Elma

86―エイティシックス― 第2期のElmaのレビュー・感想・評価

5.0
1期と変わり、シンたちエイティシックスがメインとなり物事が動く2期。
1期のシンとレーナの掛け合いや、2つの視点から動く流れが好きだっただけに序盤は寂しさを覚えた。
しかし、それら全ては22、23話の為と言い切れるほどラストが良い!!
2人の再会を2話に分け丁寧に描写することでこの上ないほど感情移入できた。


以下好きなポイントを抜粋

・22話
強くなったレーナに涙。淡い色調の中、まっすぐに芯の通ったレーナの言葉は強く、完璧に美しい場面だと思う。
絶望したシンを立ち上がらせるのは、隣にいた仲間たちではなく、壁の向こうで違った立場で共に戦ったレーナでないとできなかったことがまた良い。

・23話
言葉はいらない完璧な再会!!
やっと顔を合わせた時のシンの表情が堪らない。あんなに優しい顔するんだ……
ED曲が流れ始める辺りから何度も何度も見返してしまった。色々なアニメを見たけれど、86の22話、23話(+9話)は段違いに好きな話。

・キリヤとフレデリカ
2期のキーパーソンであるフレデリカ。序盤はレーナがいないこともあり、なかなか感情移入できなかったが、キリヤとの関係性を見る中でどんどん好きになっていった。
戦場で拳銃を撃つシーンは、女帝としての強さに心を打たれた。その後キリヤに助けられるところでまた泣ける。
最後、ノウゼンファミリーの空想も現実ならなと思ってしまう。
少女の儚さと、帝国最後の女帝の強さを合わせ持つ良いキャラクター、原作での活躍にも期待。

・音楽
OPが良い!!!amazarashiの原作理解度の高さが恐ろしい。
「屈服することを 許さぬあの声は かつての戦友か 己の心か」
どうすればこんな歌詞が出てくるんだろう。本当にすごい。語彙力がなくなってしまう。
加えて劇伴歌やEDの澤野弘之さんの曲も素晴らしかった。
1期EDを盛り上がるシーンで流すのが感慨深い。23話のLilasもあの場面にぴったりで感動的。
2期ではないが、1期9話ラストで流れる曲も、別れの辛さ、可能性、切なさ全てを汲み取った名曲で、何度もリピートするシーンの1つになっている。

1、2期通してシリアスとコメディのバランスがとてもよかった。辛い場面が多いからこそ、日常のささやかな出来事や登場人物たちの関係性にくすっとできる。
単なるバトル物ではなく、人間の信念、葛藤、迷いを丁寧に描き、かつ前に進んでいく少年少女の強さを見せてくれる名作。

原作もアニメに引けをとらない(そして地獄)なのでおすすめ!!
Elma

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