがっているという。密かに特車二課を訪れた城東署の松井刑事は、後藤たちに出動を要請した。だがこのとき既に、南雲の親友・不破の指揮する陸自の空挺レイバー部隊は、現場に向かっていたのである。 慌ただしく出動準備に入る第2小隊。しかし祖母が失踪して動揺している香貫花を見て、後藤は進士と松井にレイ・クランシーの捜査に当たらせる。彼らはアメリカ大使館で彼女の結婚前の住所を知り、立川へ向かった。 その間にも東京テレポートを巡る状況は緊迫の度を増していた。先行した第1小隊は壊滅し、音信途絶。後続の第2小隊も待ち受けていた敵と苦戦。とりわけ祖母の失踪に気をとられた香貫花の指揮は普段の精彩を欠き、太田の2号機は<ファントム>の強力なビーム兵器の一撃に、片腕をふき飛ばされた。 野明は窮地の香貫花たちを救えるか!? レイ・クランシーと立川に隠された謎とは?
謎に包まれた敵の目的は、対レイバー用電磁兵器の実戦データの収集だった。<ファントム>の電磁波を正面から浴び、作動不能に陥る2号機。太田も捕虜の身となってしまう。野明は1号機で奮闘するものの、圧倒的な戦力差に苦戦、退却を強いられる。そして野明と入れ違いに、<ヘルダイバー>の実戦データを得ようと東京テレポートに潜入する陸自の不破。さまざまな思惑をはらみつつ、事態は緊迫していった。一方、退却してきた遊馬たちの情報から後藤は敵の目的をほぼ推察、できるだけ戦闘を避けるように指示を出し、再度、東京テレポートに侵入する。しかしそこでは空挺レイバー隊が敵と死闘を演じていた。野明は事態が発覚する前に、不破たちを撤収させ、再び、単独で<ファントム>と<ブロッケン>に立ち向かう。それを見た香貫花も2号機を起動、野明を追って戦列に加わった。 一方、松井と進士は米軍立川基地の跡地で、レイ・クランシーを発見していた。“’50年のクリスマス”とは1950年12月24日。その日、結ばれたばかりの彼女の夫はクリスマス・パーティの席から戦場に飛び立ち、2度と帰ることはなかった。朝鮮動乱の犠牲者である。国のため、正義のため、あいまいな大義のために、家族を失いたくないというレイ。彼女は香貫花をアメリカへ連れ帰るつもりで来日したのだった。 しかしその頃、香貫花は傷だらけの2号機で必死に戦っていた。正義のため、仲間のため、なにより自分自身のために――そして野明と香貫花は捨身の連携プレーで、<ファントム>を撃退。後藤に発見された黒崎たちも、指揮車を爆破して撤退し、事件は一応の決着をみた。 香貫花の気持ちを察したのか、レイはひとりで帰国の途についた。香貫花もまたひとり密かに祖母を見送るのだった。
燃える正義の射撃バカ・太田功に見合いの話がやってきた。しかも相手は美人で良家のお嬢様。藤井綾乃と名前まで奥ゆかしい。張り切って見合いに臨んだ太田は緊張のあまり彼女の前で池にはまるという始末。これで望みはなくなったと思いきや、意外にもデートのお誘いが! 舞い上がる太田、仰天する第2小隊と整備班の面々。太田功、24年の生涯で、初めて訪れる春だった。さっそく冷やかし半分に初デートの心得をレクチャーする一同。あがりまくった太田に心得など役立つはずもなく、デートではドジの踏みっぱなし。しかし綾乃は気にするでもなく、優しく微笑みかけるのだった。そればかりか2度目のデートでは、レイバーを見に行きたいとせがみ、菱井の新型レイバー<レックス2500>を前に“私、レイバーって好きですわ”などと言うのである。太田がこれを好意と受けとめてもムリはない。もはや完全に恋の虜である。机にバラを飾り、あらぬことは口走り・・・。第2小隊の面々も気がきではない。猪突猛進、プロポーズを決行するが、意外にも綾乃は顔をくもらせ“ごめんなさい”。 舞い上がった分だけ、太田の落ちこみは激しかった。実弾射撃訓練の朗報(?)にも反応を示さない。そんなとき綾乃が太田を訪ねてきた。しかし緊急出動がかかり話は中断。事件はレイバーの落盤事故で、その事故機はなんと、かつて太田が綾乃と見に行った<レックス2500>だった。操縦者の名を知り、ショックで倒れる綾乃。ボロボロと崩れる地盤の中、必死で救出にあたる太田と野明。だが太田にはもうわかっていた。自分が助けようとしている男こそ“恋がたき”であると。しかし太田は踏んばった。男として、正義の警察官として,命がけで恋がたきを救ったのだ。一礼する綾乃を敬礼で見送る太田。彼の肩に、心に、雪が静かに降り積もっていった。
中東の産油国・オアシスより、皇太子のウル王子殿下が“おしのび”で来日した。第2小隊に体験入隊することが目的だったからである。将来、母国にレイバー隊を設立するための視察というのだが、殿下はどう見ても、ただのレイバーマニア。よく聞けば『News Week』で写真を見て以来、<イングラム>に夢中とか。しかし「この機体には強さの中に優しさがある!」などと言われた野明は大喜び。二人はたちまち意気投合するが、遊馬は何となくおもしろくない。 殿下が特車二課でカップラーメンに感謝したり、初めて<イングラム>を操縦して、無邪気に大喜びしている頃、東京テレポート事件(TV第10・11話)で捕獲された<ブロッケン>の1機が盗まれる、という事件が起きていた。タイミングからして王子を狙ったテロの可能性もある。警戒する後藤。おりしも殿下の身代わりとして、代々木の放送センターを見学していた従兄の王子を狙って、<ブロッケン>が渋谷に出現した。ただちに現場に向かう第2小隊。殿下も後藤を強引に説得してこれに加わった。しかし本物の殿下が第2小隊にいるという情報は、既にテロリストに渡っていた。<イングラム>と野明を気づかって<ブロッケン>との格闘現場に向かうところを狙撃される殿下。野明はとっさに傷ついた殿下を<イングラム>のコクピットに収容するが、狭くて身動きがとれず機器のコントロールができない。しかし殿下は野明の手の届かない部分をカバー。ふたりのコンビネーション・プレイでみごと<ブロッケン>を倒し、テロリストも逮捕された。 そして帰国の日、皇太子としての自覚も多少、身につけた殿下は、アルフォンスの起動ディスクのコピーと、カップラーメンの山をおみやげに去っていったのだった。
警視総監杯争奪・警視庁柔道大会-出動中の第1小隊に代わり、特車二課を代表して出場する第2小隊。しかしこのメンツで勝てるわけはない。予想通り、一回戦から進士、遊馬、太田は惨敗し、ついに後藤の出番となるが、後藤は第1小隊の支援要請を理由に、あっさり身をかわす。 柔道会場から事件現場へ直行した第2小隊だが、事件は失恋男がヤケ酒で泥酔、客を人質に銭湯に立てこもっているという、くだらないものであった。しかし遊馬と太田が負傷していて使えない。やむなく後藤は香貫花に1号機の指揮を命じて、一応犯人の説得を試みる。気のない説得に犯人がイラだったところに飛び込んだ野明は、無事人質を救出するが、犯人は逆上。香貫花は銃で足止めするよう命令するが、レイバーを傷つけたくない野明は命令に従わない。しかし犯人は予想以上にキレていた。銭湯の煙突を引っこぬいて、そのまま転倒。周辺への被害は甚大なものとなってしまった。事件の後では香貫花と野明が大激突! 隊の人間関係に問題あり、という南雲の説教をくらった後藤は、当の南雲に金を借り出し、若い隊員たちを日本の伝統的トラブル解決法-屋台酒へと誘うのだった。 しかしこの飲み会、最初から荒れ模様。ひたすらピッチをあげる野明。対抗して無茶飲みし、ホームシックに泣く香貫花。オロオロする山崎。例によってケンカを始める遊馬と太田。やっぱりというか当然というか、切れた進士がからみまくる。 そして、翌朝には二日酔いがみんなを待っていた。ついに飲まなかった(飲めなかった)後藤、山崎と、酒屋の娘の実力(?)を発揮した野明を除いて-。今日も元気な野明の声がみんなの頭に響きまくる。しかし・・・、はたしてこれで隊の人間関係は、後藤のいうように改善されたのだろうか?
