平田一

好きって言いなよ。の平田一のレビュー・感想・評価

好きって言いなよ。(2012年製作のアニメ)
5.0
未だに自分の少女漫画原作アニメーションにおいて「ハチミツとクローバー」以来の傑作だと思ってます。16年間友達も作らず生きた橘めいと学校中の全ての女子とキスをしたっと噂を持たれる黒沢大和の不器用で真っ直ぐな恋愛もので、友情や家族愛も丁寧に描かれて、しかも流れが流麗で深い夜にピッタリです。

特に一番打たれたのは、殊更に騒ぎ立てず、静かに紡ぐ姿勢です。めいはしっかり自分の意志を持っている一方で、裏切られた過去の傷から人一倍臆病で、茅野さんのお声も相まって本当にピッタリです。大和も臆病だからこそ八方美人で誤魔化して、裏では素のダサい自分も含めて認められたいと、切実に色んな思いを抱えて今日まで生きていて、足りないピースを埋めてくれる出会いに一喜一憂する。

大和役の櫻井孝宏さんは大和の抱える八方美人やみっともなさの奥にある誤魔化せない本当の大和をも芝居に見せてて流石です。件のことは別として、当時も今も大和役が櫻井さんで良かったです。この人の芝居の引き出しは改めて多いなぁ。

あとここでの愛子役の内山夕実さんも良いです。大和に未練を残しながら、その大和の隣に立ってるめいに苛立ち、敵疑心を剥き出しにする役で、けれどある一件から親友になっていく。軽率な大和に対し、めいの苦悩をハッキリ伝える第8話「恋愛初心者」での立ち回りも素晴らしく、これが後にルーデウスを演じるとは思わずですw

誇張されててマンガじみたギャグや表現は皆無。原作同様地続きの日常で呼吸をし、驚いたり、喜んだり、気持ちを押し込めすぎたりと、実写のような感触が見事にハマっていましたね。個人的には2期は勿論、原作のラストまでのアニメ化をして欲しい。それぐらいに大好きな漫画、もといアニメです!
平田一

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