なつふじ

チェンソーマンのなつふじのレビュー・感想・評価

チェンソーマン(2022年製作のアニメ)
4.0
#1話
MAPPA制作で、かつOPを見た時点で、PVとOPEDを120点の出来にして、後は本編80点で話題を取るつもりだろうと思っていたら…前半の丁寧な作画と演出に、思わずMAPPAに手のひらを返しそうになった…が……

なんだこの戦闘シーン!?

いや別に3DCGを使うなとは言わないが、それなら宝石の国とかファフナーみたいに3D作画だからこそできる迫力ハンパないアニメーションでアクションを見せてくれよ。あるいはハッタリとケレン味で魅せるか。なんで白黒静止画B5判の原作のが迫力あるんだよ。
規制が全然ないのは良かったけど…それ以外は……
やっぱMAPPAは小綺麗なだけか、と思ったらどうも監督のインタビュー等を読むと確信犯的な演出のようで…おいおい解釈違いかよ
チェンソーマンは作者のネタ元からわかるようにB級アクション漫画でしょ、そんな高尚な作品じゃないねん、なんでハッタリもケレン味もない無駄に重々しいノーカタルシスな作風になってんだよ、別に原作を再現しろとは1ミリも思わないけど、原作のカラーと全然違うやんけ!

呪術廻戦がMAPPAとは思えない素晴らしい出来だったから、同じジャンプの売れ筋で、かつ「社運を賭けてる、製作委員会ナシ」的な発見でつい期待してしまったが…やはりあの韓国人監督はマッパの異端児だな。同じ会社の作品だと見てはいかんわ…

しかし数年前に見た宝石の国やシドニアの3DCGに感動して、これならアニメの未来も明るいわと思ったのに、なんで最新の進撃とかチェンソーがこうなるん?
チェンソーのは手書きと3DCGの併用で、そこが違和感あるのかと思ったけど、ファフナーは同じスタイルでも唸らされたし…金の問題?演出センス?人海戦術?

いや少なくともチェンソーの戦闘シーンは、よく見たら手間と金がかかってるのはわかるんだよな。だからやっぱ解釈違いか…?
まぁなんにせよWIT進撃や呪術の圧倒的な手書き作画見せられたら、そら手描き信仰になりますわな…
ユーリや片隅みたいに、誇張しないリアルな演技のアニメーションならMAPPAも合うんだがなぁ。ヴィンサガはどうなることやら

マキマの声がいろいろ言われてるけど、個人的にはそれよりもポチタの声にビビったわ。丁寧な口調だから、てっきり人語モードの時はオッサンの声なのかと。まぁアニメのポチタすげーかわいかったから、これもアリ。木斬ってるとこツボすぎる。
モー娘…じゃなくて米津玄師のOPはもちろん映像も含めてよかったし、VaundyのEDも笑った(よかった)。

なんかめっちゃ文句垂れちゃったけど、戦闘シーン以外は凄くよかった(と言っても戦闘シーンのカタルシスありきで構成された重苦しい前半だということを考慮するとどうなのかとも思うが)ので、とりあえず、キャラ増えて雰囲気変わる2話以降に…期待します……

と思ったけど、ラストバトルでめちゃくちゃ重要な伏線になる「俺たちの」のセリフをカットした時点で、脚本も怪しいぞ……瀬古浩司、仕事抱えすぎて原作追えてないのでは…

#チェンソーマン 2話
1話の感想で、これはクオリティの問題ではなく解釈違いなのでは、と思ったがその説は正しかったのもしれない。

今回もアニメとしての質は高かったはずなのに、違和感が凄い。で、わかったんけど、アニメ化された作品はチェンソーマンなのに、演出や空気感や演技がファイアパンチなんだよな……

漫画とアニメは別物だから、原作再現しろ派ではまったくないし、それこそ『ぼくらの』みたいにアニメと漫画で別作品にして、それでどっちも名作になってくれれば文句はない
でも現状、雰囲気だけ暗くてシリアス…というか古典的邦画風で、でも台詞回しなんかは原作の、タツキのB級洋画のノリだから違和感が凄い。原作の一種清々しさすらある下ネタも、このシリアスなトーンだと気持ち悪さを感じてしまう。それでいてパワーちゃんだけアニメアニメしてるし…

3話の絵コンテは田中宏紀さんらしいので期待しとく
なつふじ

なつふじ