ある日、東京湾に一頭のザトウクジラが迷いこんできた。物見高いは日本人の常。たちまち海岸は野次馬で埋まり、岸壁には屋台が立ち並ぶ。マスコミは連日の大特集で“ザトちゃん”と命名し、環境団体も“クジラを救え!”の大コール。 ついに海上保安庁に対策本部が設置され、第2小隊も野次馬整理のために動員される。太田が環境団体の悪口雑言に切れ、発砲したりと些細な事故はあったものの、ひろみだけはクジラのために少しでも役立てるのを喜んでいた。沖縄で漁師の家に生まれ育ったひろみは、本気でクジラのことを心配していたのだ。 汚れきった東京湾の水の中では、クジラはとても生きていけない。海上保安庁の高尾は、船でクジラを湾外に追い出そうとするが、かわされて失敗。しかしひろみのアイデアで、作戦の第2弾が決行されることになった。録音したザトウクジラの“唄”を海中に流して、クジラを湾外へ誘い出そうというのである。海上保安庁の〈シービュウ〉による作戦はみごと成功。クジラは湾外に出たかに見えたが、なぜか再び戻ってきてしまった。 “この恩知らず”というわけで、人々の反応も冷め、対策本部も解散と決まった。ところがクジラは子クジラを連れていた。そうとわかれば見捨ててもおけず、かといって面倒はご免というわけで、第2小隊に任務が押しつけられる。“あいつらなら失敗しても目立たない”というのが理由だ。憤慨のあまり、張り切る一同。 廃棄処分の<フロッグマン>を応急修理して、海に潜るひろみ。再び“唄声”で外洋に誘おうというのだが、子連れで気が立っている母クジラが体当たりして外部スピーカーが故障。 失敗かと思われたその時、もう一頭、雄クジラが湾口に現れた。ザトウクジラの母子には、必ずエスコート役の雄クジラがつくという。3頭の親子クジラは、人間たちの騒動も知らぬのか、外洋へ去っていった。
札幌の雪祭りの設営協力に駆り出され、はるばる北海道に来た第2小隊。レイバー隊や警察のイメージアップを図る作戦らしいのだが、北海道民の評判は冷たく、“首都圏の破壊神”とまで言われる始末。それどころか<イングラム>の足元にビニールシートを投げこみ、転倒させる少年まで出てくるほどだ。おかげで野明たちは作りかけの雪像を壊してしまう。いたずらをした少年はサトルといった。レイバー隊の出動に巻きこまれて家を壊され、東京から転校してきたサトル。大のレイバーファンだったが、そのおかげでレイバー嫌いになったという。サトルを担当している教育実習生は、野明の高校時代のバスケ部の先輩・木山であった。彼女までが、野明が第2小隊所属と知って「恐ろしい」と言い出す始末。 そんな中、事件は起こった。実は第2小隊が札幌に派遣された目的はこれだったのだ。過激環境保護組織・地球防衛軍の下部組織“山の小屋”による雪祭りでの犯行を阻止する。会場からは菱井製の<レックス2500>2体が盗まれていた。1体は昼間のうちに会場で爆破、もう1体が会場の隅で活動していたが、その夜、発見。第2小隊は雪像に多大な被害を出しながらも、テロリストを取り押さえたが、彼らは既に会場に時限爆弾を仕掛けた後だった。爆破予定は昼の12時。 第2小隊必死の捜索が始まった。犯行予告の文面から、爆弾が仕掛けられた雪像は開発公団出品の「城」(バビロンの城)であると後藤が断定。そして木山に連れられて会場に来ていたサトル少年が爆弾の場所を発見。野明は精密作業用のモーション・コントロールで爆弾を排除するのに成功し、サトル少年の信頼を回復したのだった。
後藤隊長の身辺が最近騒がしい。カミソリ入りの手紙が送られてきたり、出前の昼飯に細工がしてあったりで、怨恨がらみのイタズラと推測された。後藤には犯人の心あたりが多すぎて判らない。一方、隊員たちも後藤の異常に気づき、その過去に興味を持ち始める。マラソンやら剣道やら、あの手この手で後藤を試そうとするが、はぐらかされるばかりである。しかし、いやがらせはエスカレートするばかり。ミニパトの上に鉢植えが落とされたり、事件に出動してみればガセネタ、おまけにキャリアの油圧パイプまで切られてしまう。勤務評定も近いというのに、第2小隊の成績はガタ落ちだ。南雲隊長にも心配されるが、後藤の“昼あんどん”は変わらず、悠然としたもの。隊員たちも任務などそっちのけで、香貫花と野明は後藤の尾行まで始めるが、あっさり気づかれてしまう。ところが尾行者は彼女たちばかりではなかった。後藤はそちらにもちゃんと気づいていたのである。 翌朝、レイバー同士のケンカを収めるため、第2小隊が出動した現場にも、その男はいた。そして格闘中の<イングラム>の足元に乳母車を転がしてきた。そのため1号機は転倒して民家を半壊させてしまい、後藤以下一同は、視察にきた海法警備部長と福島課長に厳しく叱責される。しかし後藤は平然として、乳母車を転がした男が、誰なのかを証明してみせた。前二課長・祖父江の息子と、一連のイタズラは祖父江の仕業であることを。そして全ての不祥事を、祖父江の責任にしてしまったのだ。それを知り、怒り狂う祖父江。彼はジャンクパーツを寄せ集めて作った、手作りの<レイバーX>で二課棟に殴り込んでくる! しかし寄せ集めの悲しさか、後藤をやっつける前に自壊してしまい、またもや醜態をさらすだけとなってしまった。
特車二課第2小隊に、国民的アイドル“妹にしたいタレントNo.1”の松本加奈がやってきた。レイバー安全週間の初日に、松本加奈に<イングラム>を操縦させ、青山通りをパレードするという企画のためだ。搭乗訓練期間は一週間。男子隊員はもちろん大喜び、なかでも意外や「松本加奈ファンクラブ会員ナンバー0001」という太田は熱狂的な歓迎ぶりを示すが、野明は加奈に<アルフォンス>をとられるとして、何となくおもしろくない。おまけに加奈が入隊儀式のデッキアップに失敗してアルフォンスを転倒させ、野明はカンカン。加奈をどなりつけるが、加奈は逆に野明になついてしまった。「先輩、好き!」などと顔を赤らめられては、野明もお手上げ。 そんな加奈も、レイバー大好き少女であった。意外にスジのいいところを見せ、喜々として訓練に励む加奈。 夜のジョギング中、加奈と間違えられた野明が怪しげな兵器ブローカーに誘拐されてしまった。加奈と交換に<イングラム>を入手し、外国に転売しようとしたのだ。しかし遊馬たちは野明の安全を考え、後藤に内緒で取引に応じることにした。 責任を感じる加奈。遊馬たちは犯人に<アルフォンス>を渡して、これを尾行。アジトを突き止め、太田の2号機とともに殴りこむが、<グラウベア>に押さえこまれてしまう。<アルフォンス>を起動して太田機にとどめをさそうとする犯人たち。しかし<アルフォンス>の中には加奈とひろみが潜んでいた。 加奈の思いがけない大活躍に、誘拐犯は一網打尽。ところが加奈は野明の救出で見せた遊馬の奮闘ぶりに、「ボク、先輩のことあきらめます。だって遊馬さんの方が、ずっと先輩のこと愛してるんだもん!」などと口走り、最後まで野明の顔をひきつらせるのであった。
