平田一

ラストエグザイル -銀翼のファム-の平田一のレビュー・感想・評価

4.2
11年ぶりの再訪が、結果として1年かけた視聴になっていましたね…

その間に世界はまるでこのアニメのようになり、ボクはボクで転職し、仕事や自分と向き合い続け…そう言えばあの頃より何かを変えれているのかな?

与太話はさておいて、久しぶりに来訪した「銀翼のファム」ですが、あの時より物語が突き刺さってばかりです。自由に空を飛べることを愛する空族少女ファム。そんな彼女と相棒のジゼルが空で出会ったのは、トゥランのお姫様ミリア。立ちはだかるのはアデス連邦に、戦争と現実…

皮肉なことに世界は今や劇中のようになり、皆上を向いてるよりも、下ばっかり向いている。そんな時に希望を信じることは果たして罪なのか? 憎しみの行き着く先は報復しかないのか? 必死に戦争を止めようと奮闘するファムですが、アニメはそこで明確な警鐘を出していて、11年経ったことで一層刺さっちゃいました…

ファムのようなキャラクター、もっと言うと「善人」は戦争を止めさえすれば平和になれると信じてる。勿論それは間違っていないとボクも思ってます。けれどそこには見過ごされがちな“感情”があることをファムたちは気づけなかった。

故に悲劇が起こってしまい…

エピソード20でのコメント欄でも描いたけど、憎しみに無理矢理フタをしたら一体どうなるか? 戦争の終わらせ方が簡単なわけがなく…どんどん泥沼になっていく終盤はツラくって、けれど絶対諦めないファムたちの戦いが歳を重ねてより一層、強く響きましたね。

特にディーオの活躍ぶりがもう感涙ばっかです。殺人マシーンとして人生を終えるはずだった少年が親友から相棒を託されて空を舞う。そんな燃えるシチュエーションに燃えないわけないでしょ(ファムたちをサポートしていく先輩としても魅力的)。

1期よりも明朗快活(めいろうかいかつ)な側面は増したけど、当時まだアニオタとして駆け出しだったときに出会い、以来心に残り続ける大好きなアニメです ラピュタ好きなら空の描写にひたすら浸かって欲しいですし、曲好きなら黒石ひとみさんの劇半に酔って欲しい。シスターフッドものとしても楽しめると思いますし、これからも銀翼のファムのことが大好きです!

なので最後にこの言葉。

「翼に風を!」
「追い風を祈る!」
平田一

平田一