めしいらず

BECKのめしいらずのレビュー・感想・評価

BECK(2004年製作のアニメ)
3.1
ロックに青春を捧げる少年たちの音楽劇。この手の原作の映像化で重要なのは楽曲や演奏に視聴者を納得させられるだけの説得力を持たせることができるかだと思うのだけれど、その点でこのアニメは十二分にクリアしていたと思う。最初はそうでもなかったのが回を重ね耳馴染むに連れつい口ずさんでいたりする。また一人ひとりのキャラクター造形がとても魅力的。目立つ人、目立たない人それぞれの冴えたり冴えなかったりな日常が時に反転したりしながら生き生きと描かれていて物語としてとてもふくよか。主人公のコユキとヒロインのマホの関係性に年甲斐もなくキュンとさせられてしまう。メンバーが一人ずつ加わっていくクライマックスの野外ライブも無論そうではあるが、コユキとサクが離れる雪の場面が個人的には最もエモーショナルだった。後半は一気呵成に鑑賞させられてしまうくらい求心力がある。ただ、聴衆の心を鷲掴みにするコユキの天性の歌唱力が、一視聴者の私にはそこまでのものには思えないのが残念。それともう一点気になるのが、頻出するとても流暢な英会話の発音(とびきり上等ではあるが…)がやはりあくまでも日本人のそれの範疇である点で、日本人キャラの場合ならそれで良いけれど、外国人キャラまでそう聞こえてしまうのはやっぱり不自然な感じがして、上手であるがゆえに却って気になってしまった。ここまで言うとほぼ難癖か…。アイスミマセヌ。
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