“東京ジオシティ”-それは都心の地下100~200mにいくつもの拠点を設置し、それらを高速交通機関で放射状に接続した、直径40kmにも及ぶ巨大地下都市構想である。バビロン・プロジェクト(バビロン・プロジェクトについてはOVA第2話ストーリー参照)と並ぶ、21世紀へ向けた東京再開発計画の中心だ。 ある日、その中核として建設されていた地底のコア・ブロックにて爆弾テロが発生、犯人が残りの爆弾を抱えたまま、落盤の危険がある最下層に籠城した。 後藤は、爆弾処理のエキスパートでもある香貫花に2号機への搭乗を命じて、野明の1号機とともに地下に進入させる。しかし、犯人はすでに最下層に隣接する大鍾乳洞からの逃走を計画していた。後藤は、犯人の逃走経路を予測し、先回りしてこれを逮捕する。 しかし、それを知らぬ香貫花たちは互いに反目しながら、仕掛けられていた爆弾の時限装置を解除して鍾乳洞内部に突入、犯人の追跡を開始してしまう。 そこでふたりを待ち受けていたのは、かつて“竜神”と呼ばれた、奇怪な巨大生物であった! 襲いかかってきたこの怪物に対して、2機の<イングラム>が戦闘を始めるが、その瞬間、仕掛けられていたもう1発の爆弾が爆発。二人は辛うじて脱出するが、香貫花の2号機は右足を損傷して移動不能になってしまう。 再び二人に接近する怪物。香貫花は野明に、自分を見捨てて脱出するよう命じるが、野明はこれを拒否し、2機同時の脱出を試みるのだった。 背後から迫る怪物から逃れるため、<イングラム>で坑道の壁面をよじ登る野明と香貫花。だがその途中にも、もう一つ爆弾が仕掛けられていた。野明は慌ててその爆弾をつかみ、2号機とともに東京湾の人口島の頂上に到達する。しかし、怪物はどこまでも彼女たちの追跡を続けてくる。迫る爆発時刻と怪物! 二人は土壇場で絶妙の連携プレイを発揮した。野明が怪物と対峙し、その口の中に爆弾を突っ込んでいるすきに、香貫花が作業用の大型クレーンを操って、見事に怪物を海へ突き落として爆死させた。 その手際の良さは、まさに名コンビの所業と呼ぶべきものであろう。それもつかの間、二人は“あれ”が突然変異を起こした恐竜か、それともただの怪獣なのかをめぐって、再び反目し出すのであった。
第2小隊の3号機が整備のため、篠原重工の八王子工場に送られることになった。その引き取りのため特車2課を訪れた実山が、遊馬に実家へ帰るようにすすめたことから事は起こった。拒否する遊馬に、思わずおせっかいを焼く野明。しかし父親のこととなると異常に感情的になる遊馬に、野明も感情的になってしまった。二人とも内心はケンカをやめたいのだが、一度こじれてしまったものはどうにもならない。太田の強引な説得(?)も事態を悪化させるばかりである。 その頃、伊豆大島では怪事件が持ち上がっていた。自衛隊と、民間の警備会社HSSの合同レイバー戦闘訓練中に、陸自の<97式改サムソン>が、正体不明のレイバーに破壊されたのだ。そればかりではない。そのレイバーは東京テレポートに現れた<ファントム>らしいとの情報があって、民間への被害を防ぐため、第2小隊に出動命令が下った。後藤はこの事件を東京テレポート事件の続き、つまり<ファントム>の実験経験値をあげる相手として、<イングラム>をおびき出すための罠と考えていた。しかし命令が出た以上、出動しないわけにはいかない。 一方、自衛隊側は習志野の空挺レイバー隊が出動準備に入っていた。野明との再会を予感する不破。そして第2小隊もまたフェリーで大島へ向かおうとしていた。しかし後藤は出港の直前、万一の切り札として、遊馬に八王子まで3号機を取りにいかせる。未だ仲直りできずに別れていく野明と遊馬。大島でふたりを待つ運命は!?
遊馬を欠いたまま、一路夜の海を大島へ向かう第2小隊。しかしその頃、<ファントム>は大島に再上陸し、海岸警備を突破して内陸に移動していた。ひと足遅れて上陸した第2小隊は民間地区の警備に付くが、あくまで戦闘は避けるよう指示する後藤。後藤は、今回の共同訓練の責任者兼HSSの相談役の黒崎からあいさつを受ける。後藤のとぼけた返事を「私の上司に似ている」と言う黒崎に、「それは災難でしたね」と切り返す後藤。策士二人が腹の探りあいをしている頃、3号機を受け取った遊馬が第2小隊を追って出港していた。 上陸した<ファントム>を追って、ついに自衛隊の戦闘が始まった。しかし不破の率いる空挺レイバー小隊は、降下中を狙撃され、たちまち1機が大破。戦闘になるとジッとしていられないのが太田と香貫花。後藤の命令も無視して、戦闘中の自衛隊演習地区に突入した。太田機は一度はファントムを捕えるが、どこからか飛んできた銃弾に頭部を砕かれリタイヤ。 一方、黒崎は<ファントム>を1号機の警戒する民間地区へ向かわせた。それを追う不破の<ヘルダイバー>。野明の眼前で<ファントム>と空挺レイバー隊が激突! <ヘルダイバー>は再びどこからか飛んできた銃弾に破壊され、野明は不破機支援のため、戦闘に飛び込んでいく。<ファントム>を追いつめる野明。 最後の戦いが始まった。そこに現れる HSSの<サターン>! 陰から味方を狙撃し続けた謎のレイバーは<サターン>だったのだ。絶体絶命の野明。そのとき駆けつけた遊馬の3号機! <サターン>を倒し、1号機に電磁警棒を投げ渡す遊馬。遊馬のサポートで、野明はついに宿敵<ファントム>に止めを刺した。そして戦いが終わったとき、二人の間のわだかまりもまた消えていた。
特車二課の仕事は事件の処理ばかりではない。レイバーの安全運転の講習会など、講師として駆りだされることもある。ところがその講習会に、なぜかヤクザの親分がやってきた。その親分は花藤組の組長で、レイバーのコレクターだったのである。 自宅に招かれ、コレクションを見せられる香貫花と野明。ところが初期設定を手伝ったことから、野明はやたら組長になつかれてしまった。この組長が、同じコレクターでライバルの大那組の組長と競争するようになり、一もんちゃく起こすことになった。 花藤組の組長の自慢は、西独製の<グラウベア>。しかし、何と大那組の方は同じ<グラウベア>を買った後、金ピカに改造し、肩には桜吹雪のマーキングまでしていたのである。レイバーで勝てないなら今度は腕で、とばかりに野明に協力し始める花藤組の組長。事件現場に先回りして、ケンカしていたレイバーをやっつけてしまったのである。 その感謝状を見せびらかされた大那組長はおもしろくない。こちらも腕を見せようと事件現場に先回りして、花藤組長とバッタリ。とうとう二人は事件そっちのけでドツキあいを始めてしまった。間に入った野明の一喝で、その場は治まったものの、このまますむわけがない。 いよいよ出入りか!? 桜吹雪の舞う夜に、組長同士がレイバーで激突すれば、子分たちは長ドスをふりまわして渡りあう。事ここに至り野明も逆上、両親分をブチのめす! 香貫花は香貫花で、日本を誤解してか、単なるヤクザ映画の観すぎか、木刀ふりまわして暴れまわる。レイバーを恐いと思ったか、それとも女は恐いと思ったか、二人の組長はレイバーのコレクターをやめてしまった。
香貫花の半年間の研修期間が終了した。、自分のライフスタイルを頑固に守る香貫花なら、送別会の話を持ちかけても承知しないとみた第2小隊の面々。そこで、内緒で送別会の準備をするべく、彼女の自宅に忍び込む作戦を立てた。侵入成功、ふと、香貫花のワープロをのぞいたシゲが、書きかけの研修レポートを見つけてしまった。それは香貫花が半年間の研修の成果をNY市警へ報告するためのレポートで、第2小隊の各メンバーに対する彼女の評価が加えらたもの。人の評価というのは、とかく気になる、ということで、レポートの盗み読みが始まった。それぞれの性格分析、職務態度分析レポートは、皆を熱気で包んだ。 太田のレポートが読まれたとき、破綻的な事態が引き起こされた。 自分に付けられた数々の形容詞に逆上した太田が、香貫花のワープロをぶち壊し荒れ狂う。送別会の支度はメチャクチャ。彼のゲキリンに触れたその評価とは、“正義の狂戦士”“歩く火薬庫”“瞬間核融合炉”等々であった。 香貫花が激怒するのを恐れた一同は、大あわてで逃げ出そうとするが、帰って来た彼女に出くわしたから、さあ大変。 さんざん怒られ、やっとのことで退散する第2小隊一同。残された香貫花は一人、レポートの続きを書く。さすがに腹立ちは押さえ切れない。しかし問題多き第2小隊は同時に個性的でもあり、そんな彼らを気に入っているのも確かなのだ。香貫花は苦笑して、ワープロに向き直った。
香貫花の帰国する日が来た。空港ロビーで彼女との別れを惜しむ野明。しかし他の第2小隊の面々は、失態を見せた送別会の件もあり、陰からのお見送りである。 やがて香貫花が搭乗した飛行機は、何と、離陸直前にハイジャックされてしまった。犯人は香貫花の隣席にいた、関西弁の猫渡銀次。猫渡は飛行機に爆弾をセットした、とスチュワーデスを脅し、コクピットを占拠してしまう。その要求は、かつてソビエトの軍用レイバー<ドシュカ>の亡命事件(TV9話)で逮捕された“海の家”シンパの犬走一直を解放することだった。 異変を察知した後藤は野明たちを連れて管制塔へかけつける。機内では、皆の予想通り香貫花が行動を起こしていた。スチュワーデスに変装してコクピットに入り込んだ香貫花は、猫渡のいる前で管制塔の後藤と連絡をとることに成功。符丁で猫渡をエアロックから突き落とす計画を示唆する。 機内では、猫渡が香貫花の正体に気づき始めていた。が、もともと小心者の猫渡は、たちまち香貫花に追いつめられ、エアロックから突き落とされたのである。そしてその下では、野明の<ブルドッグ>が猫渡を無事に受けとめていた。 あらためて別れを告げる野明と香貫花。さまざまな想いを残して、香貫花は帰っていった。 しばらくして、香貫花からのエアメイルが特車2課に届く。同封された写真の裏に書かれたメッセージは、“I’ll be back~いつかまた戻るわよ”
香貫花の帰国後、2号機の指揮をとることになった進士は胃痛に悩まされていた。太田は指示を聞かないし、進士自身も瞬時の判断力を要求される現場は苦手だった。今日も指示を出すのが遅れたために、太田に無用の暴走をさせたところだ。 そんなとき、進士の前に女性のヘッドハンター・吉川が現れた。コンピュータ・ソフト開発を専門とするベンチャー企業が、部長職と現在の3倍の年棒を保証するというのだ。とまどう進士に、吉川は「あなたは現在の職場で必要とされているのか」と問いかける。脱サラまでしてなった警察官だが、最近の失態で適性に自信が持てなくなっていた。 妻の多美子に言い出せず、ひとり悩む進士。ところが、吉川から転職の件が多美子の耳に入ってしまったから大騒ぎ。自分に一言の相談もなく、しかも知らない女と転職話しを進めていたというので、多美子はカンカン。 実は進士のヘッドハンティングを依頼していたのは、商社マン時代の上司・井崎だった。迷う進士に「自分を過小評価し過ぎる」と迫る井崎。進士は押し切られるようにして転職を決意した。 翌朝、辞表を提出しようとしたとき、出動命令が下った。 暴れ回る<タイラント2000>。現場をしきる機動隊は苦戦しているにも関わらず、縄張り意識から第2小隊を現場に近寄らせない。機動隊員たちに罵倒され、いきなりキレてしまった進士。指揮車を暴走レイバーの足元に突っ込ませて足止めをし、近すぎるとためらう太田機をどなりつけて発砲させる。一同が唖然としている間に、事件は解決してしまった。 すっかり自信を取り戻し、警察官を続ける力が沸いてきた。だが家には、転職のため、引っ越し支度をする多美子が待っているのだった。
香貫花の去った後、第2小隊に新しく配属されてくる「くまがみたけお」。その名前から骨っぽい男性を想像していた第2小隊の面々だが、到着した人物は以外にも、たおやかなる線の細い女性であった。そして彼女はコンピュータに精通し、運動神経抜群で、<イングラム>の基本動作を短時間で修得するという優等生タイプ。何事もソツなくこなす彼女に対し、コンプレックスを抱き始める野明。 そんな中、第2小隊に出動命令が下る。出動直前、後藤は熊耳を2号指揮車の担当に命令。犯人は作業用レイバーで暴れまわった後、人質を取って地下溝へと逃げ込んだ。熊耳は、犯人を使用されていない作業溝に誘い込み、地上へおびき出して挟み撃ちにしようとする。作戦は見事に成功。しかし、やけを起こした犯人が、人質に銃のようなものを突きつけて脅迫してきた! 「銃を持っているのなら、地下溝に逃げ込む必要はなかったはず」と、瞬時に見抜いた野明が威嚇発砲し、犯人を逮捕する。この判断に感心した熊耳は、野明と握手を交わすのだった。 事件解決後、熊耳の正式な配属が言い渡される。階級は巡査部長で、インターポールへという声もあるほどの才女だった。驚く一同、中でも階級に弱い太田はただ愕然とするのみであった。
老朽化した建造物内でのレイバー作業。そのデータを得るため、今にも崩れそうなビルへとやってきた第2小隊。特殊な状況下での市街戦の訓練も兼ね、瓦礫の撤去など災害救助の参考になるとの狙いもあった。 夜間の作業に入ると、野明と太田は誰かに見られているような薄気味悪さを感じた。このあたりは、4年前の東京湾中部大地震で多大の被害を受けた地域。幽霊など何が出てもおかしくはない。野明たちは、そこはかとない嫌な感じを募らせていった。その頃後藤は、建物の一室で日本刀を持った帝国軍人の幽霊に襲われそうになるという、怪異現象に見舞われていた。 進士が集めてきた情報によると、この建物は近所でも有名な幽霊屋敷だという。大地震の被害の他にも戦時には爆弾の直撃を受け、江戸時代には、藩主御乱心により、家臣数人が無礼討ちにされた火浦藩の屋敷跡だったとも判明。そんな話に花を咲かせる一同を、熊耳は必要以上に叱責する。実は彼女は怪談が大の苦手なのだ。 その後、太田らと模擬戦をしている野明のモニターが突然故障した。憮然としてハッチを開ける野明が、そこで床の一部を指さす少年を目撃する。しかし少年は、わずかの間に消えてしまっていた。さすがに気になる後藤の指示で、少年の指さした辺りを掘り返してみると、出るわ、出るわ、無数の人骨! その後の調査で、江戸時代の御乱心事件の際、多数の死体を地下牢に隠して埋めていたことが判明。大地震の被害にあった成仏できない霊が、その原因である大本の怨念を鎮めてほしい、と現れたらしい。 200年前の犯罪を暴いてしまった第2小隊は、人の怨念の恐ろしさと同時に、怪談が大の苦手という熊耳の弱点を知り、笑いを噛みしめながら帰っていった。
非番の日曜日、遊馬と野明は揃って映画館に出かける。野暮な遊馬は、映画を見た後のことを何も計画していなかった。喫茶店では映画のパンフを読むだけ。そこで足を運んだゲームセンターで、二人は「パトレイバー」なるゲームを見つける。野明はさっそくプレイするが、あっという間にゲームオーバー。 そこへ、内海と名乗る男が声をかけてきた。内海はお手本とばかりに「パトレイバー」をクリアしてみせる。野明は再び挑戦するが、やはり玉砕。結局、野明は内海が連れていた少年・バドに仇を討ってもらう羽目になった。 内海はシャフト・エンタープライズの企画7課の課長であった。企画7課は、採算を度外視した高性能レイバーを製造中であり、バドはこのレイバー<グリフォン>のパイロットだった。内海のターゲットは、第2小隊の<イングラム>の動作パターンと過去のディスクを集積した起動ディスクだ。実は<ファントム>を送りだしたのも(TV第11話)、この企画7課なのである。 彼らは、今後の敵である第2小隊をこの目で見ておきたいと、臨港区工事現場でテロレイバー<サターン>を暴れさせる事件を仕掛けた。もちろん、第2小隊は内海らからマークされていることなど知らない。罠にかかった野明が現場に到着。突進してくる相手レイバーの攻撃を紙一重でかわし、器用にワイヤーを利用してこれを転倒させる。しかし犯人は煙幕を張って逃走、その目的は野明たちにとっては結局不明のままとなってしまう。内海たちは、<イングラム>の性能とパイロットの力量を確認し、相手にとって不足なしと確信していた。
陸の孤島の埋立地に立地する特車二課。そんな彼らの食料事情はハッキリ言って最悪である。唯一の支えは、出前を引き受けてくれる上海亭。そんな上海亭に、今日も大量の昼食の注文が持ち込まれたが、いくら待っても出前は来ない。しびれを切らせた太田が上海亭に掛け合う。しかし、親父は「もう出た」の一点張り、売り言葉に買い言葉で断交状態になってしまう。 悪いときには悪いことが重なるもので、家庭菜園の収穫はすでに終了、備蓄の米も底を付き、魚は1匹もかからず、最寄りのコンビニは改装工事中という有り様。そうこうするうちに日は傾き、彼らが食料を得るには上海亭に頭を下げるほかなくなってしまう。 「野犬が出るから」と出前を渋る親父に、太田は護衛でも何でも引き受けるから来い、と2号機とともに飛び出した。しかし、飛び出した太田からの連絡もとれなくなり、後藤と遊馬、野明が出かけることになった。 留守番のシゲの元へ、太田とともに出向いた進士から謎の電話連絡。「ここへ来てはいけない・・・」その内容と進士の口調に、ただならぬ気配を感じたシゲは、整備班一同を引き連れ、上海亭へ突撃! かねてから、特車二課への大量の出前に嫌気が差していた、上海亭のアルバイトのツトム。彼はその日、店の親父に叱責されたことで火がつき、途中で出前の料理を野良犬に与えて逃走。出前から帰らないツトムを探しに出た親父は、空の食器類のみを発見。それらを持ち帰ったすぐ後、太田からの電話が入ったのである。ヤツが来る! あわてた親父は、その食器を洗うことなく使用した・・・。 上海亭で、悶絶する太田と進士を発見した野明たちは、彼らを収容して二課に電話連絡を入れるが、シゲたちが出払った後ですでに手遅れ。そして野明たちが病院に行っている間に整備班が到着、飢餓状態にあった彼らは、その危険な料理を食い尽くしてしまった・・・。 かくして特車二課は集団食中毒により壊滅、世紀の恥を世間にさらしてしまったのである。
野明は悪夢にうなされていた。正体不明の敵に<イングラム>が破壊されてしまう夢である。その同時刻、小笠原では自衛隊の極秘レイバー訓練が行われていた。そこに現われた、不審な黒いレイバー。それは、脅威的な動きを見せ、実戦装備をした自衛隊機を軽くあしらい、訓練中のレイバーを全滅させて去って行った。砂浜に「ぐりふぉん参上」の文字だけを残して。 一方、警察上層部ではコストパフォーマンスの悪い<イングラム>を下取りに出し、近々発表となる篠原重工の廉価版レイバー<AVS-98エコノミー>を導入、小隊の増設を図ろうとする動きがあった。だが、野明を始め特車二課の誰もが、この計画に納得のいかないものを感じていた。この廉価版、性能的に<イングラム>よりも数段劣るようなのである。第1小隊の南雲も、渋い顔。この新機種は、数日後に晴海で開催される国際レイバーショウで正式に発表されるはず。特車二課は、国際レイバーショウで新機種の性能を見てから決定することにした。 一方、小笠原での<グリフォン>の初戦は、シャフトの内海たちにとって非常に満足のいく結果を与えた。圧倒的な性能を確認した内海は、今度は<イングラム>のオペレーション起動ディスクの奪取を画策。その舞台に東京国際レイバーショウを選ぶ。はたして、晴海埠頭で何が起こるのか・・・。
世界の最新レイバーが一同に会する東京国際レイバーショウ。そこには次期パトレイバーに、との声もある篠原重工<AVS-98エコノミー>も出展されていた。 ショウは何事もなく終了し、警備に出動していた遊馬は<AVS-98>に試乗させてもらえるよう頼み込む。起動用には<アルフォンス>のディスケットが使用された。突如、そこに割り入ってきたトレーラー。太田と遊馬は運転手に移動を勧告するが、コンテナの中から黒いレイバー<グリフォン>が出現し、太田の2号機と遊馬が乗った<AVS-98>を襲撃! それまでのレイバーからは、予想もつかない動きをみせる<グリフォン>。2機とも、あっという間に戦闘不能状態に陥ってしまう。野明は遊馬から起動ディスクを取り戻し、1号機を出撃させて<グリフォン>と相対することに成功。その野明機のデータこそが内海らの望むものであった。しかし、目隠し用に張られた煙幕が晴れてきたため、正体が知れぬうちに彼らは撤退を考え始める。それより一歩速く、熊耳が車を発見して避難勧告のため接近した。そして車中の内海を見ると同時に、驚愕する熊耳。「リチャード・王(ウォン)!?」とっさに腰に手をやる熊耳に向かって、内海の部下が発砲した。逃走する内海は、<グリフォン>に搭乗しているバドに退去命令を出す。 翼を広げ、雨空へ飛び去る<グリフォン>! 呆然とその姿を見上げる野明。この、わずか数分の間に第2小隊は壊滅的な被害を被っていた。
晴海での事件(TV第31話)で熊耳が入院し、遊馬も負傷のため戦線離脱。<グリフォン>にやられて大破してしまった2号機は、メーカー修理に出された。第2小隊の戦力は半減、彼らにとっての収穫は、<AVS-98エコノミー>が使いものにならない、ということだった。 翌日、<グリフォン>らしき機体が千葉に墜落したとのニュースが報じられる。墜落現場は、灼け焦げてバラバラになった部品が点在し、特徴的な大きな羽だけがかろうじて原型をとどめているのみであった。衝撃的な登場に反し、何とあっけない幕切れであろうか。しかしこの墜落は企画7課によるカモフラージュで、<グリフォン>は無傷で収容されていたのである。 凶弾に倒れた熊耳だが、幸いにして命に別状はなかった。そして彼女の証言により、捜査線上に内海の姿がおぼろげながらも浮かび上がってきた。 一方、内海の直属上司である徳永専務は、内海の保護をSSS~Shaft Security System~、シャフトお抱えの警備組織(実態は傭兵軍団とでもいうべき組織)に依頼する。警察に嗅ぎつけられた内海を、野放しにはしておけないからだ。一時は<グリフォン>を渡してしまおうか、とも考えていた内海であったが、一方的に頭を押さえつけようという専務の行動に反発。おとなしくSSSに捕まる気は、さらさらなくなっていた。 SSSが日本へ出動した。半ば犯罪軍団とも言える組織の動きを追っていた香貫花クランシーは、これを追って来日。共同捜査という名目で古巣の第2小隊と合流し、一緒にこれと相対したいと願い出た。後藤は彼女に、遊馬に代わって1号指揮車担当を依頼、戦力不足に陥っていた第2小隊の力強い助っ人として迎え入れる。
松井刑事から連絡が入り、内海らが海路で東京に向かっていることを知った香貫花は、SSSが“バビロンの城門”に網を張るであろうと推理。「どうせ、いつかは戦わなければならない相手だから」と肝を据えた後藤。ライアットガンの使用を許可し、城門の川崎側に待機するよう命令する。 バビロンの城門・・・それはバビロン計画(OVA第2話ストーリー参照)の一端として建設が進められている、木更津人工島と川崎人工島とを結ぶ大突堤。東京港へ入るには、必ずこの工事区域を通過しなければならない。SSSにとって、閑散とした陸地から遠く離れた海上までのこの区域は、まさに荒事を起こすに最適の場所だった。 <グリフォン>を甲板にさらしたまま、城門の木更津側へ入港してくる内海の船。そして城門に上陸するやいなや、<グリフォン>はSSSのレイバー<エイブラハム>を餌食にした。 川崎側に待機していた第2小隊は、対岸に黒いレイバーが出現したことを知り、全速で移動を開始する。中でも、晴海で何の役にも立てなかった(TV第31話)と自分を責める野明は、今夜はボロボロになるまで戦う決意を固めていた。
“バビロンの城門”の木更津側に上陸した<グリフォン>(第33話)は、すでにSSSのレイバー3機を葬っていた。この現場を偶然に発見したテレビ局のヘリコプターが、その姿を放映していた。 第2小隊がバビロンの城門に到着。<イングラム>はライアットガンで威嚇するが、テレビ局のスタッフが邪魔になり、銃器が使用できない。その隙に、強烈なライトで目を眩ませて突進してくる<グリフォン>。一か八か、野明は香貫花からの声だけを頼りに、手に持ったライアットガンで<グリフォン>を殴打する。その拍子にライアットが暴発、肝をつぶす野明。 テレビ局のスタッフが退避したことを確認し、野明は再び<グリフォン>に狙いを定める。その時、現場の混乱を利用してSSSが<グリフォン>に爆弾を取付けようと<エイブラハム>を近付けてきた。しかし、<グリフォン>を狙ったライアットガンの散弾を受け、誤爆する。<グリフォン>と<イングラム>も、もろともに吹き飛ばされてしまった。野明はショックで気を失ってしまうが、なんとか正気を取り戻し、<グリフォン>と再度対峙するのであった。 迫り来る<グリフォン>。今度こそ格闘戦に持ち込んでみせると闘志をあらわにするバドであったが、野明はその勢いを利用して、一本背負いでこれを投げ飛ばす! 激烈な闘いを繰り広げる2機の新鋭レイバー。はたして、この戦いの結末は!?
バビロンの城門では<イングラム>と<グリフォン>の格闘が続いていた(TV第34話~)。<グリフォン>の一撃でメインモニターが故障してしまった<イングラム>に、いつもの機敏さはない。そこで、太田とひろみがパトカーに取付けた2号機のリボルバーカノンを発砲。この無茶ともいうべき行動が、<グリフォン>のメインモニターを見事に破壊した。 互いに目を失った2機のレイバーは、やみくもに殴り合いをするだけである。<グリフォン>が動くたびに発する異音に気付いた内海は、バドに撤退を指示した。<グリフォン>は右腕を切り放し、再び大空へと飛び立っていく。しかし受けたダメージが大きすぎ、東京湾上に墜落してしまった。 内海に手を出すなと、シャフトのトップがSSSに通達してきた。シャフト上層部にとって内海と企画7課は、いまだ貴重な存在であるらしい。SSSは何事をもなさぬままに撤退した。 日本での任務を終えてアメリカへ帰国する香貫花を見送って、空港に来ていた後藤。そこで、国外へと逃亡する変装した内海、バドとすれ違った。後藤は彼らの正体に気付いたが、逮捕する証拠は何もなかったのである。
<グリフォン>との死闘(TV第35話)を終えた第2小隊は、奥多摩のレイバー隊員研修学校にて訓練を受けていた。野明は一人で“自分は何の役にも立っていないんじゃないか”と落ち込んでいる。そのモヤモヤを吹き飛ばそうとして、後藤には内緒の夜食の買い出しを志願。そして、途中通りかかった川に何枚もの1万円札が流れているのを発見した。上流で何事かが起きたと、野明はすぐさま探索を開始した。そして見つけ出したのは、片足にケガを負いながらも大金入りバッグを離そうとしない中年の男であった。 いつまでも野明が戻らない養成学校では、後藤に買い出しの一件が見つかっていた。その程度のことで怒るような後藤ではなかったが、近所に金融強盗犯が潜伏しているらしいと話す。慌てて捜索に出発する一同。 その頃、野明は発見した男と押し問答を繰り広げていた。男は金の一部を渡して、口を封じようとしていたのである。野明が自分の身分を明かすと、中年男はもう逃れられないと断念。そこへ遊馬たちの捜索班が到着。太田が男へ飛びかかろうとした時、後藤がそれを押し止めた。その男は強盗犯ではない、実はすでに犯人は逮捕されていたと告白。 焦って単独行動した野明を心配する遊馬は、後藤から野明の心のカウンセリングを命じられる。「第2小隊にミスキャストはない」という後藤の言葉を伝えるとともに、お前は<グリフォン>を撃退した勇者なんだと励ます。野明はその言葉で自分を取り戻し、力強く微笑むのだった。
悪評高き第2小隊が、またもや失態をさらすことになってしまった。暴走レイバー逮捕の途中、駐車していた一般車両を太田が壊してしまったのだ。これまでは始末書で済んでいたのだが、「今回は現場検証をもう一度行え」という命令が上層部から伝えられる。度重なる補償に当たっていた保険会社が、現状の調査を要求してきていたのだ。 渋々ながらも、もう一度現場検証を始める第2小隊。そこへ中年のオバサン調査員・サンライズ保険の山田尚代がスクーターに乗ってやってきた。2台の<イングラム>を使用して、逮捕劇を再現させる山田オバサン。オバサンながらもその動きはテキパキとしたもの。審査の結果、不注意が車両破損の原因とされ、保険は下りなくなった。 怒りまくる太田と隊員たちの前に、再びオバサンが現れた。特殊なパトレイバー保険の実態を調査するため、しばらく第2小隊と行動を共にするというのだ。とにかく実状をごまかして早々にお引き取り願うしかない、と願う一同。しかしこのオバサンは隊員たちの弁当まで作ってきてくれ、とても調査員とは思えない大らかでやさしい人物だった。特に太田は、制服の繕いまでしてもらって複雑な気分である。 その時、重量級のレイバーを輸送していたトレーラーがテロリストに奪われた、との連絡が入る。いつものように出動する第2小隊。オバサンも現場に同行して彼らの行動を追う。そして、ゆっくり食事もできないレイバー隊に与えられたハードな任務を見て、保険こそが彼らの支えであると理解する。実はこのオバサン、外交員から取締役にまで昇進した叩き上げの女性であった。太田たちの活躍に感動した彼女は、以後の保険の適用範囲を大幅に拡大して去っていった。
食料事情が切迫している特車二課において、次々と貴重な食料が盗難される事件が発生した。怒りに目を血走らせた一同は24時間体制の警備を実行、犯人逮捕に全力を傾けるのであった。 数日後の深夜、怪しげな人影を発見。これを捕らえようと試みるが、人影はその努力をあざ笑うかのように、こつ然と二課棟敷地内のマンホールの中に消え去ってしまう。 マンホールは東京の奥深く張り巡らされた地下通路の入口・・・。ゴミの搬入のために設けられたものがいつしか忘れ去られ、いまでは魔の空間になっているという。どうやら犯人はその中に潜み、たまに地上に出てきては食料の調達をしているらしい。そこで第2小隊は進士・太田の2名による犯人逮捕パーティを編成し、捜索にあたることになった。 地下へと降りていく二人の通信が、間もなく悲鳴とともに断絶された。今度は第2小隊残りの4名全員で、マンホールの“ダンジョン”に挑むことになった。一行は、細心の注意を払いつつ前進をするが、その努力も空しくネズミや猫の大群から襲撃される。熊耳は気絶してしまい、残った者たちもボロボロになって逃走する。ところが今度現われたのは、白い、巨大な、ワニではないか! 死にものぐるいで逃げ出す彼らと、先行したパーティが合流。ふと、彼らの目に明かりのようなものが映った。あそこへ逃げ込めば助かる! 一目散でそこへ飛び込み、間一髪でワニの襲撃から逃れられた一同。しかし彼らが見たものとは・・・。 そこは、居心地のよさそうな、ちょっとした応接間まがいの部屋であった。だが、置かれていた物のいくつかには見覚えがある。そう、偶然にも食料強奪犯人の隠れ家にたどり着いてしまったのである。盗まれたものを物色しているその時、犯人が部屋へ戻ってきた。ここで会ったが百年目とばかり、袋叩きにしようとする遊馬たち。犯人は慌てて通路に逃げ出すが、そこにはあのワニがいた! 絶体絶命、大ピンチ! 一同はダンジョン内を駆けずり回り、ようやく地上への出口を発見して、九死に一生を得た。
絶えて久しかった新型警察用レイバーの開発情報が、久々に舞い込んできた。その名は<AVS-98 MARKII>。晴海で<グリフォン>によって無惨に破壊された<AVS-98>の後継機だが、機能は格段にアップしたものだという。 その話題で持ちきりの特車二課の面々。そんなとき野明と太田、それに第1小隊の五味丘に対して、その新型機のテスト参加の連絡が舞い込んでくる。 篠原重工の研究所で、<AVS-98 MARKII>と対面した野明。パワーは認めるが、手応えが感じられない野明。太田や五味丘の評価は好評。新型の導入が急務の第1小隊に所属する五味丘は、現行の<97式改>よりも格段に優れた性能を持つこの<AVS-98 MARKII>を一日も早く小隊に配備して欲しいと願うほどであった。 自分の評価が二人と違うことから、さらに考え込んでしまう野明。責任者の実山からデータ上に問題点は何も出ていないと知らされ、さらに混乱する。新型機には絶対的な自信を抱いている実山。 だが、ついに彼女の疑問が晴れる日がやってきた。それはテストの仕上げとして、愛機の<イングラム>でこの機体と模擬戦を演じたときのことである。<イングラム>は細かな部分まで、すべて自分に合わせて調整されているのに対して、“誰にでも使えるレイバー”が設計思想の新型機は、操縦者の癖まで読み取れない。<イングラム>は見事に勝利、<AVS-98 MARKII>の導入は中止された。 警察用レイバーが不測事態を対処するには、パイロットの技量とそれを支えるメンテナンスが重要である。それを改めて認識した実山は、警察用に量産機を開発する計画を白紙に戻したのであった。
真夏の盛り、ある海岸地域の警備命令が第2小隊に下された。遙か古代に絶滅したはずの首長竜<プレシオサウルス>らしき生物により、漁船が沈められたのだ。早速、周辺住民の事情聴取などを開始する隊員たち。情報によると、近在の漁師たちは沖合いの御神体周辺にプレシオサウルス(彼らはプレッシーと呼ぶ)の営巣地があることを知っており、近づかないようにしていたというのである。 その話を聞きつけ、観光客があっという間に集まってきた。プレッシーはもとより、第2小隊の傍若無人な振る舞いに目をつけた桜山桃子などマスコミ陣も駆け寄って、海岸は大盛況である。 しかし、後藤だけはプレッシーがニセ物だと確信していた。住民が保護などを訴えるまでの反応時間が早過ぎる。そこで後藤は騒ぎを起こしている張本人たちが、何かリアクションをとるように仕向ける。 その夜、プレッシーが出現した。その実体は、海獣の着ぐるみに包まれた2機の水中用レイバー。想像以上に抵抗するレイバーに、キレた太田が立ち向かう! 周囲の浜茶屋を破壊しまくり、海中で電磁警棒を使うという大失態。しかしなんとか取り押さえることに成功した。事件の張本人は村の顔役と若者たち。町興しの最後の手段として、<ニセ海獣騒動>を企てたのだ。 翌日、夕べの騒ぎが嘘のような寂れた海岸で、第2小隊は夏休みをとっていた。
そして会期の最終日、テロリストが会場を爆破しようとして出現した。だがこの二人組のテロリスト、なんだか、どこか間が抜けている。あっという間に警官隊に包囲され、最上階のラウンジへと逃げる途中、誤って爆弾の時限装置をスタートさせてラウンジの基部を吹き飛ばしてしまった。今にも崩れ落ちそうなラウンジに取り残されたテロリストたちの救出作業に取りかかる第2小隊。もしラウンジが落下すれば、その真下に敷設されている航空機燃料輸送パイプが破壊されて大爆発してしまう。こんな時にもテロリスト達は、バーテンの牧を人質に取って後藤たちの説得に耳をかそうともしない。 このままではらちが開かないと見て、大バクチ的計画を打つ後藤。なんと、ホテルの反対側を爆破して、ラウンジを燃料パイプと逆方向に倒し、その瞬間に人質を救い出せというのである。最初は拒否していた野明だが、どうにか人質の救出に成功した。しかし計画を知らされていなかった太田の2号機が崩れたエレベーターシャフト内に落下、身動き取れなくなってしまう。「隊長は、自分には何も伝えてくれなかったぁ~!」と泣き叫ぶ太田。後藤はその後の処理を熊耳にまかせ、トイレに逃げ込んでしまうのであった
首都圏を中心に続発している、レイバーによるキャッシュディスペンサー強奪事件。福島課長に連れられて現場を訪れた後藤は、そこで奇妙な落書きを発見した。“へのへのもへじ”のような絵なのだが、彼の記憶の中では、過去の事件と関連しているように思われた。しかし現場検証にあたっている刑事たちは、まったく注目しようとしない。後藤はそれが何だったのかと必死に記憶の糸をたぐっていった。そして、3年前に霞が関ビルで起きた爆弾テロ未遂事件の現場に残されていたものと、同じ絵であることを思い出す。 その事件の主犯は猿滑三吉。過去に第2小隊の活躍によって逮捕された、犬走(TV第9話)と猫渡(TV第24話)の先輩格に当たる頭脳派のテロリストである。服役していた二人の保証人のモンタージュ写真も、猿滑に似ている。キャッシュディスペンサー強奪事件の犯人は、この3人に間違いない! そう確信した後藤は、支払機に一番金が入っている木曜日に犯行が行われると考え、テロリスト3人にとって痛恨の場所である霞が関ビル周辺に第2小隊を待機させる。 深夜、まさに後藤の予想通りに計画を実行するテロリストたち。野明の<イングラム>は支払機の奪還には成功するものの、テロリストたちの連携も手際が良く、3人を取り逃がしてしまった。猿滑たちは二手に別れて逃走を図ることにする。しかし、彼らの顔にはなぜか満足感があふれていた。再会を誓いあう3人。お日さまの下を自由に歩けぬ彼らだが、その心は堅い友情で結ばれていた。
衛星テレビの「働くお嬢さん」に、野明が出演することになった。番組の企画と司会は、桜山桃子レポーター。彼女の方から特車二課へ取材を申込んできたのだが、少しでも二課の評判を良くしようとする福島課長ら上層部は大歓迎し、野明本人の意向を無視して決まってしまった。もっとも、野明自身も、決してやぶさかではない表情だったようだが。 しかし実際に収録が始まると、仮眠室で眠っているところを叩き起こされ、寝起きのヒドイ状態を撮られてしまい、野明は憮然としてしまう。思わず抗議の声をあげようともするが、マスコミのカメラを前にすると強いことが言えなくなってしまう。つい黙ってしまい、せめて醜態だけは見せまいとして、慣れない化粧を始めるのであった。 しかし、そんな特車隊の事情などに構うことなく事件は発生する。自称不治の病の男(実はただの胃潰瘍)が作業用のレイバーを奪い、自殺寸前の状態である。出動する第2小隊に続き、桃子レポーターたち撮影クルーも後を追った。 だがそこで、突撃レポーターを自称する桃子が勇み足で犯人に近づき過ぎ、人質になってしまった。自分はガンでもうすぐ死ぬんだ、と叫ぶ犯人に、ただの胃潰瘍だよと後藤が応える。しかし犯人は逆上してガスタンクへ真っしぐら。野明はダッシュでこれを追い、間一髪で自殺を阻止した。人質の桃子共々オイルまみれになってしまうが、働く女性としてお互いにOKサインを出し合った。 放映当日、テレビの前に集まる隊員たち。一同はワクワクしながらチャンネルを合わせる。しかし番組は、ナイターの延長により無情にも中止されていた。
香貫花を隊長として発足したニューヨーク市警レイバー隊。最新の技術を伝えるため、整備班のシゲに2週間の渡米が命じられた。彼は喜び勇んでその辞令を皆に見せびらかすが、調子に乗りすぎて階段から転げ落ち、気を失ってしまう。混沌の中、目覚めるシゲ。そこはなぜかアメリカ行きの飛行機の中。一瞬とまどうが、楽天家のシゲは深く考えずに目的地まで到着した。 だが彼が訪れたニューヨークは、何かがおかしい。拾ったタクシーにマシンガンを乱射されたところを香貫花に助けられ、007映画ばりの秘密の入り口からレイバー隊基地へ向かうのだった。ハドソン湾の地下に設置されているその基地は、超ハイテクを駆使した代物。正式名称Crime Labor Attack Team、通称CLATと呼ばれている。シゲは豪華な設備に目を回すが、紹介された隊員たちは、みんな見たことがあるような人物ばかり。しかし彼はそんなことも気にせず、到着早々エネルギー研究所がテロリストに襲われていると聞き、出動に同行する。 現場のすさまじさは、絶句ものである。2号機はテロリストの<エイブラハム>どころか研究所まで破壊。一件落着に見えたこの事件も、実は高エネルギー結晶体・ジオクリスタルを盗むための陽動だった。政府は大パニックに陥っているようだったが、対策を講じるよりも早く敵の方が動き出した。相手は巨大ロボット・メガアイアンにクリスタルを持たせ、全世界の降伏を要求! 決死の覚悟で出撃するCLAT。だが、メガアイアンを操る女マッドサイエンティストが自滅、クリスタルの起爆装置を点火してしてまう。すぐに装置を解体するシゲ。CLATチームの期待を一心に受け、彼は見事に時限装置を停止した・・・かに思えたが、クリスタルは爆発、巨大な閃光がアメリカ大陸を包んでいった・・・。 すべては失神中のシゲが見た、夢の物語 である。
富士山麓の自衛隊演習場で、年に一度開催される一般公開の総合火力演習。今年はその晴舞台で空挺レイバー隊が活躍すると聞き、後藤以下第2小隊のメンバーが演習場を訪れていた。太田は<99式ヘルダイバー>の流れるような動きと腕に装備された速射砲の威力を見て、ぜひ二課にも1台!と願うが、後藤はそれを軽くいなして帰路につこうとする。 しかし、一人の自衛官がそんな後藤を呼び止め、一同を<99式>の格納庫へと導く。そこで彼らを待っていたのは、南雲の学生時代の友人で、現在ヘルダイバー部隊の隊長を務めている不破だった。彼女は後藤に、南雲への挨拶を伝えてもらうように頼むとともに、遊馬たちに<99式>のすべてを見せる。が、彼女の狙いは、ともに<ファントム>と戦った野明(TV第20~21話)をスカウトすることだった。 不破に煽られ、<99式>を操縦する野明。だがその操縦は、初めて乗った機体とは思えないほど見事なもの。それを見て不破はますます彼女が気に入り、別れ際にはその操作マニュアルまでも渡すのだった。 最初は半ば冗談として考えていたが、不破の度重なるスカウトにより心を揺れ動かしてしまう野明。しかし、その迷いが救助作業でミスを呼び、自分はまだ特車隊員として半人前であることを悟るのだった。中途半端で“今”を投げ出すことはできない。 再び現れた不破に、マニュアルを返す野明。不破はそれでも彼女をあきらめることはなかった。と、ちょうどそのとき目前で強盗事件が発生した。不破と話していることも忘れて犯人を追い、ナイフを出して威嚇する犯人を投げ飛ばす野明。 一部始終を見て、不破は野明が自分を必要としていないことを悟る。“今”に一生懸命なその姿は、不破自身と同じものである。そこに他人が無理に介在するのは、彼女とて望まぬことである。野明に将来の期待を抱きつつ、彼女は一人宿舎へと帰っていった。
第1小隊に、篠原重工の最新鋭レイバー<AV-0>が、導入されることが決定した。この機体は、あらゆる面で<イングラム>の能力を凌いでいた。最大の注目点は、これまでにないアーキテクチャーで設計されたニューロン・ネットワーク・システムを搭載した制御コンピュータ。これにより周囲の障害物を自動的に回避するなど、さまざまな点で操縦者の負担の軽減を果たしている。 その性能は、太田の<イングラム>との模擬戦によってもいかんなく発揮されていたが、野明は、心の中に自分でも理解できないわだかまりが生まれていることに気付く。それは嫉妬や羨望とは違った、もっと何か悲しいもの。近い日に来るであろう、「アルフォンス」とまで名付けた思い入れの深い<イングラム>との別れ。それが個人的な感傷でしかないことは、野明自身が一番理解していた。しかし今は、押さえきれない気持ちを前に、<イングラム>のコクピットの中で泣き濡れるしかない。
出動するたびに評価が高まる、第1小隊の<AV-0>。<ピースメーカー>と命名されたこの機体は、まさに東京の守護神としてその存在が認められつつあった。それと相反するかのように、沈んでいく野明。 突き当たった心の壁を越えるべく、野明は苫小牧に帰郷する。<イングラム>との別れが恐いのは、遥か昔に経験した別離の悲しみを思い出したくないからだと気付いていた。 死んでしまった犬のアルフォンスが眠る丘に赴いた野明は、埋葬の時のことを思い返す。いつまでも亡骸から離れようとしなかった自分、そしてそんな自分に優しくしてくれた父。思い出を体いっぱいに抱えて丘を降りた野明は、夕日の中に遊馬の姿を見つけた。 「吹っ切れたのか」と穏やかな口調で問いかける遊馬。野明は静かにうなずいた。いつまでも悲しんでいてはいけない、未来から逃げることはもっといけない。明日を怖がっていたら何もできない。残された者が悲しむだけなんだ! 家に着くまでに、野明はいつもの元気な女の子に戻り、両親に東京へ帰ると話すのだった。 東京で二人を待ち構えていたのは、川崎コンビナートにテロリストの<クラブマン・ハイレッグ>が逃げ込んだという知らせだった。先に出動した第1小隊の援護のため、緊急出動する第2小隊。野明は<イングラム>を傷つけながらもこれを取り押さえ、一歩成長した姿を仲間たちに披露したのであった。